SFCのコンデンサ交換
ハードオフのジャンクコーナで見かけるスーパファミコン(以後 SFC) を購入すると、
問題なく稼働が5割
不具合がある5割
と言った具合かと思います。
その中で多く見られる不具合が "映像が出力されない" , "色味が変" 等があります。
今回はこれらの不具合に対して修理する方法を書きたいと思います。
映像出力不良
まずは以下の動画をご確認ください。
投稿主はラッキーなことに、記事にピッタリな機体を入手してしまいました。
映像が出力されない…と思ったら映ったが…アレ?
と言った不具合ですね。
映像関係については、SFCの基板にある電解コンデンサの容量抜けが主な理由です。(RGBエンコーダー故障, CPU, PPU故障などもあるが)
その為、新品のコンデンサに交換することで映像関係については修理できたりする場合が多いです。
SFCの分解
今回修理していくのは、初期型になります。
外装裏面にゴム足が4つあるのが特徴です。
SFCの分解はさほど難しくありません。
外装背面にあるネジは特殊ネジになりますので、Amazonなどで専用ツールを準備しましょう。
さて、ネジをすべて外せて内部を見てみると…
まぁなんて汚いこと。
直接お見せしても気分が悪くなると思うのでモザイクしておきますね。
見せられるようになるまで清掃してきました。
少し清掃しただけですが、結構マシに見えますね。
初期型で見かけるサウンドモジュールが乗っています。
このまま分解を進めていきます。
基板と外装が外せるところまで分解しました。
プラの外装は水洗いしちゃいます。
基板だけのものがこちら。
以外とフラックスが残っていたりしています。
電解コンデンサの液漏れは無いようです。
余談ですが、カセットが刺さるスロットの部分を引抜くこともできます。
ソフトの読み込み不良を起こす汚れを簡単に清掃できます。
中期型の一部、後期型はこれが外せないのが残念です。
コンデンサ交換
各電解コンデンサの容量, 電圧, サイズは以下の通りです。
全部で11ヵ所と少ないです。
"ピンセットはんだごて"を使って電解コンデンサを取り除きます。
そして、新品のコンデンサを付けていきます。
オーディオ関係の10uFは、オーディオ向けの電解コンデンサを採用。
映像と電源は、固体コンデンサを採用しました。
1000uFは16Vを採用していますが、定格電圧(10V)の1.6倍なので問題ないでしょう。
C62のパスコンはセラミックコンデンサを採用しました。
コンデンサはすべて秋月電子通商さんより購入しております。
参考までに秋月電子通商さんから購入できる部品をアップしておきます。
商品 / 商品コード / 価格
1000μF16V105℃ / 109477 / ¥100
100μF25V PFV / 114452 / ¥60
33μF50V125℃ PFV / 116749 / ¥60
10μF50V85℃ / 104621 / ¥10
2.2μF25V X7R 2012 / 114788 / ¥100
基板の洗浄
基板がフラックスでベトベトになったので、基板を洗浄します。
洗浄方法は簡単で、"マジックリン" にどぶん。
数十分ほど放置し、そのあとブラシでゴシゴシと洗い水で良くすすぎます。
基板をよく乾かすため、投稿主は食器乾燥機を使って乾かしています。
これで汚れていた基板がピカピカになりました。
残留フラックスもなく、とても気持ちいい仕上がりです。
あとは分解の逆の手順で組み戻しましょう。
オーディオモジュールのコンデンサ交換(余談)
余談です。
初期型はオーディオモジュールが搭載されており、金属キャップを外すと電解コンデンサが出てきます。
使われているのはコンデンサは "47uF/10V" です。
オーディオ関連のコンデンサですので、投稿主はオーディオ用 "47uF/25V" 交換しました。
こちらも秋月電子通商さんで取り扱いがございます。
商品 / 商品コード / 価格
47μF25V85℃ / 105186 / ¥20
元の電解コンデンサは容量抜けしていなかったですが、可能であれば交換してあげるのが良いです。
動作確認
さて、コンデンサを交換した効果があるのか?動作確認します。
以下の動画をご覧下さい。
大成功です!
IC類が壊れていたら沼ってしまう修理でしたが、コンデンサ交換で無事に映像が出力されました。
最後に
レトロゲームのコンデンサ交換は修理の中でもよく行うものです。
今回は10個と少なめですが、表面実装とスルーホールの2つがあり、SFCは修理の練習にも良いかもしれません。
以上