エンジニアになるつもりはほぼ無いけど"Piscine"を受けてきた話
今年の9月上旬から約4週間、42tokyoの入学試験”Piscine(ピシン)”を受けてきました。
ハードワークが求められるPiscineを最後まで続けられました。一緒に参加した仲間たちの支えや、過去のPisciner達による体験談のおかげです。なので、私も簡単な体験談を書いてみることにしました。
※私について
理系学部出身のアラフォー。エンジニアリングは苦手領域と自覚。仕事でITに関わっていた時期があり、当時の心残りと思う所もあってプログラミングを学んでいます。過去にPythonを2週間ほど触りました。
現在、向いてないのに惰性で続けてきた現職から脱するため、試行錯誤(迷走?)しています。
42?Piscine?
42tokyoについては、公式サイトや、詳細なまとめ記事が既にあります。(検索すれば出てきます)
42はフランスの財団が立てたエンジニア養成機関で、42tokyoはその東京校です。先生はおらずピアラーニングで学び、学費は無料、などなど。
入学するには、3つの試験に合格する必要があります。
一次試験(書類)➡二次試験(オンラインテスト)➡Piscine(4週間の実技試験)。
※Piscine=フランス語でスイミングプールの意。
きっかけ
8月上旬、調べ物中にたまたま42tokyo公式サイトに辿り着きました。
気になり評判など調べましたが、情報が少ない。その少なさが、私の好奇心に火をつけました。必要な時間も今なら確保できること、合格は狭き門でもPiscineだけでもC言語の基礎を学べるらしいことがわかり、申し込みました。
Q. プログラマーになる気が無いのに何故?
→ A. なんとなく。これは申し込んだほうがいい、と私の中の何かが囁いた
とはいえ、申込時点(8/9頃)で9月試験のキャンセル待ちは60人超。参加は難しいでしょう。なので、9/1に参加案内が届いたときは、正直驚きました。
準備も対策も全くしていません。そもそも対策って何すりゃいいの?って感じで。急いでVScodeの環境構築をして、Piscine参加者のブログやエントリーを検索し、片っ端から読み漁っていました。(C言語の予習とかはしませんでした。)
参加した感想
とっても楽しかった!
毎日がお祭りのようで、4週間はあっという間でした。特に後半で同じチームになった方々とは、「もう1か月伸びればいいのに~」なんて話もしていました。
試験の情報を出すのは禁止事項で…(ごめんなさい!)。うまく検索すれば、見つかるものはあるかもしれません。でも、知ってしまうとPiscineを楽しめなくなるので、少しでも参加を考えている方にはオススメしません。
そう、Piscineは楽しいのです。
課題は与えられますが、大事なのは自分なりに理解し、自分で前へ進むことです。当たり前といえば当たり前ですが、自主性が大切。Piscineではプログラミングを学べますが、その「自分なりの自主的な学び方」をも自覚できたのは思わぬ収穫でした。
私の場合、1週目の進捗はほぼゼロでした。課題はほとんど進まず、何をすればいいのかもよくわからないまま。Piscineそのものの情報収集をしていました。2週目に入るとスケジュールを立てられるようになり、周りが見えるようになりました。参加者が急に減って驚きつつも、与えられた課題をどう扱えば良さそうか模索していました。
3週目でようやく、自分なりの進め方がわかってきました。正念場はここ!とばかりにスピードアップを図りました。最後の4週目はとても忙しくなるのですが、自分なりの進め方を確立していたので、あまり動じませんでした。(悔しいことはたくさんありましたが!!)
何を得られたか?
上記の他にも、いろいろありました。ありすぎて書ききれません!
課題やプログラミング関係はネタバレになりそうなので置いておくとして、それ以外で…
私にとって新鮮だったのは、普段接点のない方々との会話。特に、学生さん(自分が学生だったのは〇〇年前…!)良い意味での若さも感じられて、自分も昔はこうだった(のか…?)など、色々考えていました。
仲間の存在も大きいです。面倒見の良い方々のおかげで、Piscine開始前に参加者有志の勉強会グループに参加できました。開始後もやり取りが続き、精神的な&技術的な支えになっていました。(今も勉強会が続いています!!)
