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遊戯王OCG【真紅の化合式】デッキ解説
どうもみなさん、「いなご」 と申します。
私が運営している動画チャンネルでも過去いくつか動画を投稿しましたが、お題の通りこちらのデッキを解説します。
こちらではこのデッキが歩んできた歴史を振り返りながらの内容となります。
※この記事で使用するカード情報の画像は、遊戯王公式データベースより引用しています
罠カードの革命
自分の持ちデッキとしての継続年数は4年と、気づけば長い付き合いになっているこのデッキ、構築のきっかけとなったのは2017年の年の瀬に、戦術の基礎となるこのカードの登場から始まります。
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メインフェイズ2でしか発動できないものの、リンクモンスターの特徴であるリンクマーカーを活用する手段でかつ、リンク先を多く確保すればモンスターの大量展開が狙えます。
この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効にならないのが最大の魅力であり、ステータスの制限がある分、小粒でテクニカルな動きを実現したいカードたちと組み合わせることができるため、とても夢のあるカードです。
しかし、メインギミックに据えるには心許ないものでした。
カテゴリに属さない罠カードのためアクセスが難しく、あくまでメインフェイズ2での展開のため、発動前に相手の除去にさらされやすく、発動できたとしても、相手のチェーンでリンクモンスターを除去され不発になる可能性もある、リターンを得るまでが遠いカードでした。
そんな中、2018年に革命が起きます。
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「悪魔嬢リリス」は、通常罠の価値というものを飛躍的に向上させたカードの走りと言えます。
「絶対王 バック・ジャック」のように、これまで通常罠にアクセスする手段は少数ながら存在しましたが、そのランダム性とは違い、同名カードを3枚選択すれば確実にセットできるため、通常罠の発動までの所要時間を大幅に短縮できるカードとして、その概念を覆すものでした。
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さらにその半年後には「トラップトリック」が登場し、セットから発動までのタイムラグすらも短縮され、通常罠に対する世の評価は様変わりし、まさに、通常罠にとって「革命」の年となりました。
デュアルモンスターについて
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「パケットリンク」から呼び出すカードとして、その時期に取り掛かりたかった「化合獣」カード、もといデュアルモンスターを使いたいということもあって、ここで合わせることにしました。
デュアルモンスターは、チューナーやユニオンと同じようなカテゴリの1種。その①の共通効果により、フィールド・墓地では通常モンスター扱いになるという特徴があります。
さらに、フィールドにいる通常モンスター扱いのデュアルモンスターをもう1度召喚することで効果モンスター扱いとなり、固有の効果を発揮します。
が、効果を使うなら普通の効果モンスターを使えばよく、通常召喚を浪費してまで効果を得たいという場面はあまりないというのが実情。どうしても使いたい場合、通常モンスターの側面を生かしつつ、特殊召喚によってあらかじめフィールドに出していきたいところです。
展開力の進化
このデッキのプロトタイプ構築では、エンジンとなるカードがレベル2以下に集中している「化合獣」モンスターを使い、「パケットリンク」からの展開でデュアルモンスターを活用するデッキを目指していました。
そして2019年、現在につながるデッキの方向性が示されます。
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「カクリヨノチザクラ」の登場により、次のような変化が生まれました。
・「パケットリンク」の柔軟性が向上
・「魔族召喚師」の蘇生対象が拡張
・「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」の使いまわしが容易に
デュアルモンスターに消費したい通常召喚の権利を残しつつ、展開力を伸ばすことができるこのカードは、このデッキの方向性を決定づける1枚でした。
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「天威の龍拳聖」は、魔法・罠カードの除去を担う「トロイメア・フェニックス」を経由してこのカードにつなげられ、自身の効果も併せて攻撃を通しやすくなります。
効果の発動条件である『効果モンスター以外のモンスター』は、フィールド・墓地で通常モンスター扱いとなるデュアルモンスターもカウントに含まれるため最高の相性であり、このデッキの求めていた除去力を一手に担う存在です。
EXモンスターゾーンに出せば自身のリンクマーカー3つが自分のメインモンスターゾーンに向くため、「パケットリンク」のパフォーマンスを最大化できる1枚として、まさに相棒と呼べる存在を手に入れました。
さらにこの直後には、デッキの根幹であるデュアルモンスターへのテコ入れが始まりました。
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「デュアル・アブレーション」は、現在デュアルモンスターを使用するデッキにおいては外せないカードの1枚ですね。
その性質から手札では何もできないデュアルモンスターを処理できかつ、デッキから直接もう1度召喚した状態で特殊召喚できるという、これまでのサポートと一線を画す効果を有しています。
