チームのために、家族とともに【FOCUS ON:濱野友旗】
明治安田生命J1リーグから数えて「J8」の東京都社会人サッカーリーグ2部に所属しているTOKYO CITY F.C.。渋谷区をホームタウンに活動するクラブには、いったいどんな選手が在籍し、どんな思いを胸に秘めてプレーしているのだろうか。選手1人ひとりのパーソナリティに焦点を当てる連載企画「FOCUS ON」がスタート。第1回は加入2年目のストライカー、背番号3の濱野友旗に迫る。
熱心な誘いを受けて…
僕とサッカーの出会いは、通っていた幼稚園の園長先生とボールを蹴っていた4歳か5歳の頃でした。
出身は京都府です。小学生の頃は伏見ジュニアサッカークラブ、中学生になると京都醍醐FCでプレーし、高校時代には関西大学第一高校のサッカー部に所属していました。
高校2年生の時、全国高校サッカー選手権にも出場することができました。準決勝で青森山田高校に負けてしまいましたが、3位になれた経験によって大学に進んでも本気でサッカーを続けようと決め、関西大学からプロになれればいいなと思って4年間プレーしました。
結局、プロサッカー選手にはなれませんでしたが、社会人になって就職してからもずっとサッカーを続けています。最初は東京海上日動火災保険サッカー部に所属し、名古屋への転勤にともなって当時東海社会人リーグ2部だった春日井クラブに移籍しました。
そして名古屋から東京へ転勤になるタイミングで出会ったのが、TOKYO CITY F.C.でした。自分の転勤を知った東京海上日動火災保険サッカー部時代のチームメイトで、CITYに所属していた峯達也から連絡をもらい、熱烈な誘いを受けたんです。
彼からCITYについて話を聞き、すぐに加入を決めました。本当に即決でしたね。
全国大会で味わった悔しさ
CITYの選手たちはみんな基本的に別々の仕事をしていて、日頃は違うことをしてる人が集まって、1つのものを作り出そうとする機会や環境があります。そういう様々な業界の知識や経験を融合させて、新しいものを作っていく過程にすごく大きな魅力を感じています。
応援してくれる方々もたくさんいます。昨年の全国クラブチームサッカー選手権大会に出場する前、クラウドファンディングを実施しました。その時、90万円を超える支援が集まって、自分たちを応援してくださる方々のパワーをダイレクトに感じたんです。本当にありがたく思いました。
そういったサポートの力を感じながら臨んだ全国クラブチームサッカー選手権大会で1回戦敗退が決まり、試合終わった後に、すごく申し訳ない気持ちがこみ上げてきました。たくさんの方々が支援、応援してくださっている中で、あの内容、あの結果だったのか……と考えると、試合に負けたこと以上に、その思いを感じながらも力を出しきれなかった自分たちに対して悔しかった。
だからこそ、今年はより一層がむしゃらに頑張るしかないなと思っています。応援してくださるたくさんの皆さんの期待を裏切るわけにはいきません。
チームとしてはまず東京都リーグ1部に昇格することが最低限の目標です。さらにCITYはサッカーだけやっていればいい環境ではないと思っているので、チームメイトたちをはじめ、運営スタッフや家族からのサポートに感謝しながら、それに報いるための努力が必要だと思っています。
チームのために、そして家族のために
まだ自分がピッチ外の活動の中でどんな形でクラブに貢献できるかは、答えが出ていません。まずはクラブが主催するイベントやホームタウン活動に積極的に参加して、応援してくださる皆さんや、渋谷区の方々とコミュニケーションを取っていきたいと思っています。その中でCITYの魅力を伝え、応援してくれる人を増やしていきながら、自分なりの貢献の仕方を見つけていきたいですね。
そして、今年は娘が生まれたので、いずれは自分の試合を見にきて欲しいと思っています。今はまだ小さいので、サッカーを見ても何のことかわからないと思いますが、パパが頑張ってるところを見せたい。
それはJリーグでプレーしているプロサッカー選手だけでなく、僕のような東京都リーグのアマチュアサッカー選手にもできることで、お父さんが頑張っている姿は子どもにもいい影響を与えるんじゃないかと思うんです。将来の夢は娘に「パパと結婚したい」と言われることなので、チームを勝たせるゴールを決めてかっこいいところを見せたいと思います。