自分の中で一番の収穫は、「肩の力の抜き方」を感じられたこと。
最初の週は、進まない課題と見えない状況に苛立っていました。でも、それは自分に期待しすぎているのだ、とpiscine仲間と話す中で気付かされました。期待するのをやめたらラクになって、動けるようになったりしました。
課題でも他の事でも、自力で完璧にこなせたら素敵だけど、現実にはまず無理。まずは、出来ないという事実を自分が認めることだよな、と。
プライド高めを自覚していた自分に、ブレイクスルーの機会を得られた。しかも楽しく!ここに、一番の価値がありました。
やって良かった&やれば良かったと思う事
良かったのは、参加前にやめる基準を決めておいたこと。「嫌」と感じたらすぐ離脱すると決めていました。なので、どんなショックや疲労があろうと継続or離脱のような悩みは一切ありませんでした。
もう一つは、「食事」と「睡眠」の意識付け。これは、先人Piscinerのブログに書かれていました(リンク見つけたら貼ります)。自分の傾向としても、集中しすぎるとこの2つを忘れがちになるけど、健康を損ねたらどうしようもないと思い、かなり意識していました。
やらずに後悔したのは「運動」です。座りすぎ&運動しなさすぎで、開始1週間で首の寝違えと軽い腰痛になりました。体調が万全でないと集中力も欠けがちで、治るまで辛かった…。
毎日、頭をフル回転させていました。とはいえコミット時間は概ね5~12時間/日、徹夜は一度だけ、休日は作りませんでした。Piscine終了後の数日間は、その反動がきたのか頭がボーっとしていました。
勢いは大事ですが、気分転換にPiscineをしない日を設けるのもアリだったかも、と思っています。
どんな方々が参加していたのか?
いろんな方がいました。私の観測範囲だと、年齢は10代~50代くらい、男性多めだけど女性も結構いて、ボリュームゾーンは大学生?
本職プログラマーな方々、仕事や育児と掛け持ち参加する猛者もいました。
共通するのは、みなさん気さくで優しいこと。ピアラーニングの中心は「レビュー」でしたが、レビュー以外でも気軽に質問しあっていました。自主的に勉強会をしている方々もいました。
全員が手探りで試行錯誤しながら、必要な知識や経験はテキストで共有し、聞かれれば教えあうような、カジュアルな雰囲気でした。
※あくまでも憶測ですが、開始時の人数は3~400人程、最終テストに参加したのはその半数程かと。ただ、テストは参加必須ではないので、これが最後まで続けた人の割合、とは言い難いのですが。
「受かる方法」「合格基準」の話
一切公表されていませんし、私も知りたいような、知りたくないような…
指標になりそうなものはいくつもあり、さまざまな憶測や噂も流れましたが…
確たる話はありませんし、むしろ相反するような内容もありました。そもそも開示されないのに詮索しても仕方ないので、あまり気にせずマイペースを心がけていました。
受かった後の話は、piscine中に在校生から少しだけ聞けましたが…まだ42tokyoに卒業生がいないので、これからなのかな、と思っています。
大切なのは、正解だから選ぶよりも、自分が選んだものを正解にする力でしょう。Piscine自体もそういう仕組みですし、何でもそうですよね。(もちろん、最初の段階でより良いものを選びたい気持ちは私にもあります。)
参加を迷われている方へ
迷うなら、申し込んでみて!楽しいよ!(回し者じゃないです!)
次の試験日程は未定のようですが、参加できれば貴重な経験になります。
→毎月開催になったそうです!!(2020/11/10追記)
自分に合うか?出来るのか?なんて、実際にやってみないとわかりません。どんなに調べても、外から眺めるのと、中にいるのでは全然違います。頭で考えず、飛び込んで、楽しんで!
※公式noteでこの記事を紹介していただきました!ありがとうございます😊同期pisciner達の記事もあるので是非読んでみてください😊