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【解説】とあるシリーズのタロット読解
『とある魔術の禁書目録』20周年記念企画として、アニメイトでとても魅力的な特典が配布された。
登場人物たちのイラストを使用したタロットカードだ。全て揃えれば大アルカナ22枚で実際に使うことができる。とあるファンには垂涎もののアイテムと言っていいだろう。
各アルカナと登場人物の対応は以下のようになっている。
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この各アルカナとキャラクターの対応が非常によく、感心させられた。監修が誰なのかはわからないが、原作とタロットの両方を非常によく理解している人が考えた組み合わせだ。
この記事では各アルカナを軽く解説し、なぜそのキャラクターにマッチしていると思ったのかを説明したい。
なお、これは考察と呼べる類のものではない。
タロットのアルカナとは読み解くものであって正解があるものではなく、それゆえに「この大アルカナにはこのキャラクターしかいない」という断言はできない。
極論すればすべての人がすべての大アルカナの性質を持っていると言える。その中でも特に際立った側面を私達は特徴と呼んでいて、私はその特徴を拾い上げて「この大アルカナに合っているな」という感想をこぼす。
それに加えて、私はまだ旧約16巻までしか読めていない。実況しながら読解を進めているが、最新刊にたどり着くまではまだしばらくかかるだろう。
情報の足りないキャラクターに関しては俗に言うミリしらのスタイルで推測することになる。
それでもよければ、やっていくことにしよう。
0 愚者 上条当麻
愚者は自由と可能性のカードだ。
愚者のカードが示す生き方は、固定観念に縛られず、自分の生きたいように生きる自由さ。その奔放な道のりは何者にも止められないが、一方で一歩先にある崖に気づけなければ転落してしまう。
しかし、あるいは転落した先で新しい出会いが待っているかもしれない。常識に守られた者ではたどり着けない道を歩む可能性が愚者にはある。
上条当麻は固定観念に縛られず、それどころかその固定観念を幻想であるとしてその右手で殺してきた男だ。
型にはまらない発想は魔術師も超能力者も関係なく打ち破ってきたし、普通の人間なら逃げたり諦めたりするようなところで踏みとどまって自分の生き方を貫き続けてきた。
いつも不幸に巻き込まれ、大変な目に遭うが、その先には出会いが待っている。上条当麻は非常に多くの縁を紡いできた。
一方で、愚者には無責任さや孤独感、能力不足、協調性の欠如のような意味もある。
上条当麻は時折ひとりで先走る傾向がある。救えるかわからない相手に優しい言葉を投げかけるのは残酷なことだし、無知から空回りしてしまうこともあった。
いつか、幻想殺しだけでは勝ち目のない敵が現れたとき、上条当麻は能力不足に悩むことになるかもしれない。
また、愚者の名が示すとおり、自由さとは同時に無知さも示している。上条当麻は本質的に自由で善良だが、それは無知で素朴であるということだ。善良な者が常に正しいというわけではない。
忘れてはならないのは、愚者が愚者と後ろ指を指されるような奇行に走るのはその奥底に高い理想と信念があるからだ。上条の理想と信念に共感する人々がいる限り、彼は孤独ではないだろう。
1 魔術師 ステイル=マグヌス
魔術師は無から有を生み出す者のカードだ。
魔術師のカードが示す生き方は、創造的でどんなものでも生み出せる力強い意志。目的意識がはっきりしていればそのためにあらゆる理想を実現できる一方で、目的のない創造で才能を浪費することも。
人生における出発点、狼煙が上がったまさにその瞬間を示すカードだ。自発的で、独立していて、自分の実力を深く信頼している。
ステイル=マグヌスは一度全ての目標を失い、再出発したばかりの男だ。インデックスという友をある意味では失い、しかし、彼女とその日常を守るためだけに死力を尽くしている。
どんな瞬間であってもインデックスのことを考えているステイルが目的意識を揺らがせることはないだろう。それはつまり、彼が魔術師の大アルカナとして常に最高であることを意味する。
ルーン、ノタリコン、聖書からの引用、幅広い魔術を目的のために使いこなし、研鑽も欠かさないステイルはその創造力をふんだんに駆使している。
「インデックスの平和な日常を守る」という終わりのない戦いに身を投じたばかりのステイルは、その戦いが孤独なものであろうと全く気にしない強さを持っている。
言い換えれば、ステイルの意志の強さと創造性はインデックスの守護という目的一点に向けられている。もし必要悪の教会の魔術師としてそれに反するような任務を与えられた時、彼は最も弱くなるだろう。
一方で、魔術師には不器用、相手への苦手意識、他にやりたい仕事があるのに押し付けられた仕事といった意味もある。
