【遊戯王OCG】燃え上がれ、進化の息吹!『K-Pg TYPE:IGNIS』【デッキ解説】
どうもみなさん、「いなご」 と申します。
私のデッキ解説シリーズ。今回は、これまで自分が縁遠かったカードたちに触れる機会となったこちらのデッキを動画に先んじて解説します。
※この記事で使用するカード情報の画像は、遊戯王公式データベースより引用しています
今、炎属性と恐竜族がアツい!
2023年、炎属性が大きくプッシュされていますね。これまで自分は属性単位で見たときに炎属性というものにしっかり触れてくる機会はなかったので、このタイミングでなにか形にしたいと考えました。
今回、構築の発端となったのはこのカード、「ヘルカイザー・ドラゴン」です。
光・闇属性が中心になりがちなドラゴン族において、炎属性はイメージに反して少なく、この「ヘルカイザー・ドラゴン」はその中でも割とまともな部類(当社比)のカードです。
デュアルモンスターのため効果を発揮するにはワンテンポを要し、得られる効果は2回攻撃。デュアルモンスターにはよくあることなのですが、せっかく効果を得ても直接アドバンテージにならない効果を持つカードがとても多いです。
今日日2回攻撃の効果なんてものは、該当モンスター全体に同じ効果を付与できる装備魔法「フェニックス・ギア・ブレード」が基準にされるほどのことで、比較するまでもなく明らかにパワー不足。さらに言えば、効果の影響範囲が属性の面で被っており、意味のない効果にすらなりつつある状況です。
召喚権がなくても似た状況を作り出せるという意味では併用もありですが、あちらとは別のデッキとして、このカードにも光を当てられないか・・・?ということで、広げられそうなカードを見てみることに。
長き禁止期間を経て、この度制限復帰となった「焔征竜-ブラスター」。このサーチ効果で候補を調べた際に、膝から崩れ落ちた人も多いのでは。
ほんとに実用的なものは「ドラゴンメイド・ティルル(フランメ)」くらいのもので、カテゴリ依存効果のため今回は候補には挙がらず。
眺めている中で白羽の矢が立ったのが「ヘルカイザー・ドラゴン」だったわけですが、このプッシュの波に乗りもう少し候補が増えてほしいところ。
そんな中、サーチ候補の新たな1枚としてあるカードが名乗りを上げました。
手札の魔法カードを、禁止カード「大嵐」と同じ効果にできるのは強力で、半上級モンスターとして特殊召喚のしやすさもあり露払いとして最適な存在です。
攻撃を通したい「ヘルカイザー・ドラゴン」の邪魔になる相手の伏せカードへの回答として採用することに。定期購読特典ゆえの値段の高さを除けば、いいカードです。
炎属性と同じくらいに、恐竜族もアツい。コラボしていた恐竜博にも立ち寄りましたが、見ごたえがあって楽しかったです。
「ヘルホーンドザウルス」の①の効果で「化合電界」をフィールドゾーンに置きつつ、③の効果で手札・フィールドの「ヘルカイザー・ドラゴン」を召喚できるため、相性はいいものと思われます。
「化合電界」は②の効果により、通常召喚に加えて1度だけデュアルモンスターを召喚でき、「ヘルホーンドザウルス」の③の効果は発動した効果で召喚権を得て行うタイプのため共存が可能。つまり、「ヘルカイザー・ドラゴン」に対し通常召喚を含め3回の召喚権を用意できる組み合わせとなるわけです。
「二量合成」は「化合電界」をサーチ可能で、②の効果が「ヘルカイザー・ドラゴン」と好相性。2回攻撃の旨味をしっかりと生かすことができるでしょう。
サーチ先共々「バーニング・ドラゴン」の手札コストに躊躇わず充てられるため、その意味でも腐ることは少なくなるはず。
今回は上記の運用に限定し、「化合獣」の動きとは切り離してコンパクトに組み込むことにしました。
デッキレシピ
