「維新、地方議員数600人以上の誕生を目標へ」 地方議員増の必要性と実現可能性について
https://o-ishin.jp/election/results/2019_toitsu/→結論から言ってしまします。地方議員600人以上を統一地方選挙で達成することは結構厳しいです。それはなぜなのか、本記事で解説していきます。
前半の3000文字は無料、後半より有料部分となりますが、読み応えバッチリの記事に仕上げましたので、ぜひお読み頂ければ嬉しいです。よろしく御願い致します!!
話題は代表選から統一地方選挙へ
日本維新の会の代表選挙が先週末に実施され、馬場伸幸衆院議員が圧勝し新代表に就任した。馬場代表は、野党第一党への躍進、自民党に対抗する政党に維新を成長させることを目標としており、その第一段階として統一地方選挙で地方議員数の増、「地方議員数600人以上」を目標に掲げており、実現に及ばなければ代表辞任する考えを示した。
国政政党の代表職の進退を統一地方選挙の結果に賭けることを明言した事は異例の事態であり、それだけ馬場代表・維新が統一地方選挙を重要視していることが伺える。
なぜ統一選・地方選を重視するのか
日本維新の会はこれまで2度の分裂劇がありながらも、勢力拡大を続けている。22年8月現在、国会議員は衆議院議員41名・参議院議員21名の合計62名となり、これは2012年の初代維新(以下、橋下維新と称する)の時代を含めても最大の議員数を擁している。
ただ、ここ2年で急激に国会議員数が増加したのは維新が「確実な支持拡大」に成功したからではない。①野党第一党の立憲民主党の衰退 ②維新共同代表・吉村洋文大阪府知事の全国的な人気 ③選挙区構図による利(後程解説) の3点が主な理由として挙げられ、あくまでも一過性の事象や外的要因に恵まれたからに過ぎない事は明らかである。(もちろん、首長・議会過半数を獲得している大阪府内、大阪維新の会は例外だ)
維新の会内にも危機感としてあるようで、馬場代表は「地方議員が増えなければ国政で勝つことは難しい」と指摘している。
また、地方議員数増加目標については、実は既に維新中期経営計画(令和4年党大会発表)において掲げられている。
日本維新の会 中期経営計画について(資料、PDF)
↓↓↓
https://fumitakefujita.com/wp/wp-content/uploads/2022/03/ab4a2c08b61a30222abb6cd7dee3daaf.pdf
地方議員数の現状は
まず、現状を見てみると以下のようになる。総務省が毎年発表している各都道府県・市区町村議員の所属党派別議員数一覧より引用する。
資料①各政党の都道府県議会議員数
資料②各政党の基礎自治体議会議員数
自民党は、都道府県議1261名となり、47都道府県議会の全議席数の48.5%と約半数を占めている。また、都道府県別に見ると、自民党が議席の8割近くを占めている(富山県)地域も存在する。大阪や東京等を除き、全国大半の都道府県では「知事与党」として自民党中心に支えている。
基礎自治体においては、公明党や共産党に追随する第三党となっているが、自民党員でありながら無所属で立候補・当選している議員は特に地方部で見られる為、自民党籍を持つ地方議員は統計よりはるかに多い(公明党や共産党を越すのでは?)のである。
また、公明党・共産党も一定の勢力を保っており国政選挙における堅い基礎票を形成する原動力となっている。両党とも、県議は100人後半代・基礎自治体議員数は2000人代半ばとなっている。こうして見てみるとどこの地方議会でもほぼ必ず公明党と共産党の議員が1人ずつはいる事は納得である。
一方、民主党系は立憲・国民に分裂した影響そして特に国民民主党系に多い話であるが、党籍を置きながらあえて無所属で立候補するという手法(自民党と同様)が前回の統一地方選挙では多く見られたために、民主党系2党の地方議員数が圧倒的に少ないのはこうした原因がある。
日本維新の会は、都道府県議会はわずか13(東京1、京都3、兵庫6、奈良3)である。(総務省調べでは14であるが、その後+1、-2)
大阪維新の会(大阪府議48人)を入れれば62人となるが、それでも自民党は愚か共産党や公明党にも及ばない。
また、基礎自治体議員数は大阪以外では138人となっているが、その内半数以上が兵庫・京都・奈良の関西圏に集中している。ほとんどの都道府県では、地方議員数1桁・0人の地域も少なくない。
地方議員の増加・地方政治の改革こそが政党の成長、有権者からの信頼を勝ち取る事の真骨頂
維新議員をそれぞれの地域で誕生させることは、その地域の政治改革を前に進めることになり、実績となり政党の更なる支持拡大・成長・そして首長奪取、衆議院及び参議院で自民党を倒し選挙区当選を勝ち取ることにつながることは明らかである。
「地方から変えていく」「地方から風を起こす」ことについての必要性は、橋下徹弁護士の著書「政権奪取論 強い野党の作り方(朝日新書)」において記されている。
実際、大阪では12年前に橋下知事が誕生し、ローカルパーティの大阪維新の会の結成、2度の都構想敗北があったものの、衆議院は擁立した選挙区全てで自民党や立憲民主党を下し小選挙区で勝利・参議院も定数8の半数となる4議席を確保、府内首長も19人と4割近くを抑えており圧倒的な支持をえる結果となった。この大阪維新モデルを全国に拡大することが、維新が全国政党となる近道とも言えるだろう。
ただ、ここで大阪維新モデルというと、どこでも大阪の真似をするのかと言われてしまうが、そうではない。(よく維新アンチに、大阪からの侵略だなんだといわれてしまいますが)
「その地域に合致した政治・政策を進めるのが維新モデル」であり、東京は東京で、愛知は愛知で、というのが基本原則だ。
それを実現するための第一歩が地方議員の誕生・増加であり、将来的に野党第一党・政権交代を達成するための手段であるのだ。
過去2回の統一地方選の戦績から見る、地方選挙勝利の厳しさ
(2015年統一地方選挙→維新の党)
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