インデックスとは何の関係もない仕事に振り回されるのはステイルにとって本望ではないだろうし、どう接すればいいかわからない相手と出くわすこともあるだろう。
特に月詠小萌のような無碍にできない相手など、ステイルは人付き合いに難を抱えているかもしれない。しかし、それは彼が愛のない人間であることを意味しているわけではない。
2 女教皇 神裂火織
女教皇は豊かな精神から高い理想を掲げる者のカードだ。
女教皇のカードが示す生き方は、高潔な理想と向き合い、その理想のためになにをすればいいか考えることにその満ち溢れる精神力を注ぐ姿勢。仕事ができ、清らかである一方完璧主義に陥りがちだ。
人間関係にも同じような性格が現れており、ずるやごまかしをしない一方で曖昧な関係を許すことができず、傷つきやすくなったり、反対に人を批判してしまったりする。
伝統と格式を重んじるが、決して新しいことを取り入れられないわけではなく、勉強熱心さを示して理想のために成長することもある。
神裂火織は「神が救わない者全てを救う」という壮大な理想を掲げている。その理想に対し、普段は豊かな精神で実現に向けて向き合えているようだ。
しかし、一度自らの同胞である天草式の面々や友であるインデックス、そして戦いの中で縁を結んだ上条当麻が傷つくことがあれば、彼女の脆さはあらわになってしまう。
もちろん、そこで立ち直ってあり方を改善し、前に進むことができるのが神裂の強さでもある。理想を曲げるのではなく、自分を変える強さ。
批判的な言動は上条当麻や土御門元春、ローラ=スチュアートに向けられることが多いが、それは神裂が彼らを嫌っていることを意味するわけではない。大切な存在だからこそ正そうとしてしまうのも女教皇の特徴だ。
女教皇には偏見、独断での行動、ストレスといった意味もある。
時折、神裂は偏見や思い込みから暴走してしまいがちだ。複雑なポジションにストレスも感じているだろうし、激情家ゆえに独断での行動が見られることもある。
しかし、高い理想を掲げて折れることがないのは神裂の強さであり、これからも彼女はその生き方を貫くだろう。
3 女帝 食蜂操祈(ミリしら)
女帝は愛と豊穣のカードだ。
女帝のカードが示す生き方は、満ち足りた豊かさ。美も富も、そして人間関係も、有り余るほど十分に足りている。それに浮かれることなく、自然体で受け止められる。
ありがたみを忘れてうんざりしていることもあるだろう。また、本当に求めているものが手に入っておらず、それを渇望しているとも解釈できる。
食蜂操祈はどうやらとても恵まれた地位にいる人物のようだ。統括理事の縁者であったり、非常に優れた能力を持っていたり、あるいは政治的な成功者なのかもしれない。
その一方で、食蜂は今の立場で得られる恵みに倦んでいるか、本当に求めているものは手に入らなかったのかもしれない。
女帝が示すような人物は包容力があり才色兼備で自然体で生きているが、一方で利己的であったり、怠け者であったり、子どものような恋に浮かれて失敗を犯したりする。
また、女帝の豊かさを働き方や生き方に当てはめると穏やかで平和、快適な環境をイメージしやすく、おそらく食蜂は普段居心地のいい環境でのびのびと過ごしているのだろう。
女帝には恵みに溺れる、共依存、利益を生まない仕事といった意味もあり、これからの彼女が心配になる。
4 皇帝 一方通行
皇帝はコミュニティの統率に成功した者のカードだ。
皇帝のカードが示す生き方は、力強い統率者。成り行きで王になるような存在ではなく、長く計画的な戦いを経てその地位を勝ち取った王者だ。リーダーシップがあり、同時に責任に縛られている。
本質的には戦士であり、戦って実力を認めさせることでのし上がっていく。ただ君臨するのではなく、敵対者を打ち負かし、仲間に実力を示すことでその立場を確かなものにしていくのが皇帝の特徴だ。
一方で力に頼りがちな側面があり、煩雑な人間関係を力で押し付けて処理しようとして失敗することがある。
一方通行は一度失墜した。立場も、権威も、能力も失った。しかし、彼は打ち止めを守るために立ち上がった。そして彼は暗部で着実に力を示し、頂点へ一歩ずつ進んでいっている。
学園都市第1位だから強いのではない。愚かな敵対者を処断することで着実にその実力を学園都市へと刻み込んでいった一方通行の歩みは、まさに皇帝のカードが示す戦いそのものだ。
決して愚かではないし、力を振るわずに解決できる場面では言葉を使う理性もあるが、それはそれとして面倒になると力で解決しようとする。力で解決できない問題を面倒だと認識している面も否定できないだろう。
また、皇帝のカードが示すような人物は目的意識がなく一貫性に欠けるところがある。力のための力、権威のための権威を漠然と追いかけていた絶対能力進化計画時代の一方通行はまさに皇帝の悪い側面に陥っていた。