炎属性のメインエンジンとして「サラマングレイト」カードを起点とし、恐竜族展開へ派生。「ヘルホーンドザウルス」から「ヘルカイザー・ドラゴン」の特性を生かした攻め手を繰り出していきます。
このデッキの戦い方
採用カードの解説 転生炎獣編
デッキにおける炎属性のほとんどは、「サラマングレイト」初動が占めています。「サラマングレイト・オブ・ファイア」1枚から「転生炎獣レイジング・フェニックス」の転生L召喚までつながり、任意の「サラマングレイト」カードをサーチ可能です。
一応、「転生炎獣ガゼル」の通常召喚から入るパターンでも転生L召喚まではいけますが、手札の「サラマングレイト」カードは1枚少なくなります。
「サラマングレイト・オブ・ファイア」からの展開の道中、「転生炎獣サンライトウルフ」の効果で手札に「サラマングレイト」モンスター1体を回収できているので、「サラマングレイト・ギフト」がすぐに使用可能になります。
上記初動で①②の効果のいずれの条件もクリアできるため、1枚初動なのもあって手札を増やしやすく、1度だけではありますが、墓地の「転生炎獣ベイルリンクス」による破壊耐性も含め安心感があります。
「転生炎獣ウルヴィー」や「転生炎獣ファルコ」など、カテゴリ内に手札コストを捻出する手段もあり、数ターンにわたって潤滑剤としての役目を全うできるでしょう。
直接展開ルートに乗らないカードは解説しておきます。「転生炎獣ウルヴィー」は炎属性全般に使える効果で、蘇生カードである「転生炎獣の意志」を有する「サラマングレイト」においては効果の発動機会は多いです。②③の効果は1ターンにいずれか1つしか使用できないので注意。
いずれの効果も「サラマングレイト・ギフト」のコスト確保に貢献し、カテゴリ外では「ゼノ・メテオロス」や「焔征竜-ブラスター」のような、手札で発動する効果持ちとも相性が良いです。
「転生炎獣ファルコ」はどちらの効果も優秀ですが、こちらも1ターンにいずれか1つしか使用できないのは注意です。
「転生炎獣の意志」で毎ターン1体の蘇生から入れるためこのカードの発動機会も多く、「転生炎獣ウルヴィー」からこのカードにつなげば、「焔征竜-ブラスター」の手札の効果を実質タダで打てるようになります。
②の効果も、場に出た自身をX素材としてターンを跨ぎ相手ターンに墓地へ送られるようになれば、いずれか1つの制約の中でより無駄なく利用できるでしょう。
2枚初動になるパターンの補助役として、このカードを採用。手札に来てしまった「転生炎獣Jジャガー」を捨てる手段としても貴重な存在です。
②の効果は上記のカードたちでコスト捻出はできるので出しやすく、返しの場面で相手の邪魔な魔法・罠カードへの対抗策となります。
緩い召喚条件で出力しやすいチューナー。このデッキでは「ラヴァルバル・サラマンダー」のS召喚に使うことが多いです。「転生炎獣ガゼル」召喚からスタートする際の初動に組み込まれることも。
②の効果で相手の場に攻撃対象となるモンスターを用意でき、高攻撃力を並べるこのデッキとしてはより確実に攻撃が通しやすくなるため、あって損はない効果です。
相手の場のモンスターを増やすという点では「バーニング・ドラゴン」や「ダイナレスラー・パンクラトプス」の特殊召喚の手助けになることもあります。
サーチ効果そのものが強力であることに加え、転生L召喚されている「サラマングレイト」Lモンスターを守ることもでき、結果的に「サラマングレイト・ギフト」のバリューも維持できます。
初動のサーチとしてこのカードから入っていれば、「転生炎獣ファルコ」の効果がより強力に作用します。
「転生炎獣ウルヴィー」をはじめとするメリット持ちを、ノーコストで毎ターン、それも効果無効になることなく蘇生できるのはヤバすぎます。手札からも出せるため対象を取らない効果であることも、地味ながら大きいポイント。
