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ASHIDAをつくってみた

Wiiをポータブル化するプロジェクト、『ASHIDA』をご存じでしょうか?
画像のように、Wii本体を魔改造してGame Cubeっぽいコントローラーと液晶を備えたポータブル機です。
私が作成していく中で気が付いた点等をまとめてみたいと思います。


ASHIDAとは

『ASHIDA』とはWesk氏によってデザイン、設計されたポータブルWiiの事です。
以下の動画のようなフォルムをしており、Game Cube(以降 GC)のコントローラーに液晶がついたようなデザインになっています。
GCコントローラーの各ボタンは本物のコントローラーから移植しています。
外装はWesk氏によってデザイン、設計されているようです。

WiiではWiiが当然プレイ出来る他、CG、VC(バーチャルコンソール)がプレイできる優れものです。

そんな夢のような話の『ASHIDA』ですが、簡単に制作できるような代物ではありません。
WiiにCFW(カスタムファームウェア)の導入に加え、Wiiの基板をカットする工程などがあり、電子工作初心者にはハードルが高いかと。
加えて、各液晶、基板、外装などの必要部品を集めるのに軽く5万円程(2025年1月時点)はかかります。
5万円の部品、基板のカット、細かなはんだ付け を考えるだけで『ASHIDA』のハードルの高さが想像できるかと思います。

必要部品

冒頭でハードルの高さをお伝えしましたが、何を考えたのか投稿者は作成しています。
以下、作成するにあたり必要な部品になります。

  • 5インチ液晶 と コントローラーボード
    (5" 16:9 800x480 IPS Screen + Driver Board)

  • コントローラー基板セット
    (Ashida PCB set)

  • コントローラー制御基板
    (GC+ 2)

  • SD読込基板
    (PMS PD 3)

  • 電源管理基板
    (RVL-PMS-2)

  • Audio Amp
    (RVL-AMP)

  • リチウムイオン電池

  • GCコントローラー 2点

  • 3Dプリンタの外装

  • スピーカー

  • ヒートシンク

  • ファン

  • その他もろもろ

参考までに投稿者がまとめたBOMリストが以下です。
オレンジ色: 『4 Layer Technologies』より購入したもの。
水色: 『Digi-Key』で購入したもの。
ピンク色: 『JLCPCB』で発注したもの。
白抜き: その他ショップ。
グレーアウト: 既存品の再利用。
私が作成したBOMをアップしておきます。

購入する部品が非常に多い!

制御基板類は基本的に『4 Layer Technologies』さんより購入します。

購入した部品を1枚の写真に収めていますが、これだけ必要になります。

意外と少ない?

作成する前に

ここではCFWの導入とRVLoderno導入は紹介しませんので、ご自身でお調ください。
作成するにあたり、投稿者はいかなる責任は負いませんので自己責任でお願いします。

作成する為の参考記事

『ASHIDA』の作成に当たり、参考にした記事は以下になります。
1つのページにまとまっていないので、あっちみたり、こっちみたりと大変です…。
オススメはYoutubeを参考に、各リンク類を確認することです。

https://bitbuilt.net/forums/index.php?threads/ashida-wii-portable.4529/

https://bitbuilt.net/forums/index.php?forums/wii.101/

https://bitbuilt.net/forums/index.php?threads/the-definitive-wii-trimming-guide.198/

基板のカット

基礎となるWiiの基板をカットしましょう。
投稿者は毎度毎度カットするのが面倒だったので一度で2枚くらいカットしました。
基板は4レイヤー版を使っています。
基板をカットした後はカット面を800番→1000番→1500番のやすりでしっかり研磨してください。
カット面は非常に粗く、各階層の銅箔が他の改装と接触して短絡しているためです。(横着者の投稿主はここで沼りました)

bitbuiltのガイドに従って基板をカット
Code 40以降は4レイヤ
各階層の短絡イメージ
これをやすりで研磨して短絡を除く

基板をカット、研磨し終えましたら各電源ポイントの抵抗値を測定します。
以下の画像を参考にご自身で準備した基板の抵抗値を測定してみてください。
下記表に対し、抵抗値が多少前後しても問題ないと思います。
短絡していないことを確実にチェックしてください。

数値はあくまでも参考です
測定ポイント

基板の準備ができましたら、YouTubeの動画を参考に各部品を組み上げていきます。
はんだする箇所は多いですが、淡々と作業をこなすだけなので大きな悩みは無くサクサクできます。(むしろ完成に近づくので段々とワクワクしてくる)
はんだ付けする際は、バッテリーは必ず抜いておきましょう!

はんだ箇所がとにかく多い!
細かい!フラックスを塗ってしっかりはんだ付けしよう!


Audio系の配線をするとき、下記のような赤矢印で配線するが良いです。
何かあったときに、一方向から配線されていれば、Wiiの基板を起こしてメンテすることが容易になります。(Youtubeでも同じことを言っています)

Audio系の配線の取り回し

『4 Layer Technologies』さんから購入した基板の配線位置が笑からない場合は、『4 Layer Technologies』さんの各製品サイトを参照すると良いかもしれません。

仮組して起動確認

外装のネジを締める前に、仮組状態で動作確認しましょう。
電源を入れる瞬間が非常に緊張します…。
電源入れて起動するまでの参考動画もアップします。

無事に画面が表示された!

コンフィグ設定

仮組状態で無事に起動も確認でき、外装のネジを締めて完成させます!
初期状態では L, R ボタンの押し込み設定が反転しています。
(解放状態が押込み判定されている。押込み状態が解放状態で判定されている)
そのためRVLoderの設定画面の ”Controller” → "Triggers mode" → "Analog" と設定します。

bitbuiltのフォーラムで載っていたくらいの情報

最後に

費用の面、CFW導入、RVLoder導入、はんだ付け、基板カット などの観点からこのプロジェクトのハードルの高さが改めて感じられたかと思います。
日本国内で作成している人はすごく少数かも?
作業が細かく、各要所で沼ったこともあり、仮組で無事起動したときは大喜びしました。
2024年で制作したものの中で断トツで作ってよかったと思える代物です。
Xで制作経緯もアップしていますので、少しでも参考になればと思います。

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