皇帝には打算的な関係、深いところでつながった仲間の不足、意地っ張りなどの意味もある。
一方通行には目的を共有した仕事仲間こそいるが、心でつながった仲間と言えるものは今のところいない。それは一方通行の強みであり、弱点でもあるのかもしれない。
5 教皇 アレイスター=クロウリー
教皇は秩序と模範を知る者のカードだ。
教皇のカードが示す生き方は、秩序を知り、模範を知り、その上で進む道を考える者。社会の模範となるような指導者になることもあれば、知ったうえでルールを悪用しインモラルに生きることもある。
どちらにせよ言えるのは、社会のルールに対して無知なのではなく、知ったうえでそれをどう使うかを考えて生きているということだ。ルールを尊重することもあれば、ルールに背くこともある。
アレイスター=クロウリーは学園都市統括理事長であり、同時に『法の書』を著した魔術師でもある。史実の彼を考えれば、彼は教皇の逆位置を体現するような人物だと言えるだろう。
しかし、私はまだ辿り着いていないが、学園都市の運営に何か崇高な目的があり、そのためにルールを率先して生み出そうとしているのであれば、彼は卓越した教皇の正位置でもあるのかもしれない。
教皇は表立ってルールを破ることはない。ルールを掻い潜ったり、法の目が届かないところで悪事を働く。そのため、信用ならない不道徳な人物を指すこともある。
また、教皇が導く者、精神的な支えであるように、教皇のカードが示す人物は師として優れた能力を有していることがある。
今後、魔術か科学かを問わずアレイスターが誰かを弟子に取ることがあれば、その弟子は大成することだろう。
しかし、気をつけなければならないのは、教皇のカードは師として優れていることを示すだけで、善良な弟子に恵まれることを意味するわけではないということだ。
6 恋人 五和
恋人は快楽に身を委ねる者のカードだ。
恋人のカードが示す生き方は、快楽に魅了され、あるいは翻弄されてしまう者。刹那的な幸せに没頭しており、満たされてはいるが、その先に関しては無計画で無責任だ。
また、快楽の果てになにかの重要な選択をすることを意味している場合もある。アダムとイブが知恵の実を手にしたように、その選択は必ずしもいい選択とは限らない。
よくないカードのように思えるかもしれないが、少なくとも今が充実していて幸せな時間を過ごせているという意味を持っている。
五和は天草式の信徒として上条と出会い、淡い恋心を抱いている。また、彼女は無力感に絶望してしまうような等身大の女の子でもある。
私が読んでいる旧約16巻の時点では責任感があり一生懸命で可愛らしい女の子だと思っていたが、このカードが示すとおりの運命をなぞるのであれば、残酷な結末が待っているのかもしれない。
恋人が正位置である限り、仕事は楽しく、仲間とは親しく、そして魅力的な人物に幸せな恋をすることができる。
しかし、恋人の逆位置は仕事への違和感、嫌な仕事、得るもののない行い、そして裏切りを意味する。アダムとイブが知恵の実を口にして楽園を追われたのを思い出してほしい。
五和にはいつまでも恋人の正位置であってほしい。しかし、恋人の正位置が示すのはあくまで刹那的な快楽であり、いつかは次のステージへ進まねばならないことも忘れるべきではないだろう。
7 戦車 麦野沈利(ミリしら)
戦車は力強さと打破のカードだ。
戦車のカードが示す生き方は、エネルギッシュで目標に向けてひた走る特急。特に攻撃的なエネルギーに満ちており、競争で負けることはまずないと言っていいだろう。
しかし、戦車のエネルギーは自らにすら牙を剥く。制御不能に陥れば道を外れ、気持ちをコントロールできなくなり、思ってもないことをしてしまう。
私は麦野沈利を旧約15巻でしか知らない。彼女は非常に力強い能力者だったが、暴走の果てにレベル0の浜面に倒されてしまった。
麦野が戦車のカードの示すとおりの人物だとすれば、彼女が仲間だったフレンダや滝壺、絹旗に攻撃的な言動をしたのは彼女の本心ではなかった可能性が非常に高い。
戦車の逆位置が示す暴走したエネルギーは、自分自身や親しい人物を特に傷つける。大切に思っている相手ほど傷つけてしまう。
また、戦車には悪意のない悪ふざけが人を傷つけてしまう、思いばかりが暴走して結果を実らせることができないといった意味があり、「アイテム」の崩壊は麦野も望んでいなかったのではないか。
戦車のカードが示すような人物はとても大きなエネルギーを抱えており、目的に打ち込んでいるうちはパワフルで信頼できる人物だが、計画が混乱しはじめると衝突や対立を生み出してしまう傾向にある。
かつての麦野は頼れるリーダーであり、チームを愛する立派な人物だったのかもしれない。
8 力 削板軍覇(ミリしら)
力は不屈の精神と愛のある協調性のカードだ。
力のカードが示す生き方は、粘り強く人と心を通わせ、力を飼いならす主。時には他の人が恐れるような存在すら味方に変えてしまう、そんな意味での力強さを持っている。