②の効果も、自身をコストとするものの発動自体は狙いやすいため、より多くの素材が欲しいときには選択肢として悪くないでしょう。
炎属性全般のサポートカードとしてデザインされているのがナイスな1枚。
このデッキでは「ラヴァルバル・サラマンダー」や「焔征竜-ブラスター」など、炎属性モンスターを除外利用に回す機会はあるため、その再利用手段として採用。もちろん、墓地のモンスターも戻せるため、使い終わったEXデッキの炎属性を中心に戻したいところ。
もう片方の破壊効果も、条件をクリアできるカードがいくつか存在するため、速攻魔法の強みを活かして臨機応変に対応していきましょう。
「ファイヤー・バック」の登場で選択式な感もありますが、「サラマングレイト」カードである利点はゆるぎないですね。
「サラマングレイト・ギフト」からいち早く手札を増やしていく中で引き込めたなら、このカードで手札の整理をします。
リンク4の「転生炎獣レイジング・フェニックス」を戻しつつ4枚の手札交換でキーカードへのリーチを伸ばしつつ、デッキに戻したいカードもしっかり準備できます。
上記でドローが足りなければこれも。「転生炎獣ウィーゼル」+「転生炎獣ウルヴィー」で呼び出せば、墓地へ送る炎属性の確保も容易です。
②の効果も最低限は使用可能で、除外コストも再利用方法は一応あります。「焔征竜-ブラスター」を除外すればその効果を発動させることも可能です。
「クロック・リザード」の召喚条件はサイバース族モンスター2体のため、「サラマングレイト」モンスターが種族面で貢献。このカードを呼び出せるようにするため、というのが「サラマングレイト」初動を採用した最大の理由です。
墓地の融合モンスターを再利用しつつ融合素材は除外するため、「ヘルホーンドザウルス」の融合素材となる「ヘルカイトプテラ」「焔征竜-ブラスター」との相性はバツグン。一気に「ヘルカイザー・ドラゴン」召喚のコンボを確立できます。
自身が除外された場合の効果も、攻撃力で押し切ることが目標のこのデッキにとって助けとなる効果で、墓地に大量のサイバース族モンスターを溜められる「サラマングレイト」の性質とマッチしており、下げ幅も期待大です。
採用カードの解説 恐竜族編
炎属性編で再三ドローを推していたのは、このカードを引き込むため。順序が逆転しますが、「ヘルホーンドザウルス」が呼び出せるなら、その①の効果でこのカードを置くことも視野に入ります。
「サラマングレイト」モンスター2体で召喚権なしに「魔頭砲グレンザウルス」をX召喚でき、このカードの②によって生み出される「ジュラエッグトークン」を起点に④の効果へとつなげることで、恐竜族モンスターの連鎖召喚を狙います。
①の効果で戦闘面でも優位に立ちやすくなるほか、「サラマングレイト」モンスターの攻撃力も下がるため、「転生炎獣の炎軍」の2つ目の効果の条件をクリアする要素としてもみなせます。
上記3枚は、「ロストワールド」と合わせて召喚権なしに連鎖召喚の準備に寄与。内2枚は除去効果も持ち合わせており、露払いとしての役目もこなせます。
最終的に「ヘルホーンドザウルス」の融合素材として頭数は確保したいため、+1で動けるこれらの存在は重宝します。
数少ない恐竜族チューナーにアクセスする「グラウンド・ゼノ」は、前述の「ダイナレスラー・コエロフィシラット」もサーチ可能で、「ロストワールド」とのコンボをより安定させます。
後半の融合効果も便利。「ヘルカイトプテラ」の存在から「融合」を持て余す状況も出てきますが、それは「バーニング・ドラゴン」に充ててやりましょう。