実際、「化合獣カーボン・クラブ」を「パケットリンク」に頼らず展開できるわけで、空いた枠を別のモンスターに充てられるため両者の質が上がりました。
こうして徐々に武器をそろえてきたこのデッキの現在の姿はこちらです。
デッキレシピ
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デュアルモンスターの活躍をコンセプトに、デュアル型の「レッドアイズ」カードたちをキーとしています。
序盤に遂行したい行動は次の通りです。
・「デュアル・アブレーション」によるデュアルモンスターの特殊召喚
・「真紅眼融合」による「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」の展開
・「パケットリンク」の準備
現在は通常罠に関するサポートが「トラップトリック」のみですが、デュアルモンスターも「レッドアイズ」カードも展開力はそこそこあるため、「パケットリンク」の発動にこぎつけられなくとも戦線維持はしやすくなっています。
採用カードの解説 デュアル編
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「レッドアイズ」デュアルモンスターたちは、単体で突出しているわけではないものの、カード名の恩恵もあり、このデッキでは重要な立ち位置となります。
「真紅眼の黒炎竜」は「黒炎弾」を内蔵していると言えるカードで、終盤での引導火力で存在感を発揮します。レベル7のため、「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」の融合素材として重宝します。
「真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン」は、「魔霧雨」内蔵のデザインとなっていて、状況打開の可能性を秘めた全体破壊持ち。レベル6である点からS召喚やX召喚の素材として優秀です。
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「デュアル・アブレーション」の展開力向上については上述の通りですが、デュアルのつながりを強力にするこのカードも忘れてはいけません。
炎属性ではない部分がなんとも惜しまれる点ではありますが、召喚・特殊召喚時に『デュアルモンスター』をテキストに持つカードをデッキから手札に加えられる効果は、「デュアル・アブレーション」と合わせてアドバンテージの確保に貢献します。
レベル4である点を生かし、「レッド・リゾネーター」と合わせて「ドロドロゴン」につなげることも。デュアルモンスターゆえにその豊富な特殊召喚手段を利用していきたいところです。
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デュアルモンスター自体は2007年から存在する古株なテーマですが、その黎明期に登場して現在でも「ギガプラント」と並び汎用性の高さを誇るのがこのカード。
悪魔族の強化が進んだ現代において、このカードのポテンシャルはかなりのもの。このデッキでは「カクリヨノチザクラ」や「アンクリボー」との相性が最高で、「レッド・リゾネーター」とで「ブラック・ブルドラゴ」のS召喚や、「真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン」とでランク6のX召喚も可能と、八面六臂の活躍を見せます。
採用カードの解説 レッドアイズ編
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「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」を「真紅眼融合」で呼び出し、その攻撃力とバーンダメージでLPを削り、「カクリヨノチザクラ」や「アークブレイブドラゴン」などで使いまわすことで、通常モンスター扱いのデュアルモンスターを特殊召喚できます。
このカードの効果に1ターンに1度の回数制限がないのもポイント。使いまわす意味がかなり大きいです。
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「レッドアイズ」のリクルーターとして、攻守で活躍。「真紅眼の鉄騎士-ギア・フリード」を呼びつつ装備して破壊、②の効果で「黒鋼竜」や「伝説の黒石」、「星杯の守護竜」を手札に加えます。
「真紅眼融合」へも一直線でつながる動きのため、自爆特攻してでも効果の発動は狙っていきたいところ。
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「伝説の黒石」はその効果から、手札コストの工面にはうってつけのカードです。このデッキには手札コストを要求するカードが比較的多く、その役割を一手に引き受けます。
墓地の「レッドアイズ」デュアルモンスターをデッキに戻すことで、「デュアル・アブレーション」の弾を再装填することもできます。その発動コストにはこのカードを使えばよく、その性能をより長持ちさせられます。
「パケットリンク」から出した場合には、①の効果でレベル7以下の「レッドアイズ」モンスターに変化し、高レベルのモンスターを間接的に出せるようにもなります。「ドロドロゴン」のS召喚を狙う場合、この効果が重要となるケースがあります。
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「真紅き魂」の登場で、「真紅眼の幼竜」からの流れを受けのタイミングで使いやすくなり、さらに自身は「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」の融合素材としても使えることから、頼れる1枚として活躍します。