一方、心が折れてしまえば逃げ腰になってしまうようなところもある。身勝手で、野心はあるがそれを実現する力を持たず、人の顔色を気にして生きている。
削板軍覇はおそらく、人を味方につける天才だ。どんな人物も彼には絆されてしまうことだろう。敵を味方に変えるまで諦めない粘り強さもある。
その一方で、削板は根性不足を痛感したことがあるか、これからそういった場面に直面するのかもしれない。そんなとき、彼は力不足から野心を諦めることになるのかもしれない。
裏を返せば、根性さえあれば彼に不可能はない。削板ひとりでは成し遂げらられないような偉業を可能にする力が彼にはある。
また、削板には深い絆で結ばれた仲間がおり、彼ら彼女らに支えられることだろう。強い意志のある人物で、彼の仲間は彼のそんなところを好ましく思っているに違いない。
加えて、力のカードは加減上手を意味する。特に他の人には制御できない力を扱うのが上手で、削板は特別な能力を持っており、自分の能力をコントロールすることに長けている。
9 隠者 月詠小萌
隠者は精神世界の探求者のカードだ。
隠者のカードが示す生き方は、静かに自らの内側を見つめ、知と親しみ、心を大切にする者。凪いだ水面のように穏やかで、荒ぶることは滅多にないと言っていい。
自らの内側と向き合うことができるのは間違いなく賢明だが、その一方でこだわりが強すぎてしまったり、理解者の不在に苦しんだりすることがある。また、理解できないものを受け入れられず現実逃避してしまう脆さもある。
また、その精神的な落ち着きと聡明さから導き手としての役割を担うことがある。生まれついての導き手というより、導き手になれるほどの素質の持ち主と言うべきだろう。
月詠小萌は上条の担任として彼がトラブルに巻き込まれるたびに心を痛めながらも、彼を導く良き大人として日常の導き手であり続けている。
小萌の冷静さと穏やかさは言うまでもないだろう。どんなトラブルに巻き込まれても最終的には人を守り、受け容れる人物であり、明らかに怪しいインデックスですら守るべき子どもとして助けた。
優秀な科学者である点も隠者らしい。幅広い知識を持ち、専門領域をわかりやすく論じることができるのは隠者のカードが示すような人物の特徴だ。
大覇星祭の一件では目の前で教え子が重傷を負わされた衝撃から現実逃避に走り、禁書目録の行使した治癒の魔術を模倣しようとする哀れな姿を見せたこともあった。
また、隠者のカードが示すような知識とは一夜漬けしたようなものではなく、忍耐と努力の末に培われた体系的な知識だ。学者としても教育者としても熟達している小萌にはピッタリのカードだろう。
また、隠者には現実離れした夢や恋に没頭してしまう、人目を気にして孤独になる、騒がしい社会に適合できないといった意味がある。
学園都市が戦争の最前線になったとき、子どもを守られるべき存在として認識している小萌は学園都市という社会に適合できないだろう。
また、もし上条に恋しているのであれば、それは現実離れした恋なのかもしれない。占星術では乙女座に対応するこのカードは、意外と恋心の豊かな人物を指し示すこともある。
10 運命の輪 御坂美琴
運命の輪は時と運命の流れに呑まれる者のカードだ。
運命の輪のカードが示す生き方は、不可避の運命に捕らわれ、時の流れの中でその逃れることのできない運命に直面する者。その運命を自分で選ぶことはできず、ただ迫りくるそれを待つしかない。
しかし、この運命は悪いものとは限らない。流れの中に幸運があれば、それを掴み取る勇気と素早さが必要だ。そして、勇気と素早さを備えた者に運命はとびきりの幸運を与えてくれる。
御坂美琴は大きな流れに翻弄され続けた少女と言えるだろう。妹達と絶対能力進化計画はまさにそれだ。
あくまで御坂美琴は表の世界に生きる少女であり、学園都市全体の思惑のような運命に翻弄されている。しかし、自らその流れに踏み込む勇気もあり、そんな彼女は上条という運命と出会っている。
時には御坂の努力は徒労に終わるかもしれない。運命の流れに抗って進むことは何も生まない。好機を逃し続けることになる。
また、運命の輪は回転になぞらえて成功に酔ってしまうと解釈されることもある。中学生にして学園都市に7人しかいない超能力者に至った御坂は時折倫理の欠如した振る舞いをする。心配だ。
運命に翻弄され、時を待つことしかできないという意味では残酷なカードだ。上条のことを想いながらも同じ戦場には立てないもどかしさを感じる。
しかし、御坂は運命が微笑んだ時、そのチャンスを決して逃さない覚悟の持ち主だ。彼女が勇気を持って何かに立ち向かう時、そこにはきっと上条や白井のような心強い仲間がいることだろう。
11 正義 白井黒子
正義は自分にも他人にも厳しい公正な者のカードだ。