「ゼノ・メテオロス」は、戦闘・効果ならどこで破壊されても反応できるのが優秀。この特殊召喚自体では縛りなく運用できるため、「グラウンド・ゼノ」⇒このカードの特殊召喚の流れでやはり「ロストワールド」と+1コンボに発展できます。
自身は「ヘルホーンドザウルス」の恩恵を受けやすく、「エヴォルカイザー・ラーズ」のX召喚や、②の効果で「メガロスマッシャーX」を呼び出し「相剣大公-承影」のS召喚の素材として利用できます。
この2枚がなければ、今の恐竜族は形作られていなかったでしょう。破壊による展開というのは「ベビケラサウルス」登場時点で片鱗こそ見せていたものの、そこにどっしり戦術として肉付けしたのは大きな功績だと思います。
今回はレベル4以上の採用が多いことから「プチラノドン」のみの採用。また、1度通ればおおよそ展開は完了するため1枚でも十分です。「ロストワールド」の身代わり破壊が手札からも可能であるという点が大きいですね。
「ジュラエッグトークン」の戦闘破壊をやめる代わりに、呼び出した「魂喰いオヴィラプター」の②の効果でそのトークンを破壊でき、①の効果で墓地へ送っていた恐竜族の蘇生へとつながります。
「魂喰いオヴィラプター」で「ヘルカイトプテラ」までつなげば、あとは融合召喚するだけ。
このカード自体は③の効果による特殊召喚のしやすさもあって、ランク4のX召喚にはもってこい。コンボの見せ所をつくってくれるいいカードですよね。
展開ルートの余剰が発生する際にはこのカードの出番です。墓地のモンスターを条件問わず任意に除外できるのは意外と出てこないもの。それが2回使えてレベル4の恐竜族とくればもう、採用しないわけにはいきません。
「ヘルホーンドザウルス」で召喚権は確保でき、「ヘルカイトプテラ」との相性はもちろん、「焔征竜-ブラスター」や「クロック・リザード」、「相剣大公-承影」ともコンボできるため、終盤のラッシュ時に1枚上乗せするには適任です。
「魔頭砲グレンザウルス」は、「ロストワールド」でお話しした通りの採用理由ですが、ランク4の恐竜族がこれまで存在しなかったことも影響しています。
が、その効果自体はこのデッキとマッチしており十分な活躍が見込めます。「ハイレート・ドロー」や「生存境界」の②のような破壊効果に巻き込めば、このカードの②の効果を誘発でき、任意のタイミングで「転生炎獣ファルコ」を素材から墓地へ送ることができます。
1000ダメージを与える部分も、ビートダウン時のキルラインを下げるものとなるため、決して侮れない効果です。
久々登場の「エヴォル」から「エヴォルカイザー・ラーズ」を採用。恐竜族モンスターだけでX召喚を狙えるデッキのため、そのパフォーマンスを最大化できます。
素材の条件を満たしてさえいれば、②の効果は素材がある限り1ターンに何度でも使用でき、同一チェーン上でも複数回発動可能と、なかなか強力。
しかしながら、相手の効果にチェーンしないと発動できず、フィールドのカードを対象として無効にする効果のため、抜け道も多く存在。ドラゴン族のため「ロストワールド」下では自身も攻撃力ダウンの影響を受けてしまい、戦闘面では依然として不安が残るため、安心感はそこまで大きくありません。
この効果が刺さるかどうかは、相手の戦術次第といったところ。「ロストワールド」の影響を受けるということも「転生炎獣の炎軍」の2つ目の効果の条件に当てはまることを意味しているため、対抗馬の「超越竜ドリルグナトゥス」との差別化点としては主張できるかもしれません。
「超越竜ギガントザウラー」も、「ヘルカイトプテラ」の効果で融合召喚の機会自体はありますが、相方の通常モンスターを用意しにくいデッキでもあります。
ここで「ヘルカイザー・ドラゴン」がアシスト。デュアルモンスターゆえに通常モンスター扱いのまま融合に使うことでこのカードを呼び出すことができ、墓地の「ヘルカイザー・ドラゴン」もこのカードの②の蘇生コストに充てることができます。
