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女性候補発掘にしのぎ削る立憲と維新 結果平等か、機会平等か

今夏に行われる参議院選挙に向けて、立憲民主党と日本維新の会が候補者に対する子育て援助金の支給を行うことを表明した。立憲は1人あたり約50万円、維新は男女問わず1人当たり40万円を発表している。

両党の方針は「女性の社会参画を推進する」という理念のもとでは共通のものであるが、明らかに違う点が一つある。それは、立憲民主党は「結果平等」を重視したのに対し、日本維新の会は「機会平等」を目指していることだ。

結果平等と機会平等の違いとは

まず、結果平等と機会平等の違いについて考えてみる。

結果平等
どれだけ成果があったかにかかわらず、与えられる結果は平等であること。

機会平等
チャンスが平等に与えられ、成果に応じて結果が与えられること。

立憲と維新の考え方の違いとは

以下の引用は産経新聞の記事からである。

立憲民主党・泉代表
「いろいろなところが男女同数、または同数に近い形で運営されるのは正常だ」参院選の比例代表で各党が優先的に当選させたい候補を事前に指定する「特定枠」に女性を充てることを検討するとも語った。

立憲民主党・西村幹事長
資金援助や人的支援などを行う
「ベビーシッター代など総額50万円くらいを想定し、その人に合ったプランを作っていきたい」

日本維新の会・馬場共同代表
男女を問わず、子育て中の候補への支援策として「ベビーシッターや一時保育の利用料を負担する。今のところ最長2カ月、月額の上限20万円で考えている

日本維新の会幹部
「候補の半数を女性にすることは理想的だが、優秀な男性が排除されてしまう可能性がある。結果平等ではなく、女性の挑戦を阻む障壁を下げるべきだ」

両党のポイントをそれぞれまとめると、以下のようになる。

立憲
・1人当たり50万円(女性が対象)
・特定枠に女性を充て、男女比が同じになるようにしたい

維新
・1人当たり40万円(男性、女性共に対象)
・結果平等ではなく、女性の挑戦を阻む障壁を下げるべき

女性活躍の本質とは

ここまでの話を総合すると、立憲の方針は「結果平等」、維新の方針は「機会平等」に分類できるだろう。もちろん、どちらかが完全に間違っていると断言するつもりはない。

しかし、立憲の方針はいささか女性の社会参画推進をはき違えているのではないかと感じる。確かに、集団の中の男女の数を同数、またそれに近い状態にすることで男女格差自体は解決することができるかもしれない。しかし、女性だけを優遇することで、真に優秀な人材が登用されない可能性もあるのだ。特定枠に女性を充てる、というのもやり方次第でははそうなってしまう。

そういう意味では、維新が「男女共に」保育のための援助を実施するのは画期的といえるだろう。

単に女性の数を増やす、男女同数にするという考えは好ましいものとはいえない。どちらかを優遇することがないように、つまり男女共に挑戦機会を平等に得られるようにすることが必要だと考える。(終)

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