デュエル中1度だけ使えるバーン効果も最低900ダメージは保証されており、「真紅眼融合」の特性と合わせればかなり強力です。
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「レッドアイズ」モンスターの存在を条件に、毎ターンデュアルモンスターを特殊召喚できるようになります。
事前に「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」を融合召喚できていれば、その素材に「魔晶龍 ジルドラス」を墓地へ送っているはずなので、このカードの②の効果と合わせてかなり手堅い展開力として運用できます。
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各種「レッドアイズ」モンスターへアクセスできる点を考慮し、「深淵の獣マグナムート」につていもここで少し触れておきますね。
自分のカードとコンボすることはあまりないため、基本は相手の墓地から光・闇属性を除外することになります。相手の動きの一部にダメージを負わせつつ壁として運用でき、さらに後続のドラゴン族モンスターも確保できる、あらゆるドラゴン系のデッキでお呼びがかかるであろうその汎用性の高さがポイント。
「伝説の黒石」、「真紅眼の幼竜」のいずれかから融合までの流れの初動として、「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン」ならこのカードの再利用も可能。レベル6なので「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」の融合素材としても利用できるため、無駄がありません。
採用カードの解説 EXデッキ編
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「レッド・リゾネーター」とレベル4の組み合わせでS召喚する「ドロドロゴン」から「神炎竜ルベリオン」を経由することで、このデッキで採用される全ての融合モンスターを特殊召喚することが可能になっています。
墓地の「ドロドロゴン」の①を利用して「超魔導騎士-ブラック・キャバルリー」を続け様に出したり、「ヴァレルロード・F・ドラゴン」で圧をかけていくのもいいですが、中でも「超合魔獣ラプテノス」を出せるようになったことが大きいです。
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中盤以降、デッキのデュアルモンスターが枯渇しがちな「デュアル・アブレーション」の弾を再装填しつつ、デュアルモンスターを常にもう1度召喚した状態にできる「超合魔獣ラプテノス」が、上記の流れで出せるようになります。
融合素材の条件から出しにくさが目立っていた彼を、このような形で活用できる日が来るとは、いやぁ嬉しいですね。ほかのドラゴンたちと同じくサポートカードの共有ができることもナイスで、今となってはこのカードのステータスはかなり優秀な部類に入ります。
ドラゴン族が並ぶため「崩界の守護竜」とも好相性で、場に残りがちな「神炎竜ルベリオン」含めコストにして迎撃できるため、連続融合することの意味も見出しやすいのがいいですね。
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デュアルモンスターのデッキということで、この2枚も外せない存在です。
「ブラック・ブルドラゴ」は後半の効果に着目し、デュアルモンスターをラグなしで運用できるようになります。「ヴァレルロード・F・ドラゴン」と並べば破壊効果に巻き込んでコンボも可能。このカードもレベル8ドラゴン族でステータスが優秀です。
「超化合獣メタン・ハイド」は、召喚難易度は高いものの、盤面のデュアルモンスターを大きくバックアップしてくれます。「レッドアイズ」デュアルモンスターの生存率を上げつつ、その効果発動につなげやすくなる、目に見えないアドバンテージを確保していきます。
融合、シンクロ、エクシーズ。3体の『デュアル三銃士』を1つのデッキで使いたい願望があったので、今の形はとても気に入っています。
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「甲虫装機 エクサビートル」は、「魔族召喚師」からの流れでX召喚しやすく、その効果で「真紅眼の幼竜」や「黒鋼竜」、「アークブレイブドラゴン」を装備します。
いずれも墓地送りのカードとして巻き込み、それぞれの効果を発動できます。特に「真紅眼の幼竜」は、装備カード化するこのカードの効果と噛み合っており、とてもスマートに運用できていると感じています。
極めつけは、「ブラック・ブルドラゴ」とのコンボ。装備した自身を墓地送りにすれば、「ブラック・ブルドラゴ」が装備対象不在により破壊されるため、「ブラック・ブルドラゴ」の効果が使えます。
各カードとのシナジー形成がうまくいっていて、デュアルならではの展開にも期待できる、お気に入りのカードです。
あとがき
デュアルモンスターは、登場から現在に至るまで常に日陰者でしたが、着実に強化されてきているので、皆さんにも1度向き合ってみてほしいテーマです。
しかし、そんなデュアルモンスターには未だに解決できていないことが。それは…
手札での仕事がゼロであること。
儀式モンスターですらその課題を解決したんですよ、なのにこいつらときたら、効果の定型文に3行も使ってるもんで、テキスト欄が足りないんですよね。手札にデュアルばかりの状態になるともれなく発狂するのは、今も変わっていないんです。
今後は、手札から発動できる効果を持ったデュアルモンスターの登場を強く願います。デュアル界に次なるブレイクスルーが訪れんことを。
皆さんにとって、デッキ構築の何かしらの参考になれば幸いです。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。