正義のカードが示す生き方は、物事に評価を与える者。そこに私情が持ち込まれなければ誰よりも公正な裁判官になるが、一方で私情に囚われたり、法や社会規範では裁けない何かと直面したりすることもある。
公正中立を体現しており、裁判官であると同時に執行人でもある。しかし、裁くのはあくまで罪であって、どんな悪人でも罪を犯していなければ公正に接することだろう。
白井黒子はまさに公正中立の人物であると言える。
優秀な風紀委員であり、学生とは思えないほど覚悟の決まったその姿勢からは国家のエージェントを思わせる正義への誠実さを感じさせる。
白井の正義は徹底している。自らが傷を負うことすら厭わず、平和な日常を守るために奮闘する正義の使者。彼女は理想的な警察であり、裁判官であり、あるいは官僚であるかもしれない。
一方で、白井は自らが慕う御坂のことになると自らの罪に対してすら寛容になる。御坂の日常を守るためなら白井は自らの正義すら犯しかねない。もしかすると、初春に対しても近い感情はあるのかもしれない。
守りたいと思える社会や市民がいて初めて、正義は意味を持つ。そういう意味では白井は愛に溢れた人物であると言えるだろう。日々触れあう人々、それだけではなく顔も知らない市民のために、彼女は正義を執行する。
ビジネスライクな付き合いができるのが正義のカードが示すような人物の強みで、御坂が絡まないときの上条との関係はまさに戦友のそれだ。
また、正義には不公平で公正さのない環境に囚われる、私情を挟んで過ちを見逃すといった意味がある。
風紀委員はあくまで学生の自治であり、学園都市の暗部に逆らうことはできない。風紀委員として息苦しさを感じることもあるだろう。
学園都市の暗部、もしくは世界大戦の激震に市民の日常が巻き込まれた時、白井はどこまでその公正さを貫けるのだろうか。あるいは、自身の公正さに苦しめられるのもまた正義のカードが示す人物の宿命かもしれない。
12 吊るされた男 土御門元春
吊るされた男は身動きを取れないことを認めた者のカードである。
吊るされた男のカードが示す生き方は、今の自分が苦しい状況にあることを認め、その上でどうすべきかを考える者。静かに考え時を待つこともできるし、現状に抗ってもがくこともできる。
悪いカードというわけではない。今が最も苦しい状況であることを示しており、それをどう打破すべきかを考えるわけだ。向き合うことが正解なこともあれば、もがくことが正解なこともある。
土御門元春は苦しい現状にいることを誰よりも理解している。
土御門は多重スパイだ。学園都市のスパイでもあるし、イギリス清教のスパイである。そして暗部「グループ」では今のところ指揮官のようなポジションにあるようだ。
はっきり言ってがんじがらめのポジションであり、いつ命を落としてもおかしくない。しかし、土御門には守るべき妹がいる。
しかし、土御門には冷静に考える思慮深さと獣のように荒ぶる勢いのよさの両方が備わっている。彼は状況を打破するため、必要に応じてその二面性を使い分けることができる。
ただ、吊るされた男がもがけば縄が食い込み、痛みを感じることだろう。もがくことなく時を待てば次第にうっ血し、脳がむくむような感覚に襲われることだろう。
どちらを選ぼうと、土御門は苦しむことになる。その苦しみは状況が打破されるその瞬間まで続く。
間違いないのは身動きが取れないということだけだ。何もできないからこそ思考は冴えわたるかもしれないが、だからといって何かができるとは限らない。もがいて縄が緩むかもわからない。
打破までは時を待つしかない。残酷なのは、その打破がポジティブな解決とは限らないということだ。土御門はこれからじっくりと苦しむことになる。
13 死神 フレンダ=セイヴェルン(ミリしら)
死神は新たなステージへの区切りを示すカードだ。
死神のカードが示すのは、これまで続いてきた何かが終わり、新たな何かが始まる運命。衝撃的で心に深い傷を負うかもしれないが、その先には新たな自分が待っている。
必ずしも悪い終わりというわけではないが、このカードが示すような終わりが見えている時、人はしばしば現状に未練を持ち、すがろうとする傾向にある。しかし、それはかえって苦しみを長く続けさせてしまうことになる。
15巻で仲間だったはずの麦野に両断される形で死亡したフレンダのパーソナリティについて私はまだ知らないが、考えるべきは彼女が誰にとっての死神だったかということだ。
フレンダを殺した麦野は力を暴走させながらもなお、チームのメンバーを「お仕置き」し、自らのチームを再び統御しようとしていた。彼女は明らかに崩壊した過去にしがみついていた。
一方、フレンダの死に直面して「アイテム」の終わりを理解した浜面は滝壺を守るために戦った。先へ進んだ彼はレベル5をレベル0が倒すという偉業を成し遂げることになった。
確かにフレンダは死神のカードが相応しい人物だったようだ。
では、彼女自身にとって死神のカードが示す終わりという運命はどのようなものだったのだろうか?