このカードの融合召喚後に「ダイガスタ・エメラル」で「ヘルカイザー・ドラゴン」を蘇生しもう1度召喚、連続攻撃後に「ハイレート・ドロー」で2体とも破壊し、このカードと「転生炎獣レイジング・フェニックス」を蘇生する大技もあります。
採用カードの解説 その他
新登場の炎属性サポート。「転生炎獣の意志」と「転生炎獣の炎軍」のハイブリッドデザインといった印象ですが、ただあちらを複数積むよりも、同名ターン1の制約により受ける影響をこのカードで分散できるようになったのは大きいですね。
①の効果は手札を減らすものの、このデッキでは手札を墓地へ送る手段は意外と少ないため、その需要にも応えてくれます。
除外利用と合わせることはもはや通例ですが、「ヘルカイトプテラ」の機動力を上げる意味でも、「ロストワールド」展開の+1的存在として数えられます。
使いどころがなくなった場合にも、魔法カードならば全て「バーニング・ドラゴン」でおいしくいただけます。
炎属性を破壊して入れ替える性質から、「転生炎獣レイジング・フェニックス」の②の効果を誘発でき、攻撃の際には速攻魔法である点が活きてきます。「ヘルカイザー・ドラゴン」の2回攻撃後に発動できると理想的。
「魔頭砲グレンザウルス」の破壊にも使うことができ、間接的に相手のカードも破壊できる効果となります。今後強化される「炎王」関連のカードも相性がいいものと予想されるので、注目して追っていきたいですね。
「トラップトラック」を含めた、罠カードによるセルフブレイク要素。フィールドと墓地の両面でセルフブレイクの行動をとれるのがナイス。
盤面への展開が得意な「サラマングレイト」モンスターはドロー枚数で貢献し、「魔頭砲グレンザウルス」の破壊を任意に行える存在としても重宝します。
炎属性を破壊すれば当然「転生炎獣レイジング・フェニックス」が復活し、攻守両面で高火力を手軽に得られます。
「ハイレート・ドロー」や「生存境界」らを墓地へ送る目的で使用。「ハイレート・ドロー」は自分で再セット⇒カードの発動まで行けるため、このカードの②の効果にも期待できます。
特殊召喚後は通常モンスター扱いのため「超越竜ギガントザウラー」の融合素材として活用でき、「ロストワールド」下で壁として出せば、このカードの破壊を1度だけ「プチラノドン」の破壊に変換できるので、守りでシナジーを発揮する部分があります。
「生存境界」のカード発動時の①の効果にチェーンして特殊召喚すれば、追加で恐竜族を呼ぶことも可能。カンブリアの生物が絶滅し白亜の恐竜になるという、エモさも好みなワンシーンです。
自発的な通常モンスターの展開は少ないため、「バージェストマ・マーレラ」で墓地へ送り、②の効果をメインとしています。
「魔頭砲グレンザウルス」を破壊しながら1枚除去、あちらの効果でさらに1枚除去+1000ダメージ。これを墓地効果で即座に打てるのだから頼もしい。「超越竜ギガントザウラー」なら、自分ターンの攻撃後に使って復活し、除去を挟みつつもう1度攻撃したりもできます。
トークン利用デッキを相手にする際は①の効果がメタとして機能。特に「幻獣機トークン」や「勇者トークン」にはかなりのダメージが入ります。
恐竜族の帰還カード。現代では汎用的な類似カードは多くあれど、対象にできる範囲が相手の墓地と除外にも及ぶため、場合によってはその選択肢が活きるかも。
基本が炎属性のこのデッキでは、数少ない闇属性の「ヘルホーンドザウルス」が相手の「ビーステッド」モンスターの餌食になる可能性もあるため、その復帰手段として採用。通常モンスターを残しつつ「超越竜ギガントザウラー」を特殊召喚できるのも強力です。
