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怪我して病院に行ったらDVを疑われた

これでは疑われても仕方ないか。

意識を失っている間に、一体何が起こったんだろう……。

覚えているのは、先週火曜日の夜10時頃、自宅の石畳パティオで転倒、後ろ頭を打ったこと。そこで、記憶が途切れている。

何度も起きあがろうとするのに、その度にバランスを崩して転び続ける「夢」を見ていたと思ったが、おそらく現実だったのだろう。

翌朝9時頃、夫が血まみれで倒れているわたしを見つけ、救急車を呼んで病院に連れて行ったそうだ。夫は、前日の夜にわたしが庭に出たことを知らず、もう寝たと思い込み、彼も寝てしまったため、発見が遅れたらしい。

病院で頭の切創の処置をしてもらい、服を切ってスキャン等の検査を受けたとのことだけれど、一切記憶になく、意識を取り戻したのは、この日の午後遅くだった。

翌日回診に来た医師に、「何があったか話して」と聞かれ「パティオで滑って何回か転んだみたい」と言ったら、「それでは傷や打撲跡と辻褄が合わない。abuse やassaultを受けてないか?」としつこく聞かれた。

何度か否定するも、身の安全が心配で退院させられない、ということで、Safeguarding teamのスタッフと話す。家庭の状況や、困っていること、夫婦関係、息子との関係などなど。親身になって聞いてくれた。

こういう優しい人に接すると、うっかり、破綻している結婚のことを話してしまいそうになる。が、そこは我慢と演技のしどころで「心配するようなことは、絶対ない。大丈夫」と明るい笑顔で強調。でないと、帰宅させてもらえないし、今後がとても面倒なことになる。

しばらく話して、解放はされたものの、疑いは晴れていないようだった。
「もしもDVを受けているのなら、警察に届出をしないと。Safeguradingチームがサポートするから、連絡して。後日でもいいのよ、必ず連絡してね」と念押しされる。

そして「今日は話が出来て良かったわ。お大事にね」。

ああ、この短い言葉が、心にしみる。
誰かが気にかけてくれている。
優しさ、あたたかさを感じる。

涙が出た。

でも、やっぱり、発見されずに死んでいた方が良かった。


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