フレンダが「アイテム」をどこまで大切に思っていたのか、保身のために「アイテム」を裏切ろうとしたのはどこまで真意だったのか。私にはフレンダが保身のためではなく「アイテム」再起のために動いたように思える。
それはもしかすると「アイテム」という現状にすがるあり方であり、その結果最悪の運命を呼び寄せてしまったのかもしれないが……。
14 節制 オルソラ=アクィナス
節制は融合と調和、化学反応のカードだ。
節制のカードが示す生き方は、異なるものと出会い、それを受容するか拒絶するかを迫られ、その混ざり具合によって新たな何かを見出す者。それは人間であったり、文化であったり、あるいは信仰であったりする。
異なるものと出会った時、人はそれを受容することもできるし、拒絶することもできる。どちらを選んでも影響は受ける。フラスコの中の液体が色を変えるように、出会いを経て変化していく。
オルソラ=アクィナスは多くの変化を経験してきた修道女だ。
異教の地で神の教えを広めていた彼女は『法の書』と出会ってその解読方法を見出し、人々の幸せのためにその破壊を試みた。イギリス清教に移ってからは暗号解読班として異教徒すら助けようとしている。
オルソラは異なりを恐れない。だからこそ異教の地にも赴くし、異教徒にも力を貸すし、異なる教派に移っても信仰は確かなままだ。
冷静な平和の使者であり、同時に卓越したネゴシエーターでもあることを意味する節制のカードは、話術に長け調和的なオルソラにぴったりだと言えるだろう。
節制は変化のカードであると同時に、最も頑固者なカードでもある。
また、節制には臨機応変に動けなかったり反対に相手を振り回したりする、会話が一方的で話を聞かないといった意味もある。
受容的で、どんな異なりも個として認め、よい影響は積極的に取り入れる一方で、自分の芯を揺らがせることは決してない。それがオルソラの強さと言えるだろう。
15 悪魔 垣根帝督(ミリしら)
悪魔は快楽と依存のカードだ。
悪魔のカードが示すのは、よくないことだと自覚しながらも悪事や不道徳、時には不健康な習慣を繰り返してしまうこと。恋愛のカードと違い、その悪性を自覚しているのが特徴と言えるだろう。
正位置と逆位置で良し悪しが反転しているカードで、正位置は悪魔の誘惑に負け、欲求に溺れてしまうことを意味する。反対に逆位置は悪魔と対決し、欲求を制御下に置こうとしている。
また、心の中の悪魔も解釈によっては原動力と言い換えることができる。実社会における大胆な利益追求や目的至上主義は悪魔的と言うことができるように、悪魔のような力を得ることは必ずしも悪いことではない。
どうやら垣根帝督という人物は何か強い執着を持っており、その執着がゆえによくないことと自覚しながら悪事に手を染め続けている人物のようだ。
そして、もしかすると悪事に手を染めることそのものに酔ってしまい、快感を覚えるようになっているのかもしれない。それはさながら悪魔崇拝者が不道徳を働くのと同じ心理だ。
一方で、垣根はこれが悪いことであるということを自覚しており、いつかは抜け出さなくてはならないことを理解している。
もしかすると垣根のそばには彼を光の道へ連れ戻そうとする人物がいるか、もしくは過去に存在したのかもしれない。ひとりで心の中の悪魔を自覚することは困難だからだ。
あるいは、かつて垣根のそばにいた誰かを取り戻そうとして、彼は悪魔的なまでに執念を燃やしているのかもしれない。
悪魔のカードが示すような欲はしばしば他者から糾弾されるが、それでも目的に向けて邁進する強い意志を持っていると言うこともできる。欲望に負けているのか、それとも執念に染まっているのか、解釈が分かれるところだ。
垣根は15巻で「統括理事長との直接交渉権」を求めていた。もし垣根が悪魔の誘惑を断ち切るために交渉しようとしていたのだとしたら、彼もまた正義を求めて戦っていたのかもしれない。
16 塔 妹達
塔は崩壊のカードだ。
塔のカードが示すのは回避できない崩壊と、そこから始まる改革。あるいは現状を打破するひらめきである場合もある。塔のカードを忌避する人は多いが、塔は本来開明的な意味を持っている。
正位置であれば、塔が示した崩壊は青天の霹靂となって生じる。大きな衝撃が一瞬でやってきて、すぐに変化が訪れる。一方、塔の逆位置はボロボロと崩れていくような長引く崩壊を意味する。
妹達は多くの人々にとって変化をもたらす崩壊だった。
クローンとしての姉である御坂にとって妹達は「自分のせいで生まれてしまった犠牲」であり、「救えなかった存在」だ。その衝撃は御坂を苦しめたが、戦いを経て救い出した妹達と姉妹になることができた。
妹達を殺害する実験の被験者だった一方通行にとって妹達は「助けてと命乞いをしてくれない犠牲」であり、「殺してしまった無数の罪」だ。一方通行はその罪を抱えて苦しみ、打ち止めと出会いヒーローになった。
妹達自身にとっては生きることそのものが崩壊と変化であると言えるだろう。実験動物から一転して人としての生活を与えられ、彼女たちは生き方を選ぶ必要に迫られている。
塔の崩壊は待ってくれない。変化は否応なしに訪れる。しかし、新たな誕生を祝福する心構えさえあれば、変化はいい流れを呼び込んでくれるだろう。
また、塔にはトラウマや無理解、災害という意味がある。
御坂や一方通行にとって妹達はトラウマだろうし、ミサカネットワークによってつながった彼女たちを完全に理解できる部外者は今後現れないだろう。
