SFC USB Type-C電源化
スーパーファミコン(以後 SFC) の国内販売開始が 1990年11月21日。
いまから34年前のハードです。
2025年11月21日で35周年を迎えるので、何かしらのサプライズが任天堂さんよりあるかもしれませんね?
そんなSFCですが、今現在でも実機でプレイしている方が多くいらっしゃると思います。
実はSFCで必要な電圧は5Vです。
つまりUSB電源で動かせるわけです!省電力ですよね。
どのようにUSB Type-C化するのか、紹介したいと思います。
純正の電源アダプタについて
SFCを実機でプレイするとき、大半の方は純正の電源アダプタを使用しているのではないでしょうか。
こちらのアダプタは大きくて、重たくて、電源タップを圧迫したりなど、以外と厄介です。
純正の電源アダプタからは、100Vの電圧を 10V, 850mAに変換してSFCに出力されています。
おや?5Vでは動かないじゃないか?
そうなんです。
5VでSFCを動かすためには、SFCの基板に細工をする必要があります。
電源部分の回路図を見る
有志の方が公開している回路図を見てみたいと思います。
回路図は以下のリンク先で確認できます。
https://wiki.superfamicom.org/uploads/snes_schematic_monochrome.pdf
下記が電源回路を抜粋した部分になります。
青色が純正の電源アダプタから入力される部分(10V 850mA)です。
途中のトランス、ヒューズ、ダイオード、スイッチを経由して、赤枠 3端子レギュレータ 7805 で 10V → 5V に変圧しています。
これがUSB電源でもSFCを駆動させることができる理由です。
5VでSFCが駆動できることから、モバイルバッテリ+USBケーブルの環境でSFCをプレイすることができます。
大きくて、重たい厄介な電源アダプタとはおさらばできちゃいます!
モバイルモニター + HDMI出力ケーブル があれば、場所を選ばずSFCを堪能することも夢ではありません!
カスタマイズしすぎて原型をとどめていませんが、投稿主はモバイルバッテリーだけでドンキーコングをクリアしました。
参考までにHDMIのケーブルは次のようなものを使っています。
余談ですが、以下のような商品もあります。
こちらは内部で 5V→ 10Vに昇圧しているものかと思います。
https://www.biccamera.com/bc/item/13556796/?source=googleps&utm_content=001210900015042&gQT=2
SFCを分解しよう
ここからは実際にSFCを分解して基板を改造していきます。
初期、中期、後期すべてUSB Type-C化できます。
今回は初期型(S10820377)で説明します。
投稿者はいかなる責任は負いませんので自己責任でお願いします。
SFCの分解はさほど難しくありません。
外装背面にあるネジは特殊ネジになりますので、Amazonなどで専用ツールを準備しましょう。
今回ハードオフで準備した本体がこちら。
まぁまぁ汚れていますねぇ!
外装背面に6ヵ所特殊ネジがありますので、これらすべて外します。
ネジをすべて外せましたら、内部へアクセスすることができます。
目で見えるすべてのネジを外しましょう。
ここで使われているネジはプラスネジになります。
全てのネジを外して基板のみにします。
今回はUSB Type-C電源化なので、写真に写っているレギュレータもこの後外します。
レギュレータの放熱+ノイズ軽減/遮断の役割をしているシールド板も外しましょう。
加えてAV出力の樹脂部品も外したいので、基板の裏側にある5ヵ所のネジを外してください。
基板改造
5ヵ所のネジを外せましたら、レギュレータを除去します。
写真のようにレギュレータの足に盛りはんだし、はんだコテ先で温めながら上側に引っこ抜きましょう!(ニッパーでカットする手法もアリ?)
はんだコテの熱でレギュレータが熱くなるので火傷には注意!
そしたら適当な線材を使って "I" と "O" をジャンパーさせます。
シルクプリントの "I", "G", "O" は次のような意味です。
(一般的なレギュレータの読み方と一緒です)
I: In / G: GND / O: Out
これで5V入力 → 5V出力の改造が終えました。
ここで少し余談。
下記画像のように、USBケーブルのVCCとGNDを接続すれば、USBケーブル化もできます。
今回はUSB Type-C化なので、簡単に紹介しておきます。
AV出力の樹脂部品を外す
Type-C化するため、既存の樹脂部品を外します。
基板裏面にあるDCジャックの足に盛りはんだをして、DCジャックと樹脂部品を一緒に外します。(DCジャックと樹脂部品が一体化しているんですよね)
3Dプリンタ品 と USB Type-C基板を取付る
こんなような部品を設計しました。
データはリンク先より取得してください。
PCBの厚みは"1.6mm"である必要があります。
3Dプリンタで印刷した樹脂部品を基板に取り付けます。
続けて、PCBにType-Cコネクタ+電解コンデンサ(整流用)+線材を組付け、SFCの "T1" の足にはんだ付けします。
樹脂側がVCCでカセット側がGNDです。
使う電子部品に迷ったら下記を参照してください。
Type-Cコネクタ
470uF/16V(8x8サイズ)
線材
PCBを3Dプリンタへ組付けます。
この時、"T1" の部品とPCBAが干渉しないように位置合わせしてください。
あとは分解の逆の手順で組み上げて完成させます。
AV出力の仕上がりはこんな感じ。
白色なので刻印が見えにくいですが、肉眼であればしっかり読めます。
起動確認
一気に 分解 → はんだ作業 → 組み上げ と進めてきましたが、各要所で動作確認はしてくださいね。
今回は大きな失敗なく一発で起動することができました。
大容量のモバイルバッテリーで結構長い時間遊べたりします。
これで大きな純正ACアダプタを準備する必要がなく、100均でも扱っているType-Cケーブルで電源確保することができるようになりました。
最後に
専用の3Dプリンタ部品の印刷、専用のPCB準備でまぁまぁなハードルかと思います。
そう思った方は、余談で説明したUSBケーブル化だけでも十分かと思います。(100均で購入できますしね)
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