「ゼノ・メテオロス」の②の効果で縛りを受けてからも出すことのできるEXデッキのモンスターを探した際に、このカードに行きつきました。召喚条件に幻竜族を指定していないのがいけないんです。
①の効果により、戦闘面で優位な状況をつくり出せます。攻撃力を上げる方向で候補が少なかった「ヘルカイザー・ドラゴン」の攻撃範囲を、このカードでアシストできます。
②③と効果を使うことでその差は確実に増大し、②の身代わりは自分の破壊効果でも反応できるため、「ハイレート・ドロー」のどちらの効果もトリガーとなれます。破壊による除去がメインのため、対象を取らず除外による除去ができるこの効果は貴重です。
任意に墓地のカードを除外できる手段は、「ヴェルズ・サラマンドラ」で解説した通り。「クロック・リザード」を除外すれば、相手の戦力はズタボロです。痛烈な連撃をお見舞いしてやりましょう。
「ヘルカイザー・ドラゴン」を「超越竜ギガントザウラー」の素材とした後にこのカードで呼び戻し、「化合電界」の召喚権で召喚しデュアルするのが理想。無論、小さい「貪欲な壺」効果のおかげで腐ることも少ないですね。
ステータスは低いため狙われやすいですが、「転生炎獣ファルコ」を素材に仕込めば壁としながら切り返しの1枚を拾ったり、「相剣大公-承影」で相対的な補強ができれば2回発動も視野に。
「S:Pリトルナイト」の登場により、「サラマングレイト」モンスターの展開力を手軽に除去力へと変換できるようになりました。
「ロストワールド」からの展開の起点となる「ジュラエッグトークン」はレベル1のため、相手の「リンクリボー」が天敵となります。その際にこのカードの①の効果であらかじめ除外できれば(効果を先に使わせておけば)、より安全にスタートを切れます。
①の効果のデメリットは、キルを取りに行きたい場面で使用しづらいという点。ですが、2ターン目の「ロストワールド」展開では「ジュラエッグトークン」への攻撃のみで終わることも多いため特に気になりません。
②の効果は、一緒に並べた「焔征竜-ブラスター」を逃がしつつ「バーニング・ドラゴン」をサーチ可能。エンドフェイズに戻ってきた際に効果を発動済のため、いずれか1つしか発動できない性質から、手札に戻る効果は発動できず場に維持するといった使い方ができます。
単体でも相手モンスターの一時除外により突破口をこじ開けられるほか、「相剣大公-承影」と並べることで相手の効果発動を渋らせることができるでしょう。
あとがき
以上、解説でございました。
改めて、周りで使われて強そうだなあと感じていたけど、これまで手を付けてこなかったカードを多く使える構築になって、自分の中で新鮮な気分です。風通しのいい状態になると、不思議とモチベーションも上がるものですね。
構築案に関しては、直近で【ハナプライム】を使用していたガガ氏の助言によるところが大きいです。サンキュー、ギガンティック・ガガ。まだプロトタイプ感が拭えませんので、しっかり回して調整します。
今回のデッキ名の由来は、恐竜要素として、地質時代区分における、白亜紀と古第三紀の境目(恐竜絶滅の前後)を指す K-Pg境界 を、炎属性として、篝火を表す Ignis をとりました。
アニメVRAINSにおいて「サラマングレイト」使いであるソウルバーナーと行動を共にする不霊夢(炎のイグニス)も連想されるので良いなと。
通常モンスターから効果モンスターになる「ヘルカイザー・ドラゴン」も超越竜要素っぽくて気に入っています。
こちらもいつか、最新のデュエル動画でその活躍を皆さんにお見せできればと思っています。
デッキレシピの最新版は公式DBで公開しています。何かしら皆さんの参考となれれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!