しかし、塔のカードは必要な変化を意味する。妹達は必要な変化だった。言い方を変えればこうだ。彼女たちは皆、運命に望まれて生まれてきた。その誕生は祝福されるべきだろう。
17 星 風斬氷華
星は清らかな希望の光のカードだ。
星のカードが示す生き方は、空に光り輝く星のように明るく汚れなき希望を抱く者だ。その希望は善良で純粋、可能性に満ちているが、それが叶うかどうかはこれから次第。
また、星は手を伸ばしても届かず、いずれ地の果てに沈んでしまう。希望を希望のままにしておけばいつかは潰えてしまう。時の流れの中で目標を見つけられなければ、その努力は徒労に終わるだろう。
風斬氷華はある意味で誰よりも純粋な人物だ。
AIM拡散力場から生まれた現象としての人造天使である風斬は、正気を失ってもなお善性を発揮するほどに良心に満ちあふれている。彼女が自らの力の使い方を理解すれば、誰よりも優れたヒーローになるだろう。
一方で、風斬は自分の怪物性に怯えるような無垢さも持ち合わせている。自分が何者で、何になりたくて、何をすべきなのかを見つけることができるまで、彼女は無垢な少女のままだ。
希望や理想、輝かしい言葉に満ちたカードだが、その実、高すぎる理想は失敗に繋がり、届かない希望は無駄な努力を生む。現実と向き合うことを求められる残酷なカードでもある。
そして、風斬にとって向き合うべき現実とは少し残酷なものだ。彼女は人間の心を持つ優しい少女だが、同時に人造天使としての力を持った現象であり、いつかは生き方を選ばなくてはならない。
ただし、星には誠実な付き合い、健全な友情といった意味もある。インデックスと風斬の友情は不滅だと思っていいだろう。
希望を見て前に進み、失敗しては悲観する。星のカードが示す若々しさは、同時に成長の余地があることを意味してもいる。風斬はまだ子どもであり、これから多くの学びを得ることだろう。
18 月 アニェーゼ=サンクティス
月は曖昧な幻想のカードだ。
月のカードが示す生き方は、物事の白黒がはっきりせず、輪郭すらおぼろげで、月の満ち欠けのように不安定な者。嘘や秘密を抱え、不安の中で夜空を見上げている。
月も正位置と逆位置で良し悪しが逆転しているカードで、正位置では月明かり越しの曖昧な世界だけが見え不安に陥る。一方、逆位置では夜明けが近づき、幻想が取り払われて目覚めの時を迎える。
アニェーゼは幾重にも幻想に包まれていた人物だ。
かつてのアニェーゼは正しくローマ正教の修道女だった。実行部隊の長として異教徒に内心を隠して接触し、誰も見ていないところで酷薄な態度でオルソラを攻撃した。
しかし、ローマ正教の救いという幻想が取り払われ、使い捨ての駒として扱われるようになると、現実が明らかになり、部隊の仲間を助けるため目覚めの時を迎えた。
アニェーゼの信仰を月が見せた幻想と言い切るつもりはない。彼女は信仰を捨てたわけではないからだ。しかし、ローマ正教上層部のことは確かに月が照らしていたのではないだろうか。
また、アニェーゼ自身偽りを身に纏う人物でもある。初めて会った時、上条は彼女のことを微塵も疑わなかった。目的のためなら異教徒にも笑顔を見せることができるのが彼女の恐ろしさだ。
だからといってアニェーゼが信用に値しない人物であるというわけではない。アニェーゼ部隊を筆頭に彼女は多くの人々と確かな絆で結ばれている。新月の夜は最も星、すなわち希望が明るい。
月のカードが示す人物は幻想に隠されているうちは信用できず、腹の探り合いに終始し、狙いがつかめない不誠実な人物だ。しかし、日が昇ると疑いが晴れ、腹を割って話せる相手になる。
また、月には隠れた恋のライバル、掠め取っていく泥棒という意味がある。上条を狙うヒロインレースにアニェーゼが加わる日も遠くないのかも?
自らでは光ることができず、人の目からは隠れ、不安定に満ち欠けする月は人々に疑念と不安を抱かせる。しかし、同時に月明かりは昼の光には照らされないものを映し出してくれるだろう。
19 太陽 初春飾利
太陽は成功と成長を確約するカードだ。
太陽のカードが示すのは、未来に成果が待っていること。あらゆる生命力の源と言える太陽は生きる力を意味し、生きる力があれば前向きで力強く成功を掴み取ることができる。
もちろん、太陽は沈む。力不足で成果を得られないこともあるだろう。しかし、太陽は再び昇る。太陽が示す失敗はリベンジのきく失敗であり、挑戦を恐れるべきではない。
初春飾利についてはどちらかと言うとミリしら寄りになるだろう。彼女は『とある科学の超電磁砲』の主要キャラクターらしいが、私はまだあの作品を履修できていない。
初春が太陽のカードに相応しい人物なのだとしたら、彼女は大きな成功を収める可能性があり、それだけの実力を備えた人物なのだろう。
成功にも種類がある。初春が風紀委員として成功したいのであれば、治安維持のための次世代ネットワークの確立や、高精度の通報AIの完成などがそれにあたるだろう。
また、沈んだ太陽には体力不足や遠慮を意味する面もある。初春はもっと体を動かして友だちと遊んだほうがいい。
隠し事もなく、充実した日々を全力投球で生きている人。太陽のカードに割り当てられた初春からはそんな印象を受けた。
20 審判 打ち止め
審判は終わりと解放のカードだ。
審判のカードが示すのは、長く続いた何かが終わり、反対にかつて終りを迎えた何かやずっと押し殺してきたものが解放され蘇ることだ。特に、もう終わったと思われていた何かが解放され蘇ることを意味する。
多くの場合、その解放はチャンスだ。そのチャンスを逃さず掴むことができれば、過去に諦めた何かに再び挑戦することができるだろう。一方で、チャンスを逃してしまえばその過去は再び封印されてしまう。
打ち止めは一方通行にとってまさに解放だった。
ウイルスに侵された打ち止めを救うため、一方通行は命がけで演算を行い、結果能力の大半を失った。しかし、打ち止めのために彼はずっと押し殺していた「光の当たるところで生きたい」という気持ちを取り戻したのだ。
しかし、またしても狙われた打ち止めを守るため、一方通行は再び闇へと戻っていく。それでも彼の胸には打ち止めが蘇らせた光が宿ったままだった。
一方通行と打ち止めの関係はまるで審判のカードが回転しているかのように正位置と逆位置を繰り返している。
審判の逆位置にはチャンスを逃す、挫折を味わう、再会が遠のくといった意味がある。
何度もチャンスを逃し、挫折を味わい、再会が遠のいても、それでも打ち止めは一方通行の帰るべき場所であり、守りたい相手である。つまり、何度でも打ち止めは一方通行を解放する。
21 世界 インデックス
世界は結末のカードだ。
世界のカードが示すのは、何かしらの結末。満足のいくものであるかどうかはさておき、今起きている何かに結末が生じる。完成、そして次のステージへの移行が待っている。
目標を成し遂げることができていればその結末は満足のいくものになるだろうが、惨憺たる結末という可能性だってある。どちらにせよ、その結末自体は受け止めねばならない。
インデックスは上条にとっての結末だ。
どんな戦いがあって、どれだけ傷ついて、どれだけの人を救っても、上条はインデックスのところに帰る。そうして初めて、上条は日常に戻ることができるのだ。
ずたぼろに傷つき、自分で立つのもやっとの状態かもしれない。満足に救うことができず、不完全燃焼の状態で帰ってきたかもしれない。それでも、上条はインデックスにただいまを言う。
そして、インデックス自身に関して言えば、ひとつの結末を見て次に進みはじめている人物であると言える。
禁書目録としての呪縛から解放されたインデックスは、ひとりの少女として生きるという結末を得た。これからインデックスは少しずつ次を見据えなくてはならないのだろう。
しかし、その次に進むにあたって、いつかインデックスは上条の記憶についての優しすぎる嘘を知ることになる。インデックスがその結末を乗り越えられるかどうかは、彼女次第だ。
また、世界にはありがたさを忘れて当たり前と化した関係、慢心、限界といった意味がある。居候のインデックスが上条の手伝いを覚えるのが先か、それとも上条がインデックスへの奉仕にやりがいを覚えるのが先か。
世界のカードが示す世界とはエデンの園である。インデックスは上条にとって何よりも幸せな終末であるのかもしれない。
どうやってとあるタロットを使えばいい?
ここまで私は私なりに登場人物と大アルカナの関係を考えてきた。ほとんど感想に近いものだが、もしかするとタロット・リーディングの参考になるかもしれない。
しかし、問題はどうやって使うかだ。
実のところ、タロットカードは「専用の占い道具」として売っているものでなくともよい。確かに伝統的な絵柄には意味があるが、その意味でなければタロットが成立しないということはない。
むしろ重要なのはそのタロットへの思い入れだ。タロットには正解がない。だから、自分でタロットの意味を読み解く必要がある。
その点、とあるファンにとってこのとあるタロットは最高のカードと言っていい。そのキャラクターの解釈を自分なりにぶつければいいのだから。
例を挙げて考えてみよう。
とあるタロットを使って恋愛運を占おうとした。1枚引くだけのシンプルなやり方にしよう。引いたのは逆さの一方通行だった。
基本的に正位置ならポジティブに、逆位置ならネガティブに解釈すればそれでいい。この場合は恋愛において一方通行がやりそうな失敗を考えればいいだろう。
たとえば、結ばれた相手を大事にする方法がわからなくて邪険に扱ったりしないだろうか? 連絡が面倒で放置したりしていないだろうか?
こんな程度でいい。慣れてきたらカードの枚数を増やして過去・現在・未来に当てはめたり、占いたい選択肢それぞれに割り振ったりすれば十分だ。
ひとつ注意点として、正位置・逆位置は読み手にとっての向きなので、誰かに向けて占う場合でも占い師であるあなたにとって正位置か逆位置かを見ればいい。
おわりに&宣伝
めちゃくちゃ頑張って書いた。褒めてほしい。
差し入れも歓迎している。7月から仕事で忙しく、かなり出費が多かったのでほしいものリストから応援してくれると嬉しい。正直今月かなりピンチだったりする。
普段は小説を書いたり宗教・オカルト・歴史をメインに書き物をしたりしているが、仕事が落ち着き次第副業で占い師をやろうと思っている。
そのうち記事にするか日記で書くかするが、昔占いで小遣い稼ぎをしていた時期がある。楽しめて人の役に立てるので好きな活動だった。いい機会なので副業にしてみる。
TwitterのDMからでも、なんならリプライでも気軽に依頼してほしい。本格的に始めるときはちゃんと専用の何かを開設するので楽しみに待っててくれ。