入院しなさい、と精神科医に言われた。どうしよう…
もう限界。
そう思いながら、もう少しだけ、もう一度だけ、頑張ってみる。
毎回何とか乗り切った。
そうやって何年も綱渡りを続けてきた。
でも心は確実に壊れていった。
これ以上、誤魔化せない。
誰かに止めて欲しい。
小さい頃から頑張り屋さんの癖が抜けない。
だから苦しくても努力を続けてしまう。
誰かに止めてもらわないと、多分そのうち、錯乱状態で命を絶つだろう。
全てを終わりにしたいのだから、それでいい。
そう思ってはいるものの、積極的に死にたいわけではないし、医者の友達から「自殺は、どんな方法でも、ある程度は痛いよ」と言われると怯む。
何より、最愛の子どもが、どんな思いをするかと考えると、やはり死ねない。
日本語が下手な子どもが、4歳の頃「マミィ、生きて」と言った。死なないで、と言いたかったのだろう。
子どもが13歳の時、「マミィはスイスの自死協会に登録したよ」と言ったら、みるみる目に涙をためた。
上に貼った画像の絵を描いて、わたしにくれた。
悲しませたと思う。
この世で何よりも誰よりも大事な子どもなのに。
こんな母でごめんね。
もう今回は無理だ。
どうしようもない。
だから精神科を受診した。
これまでと同じ、どうせ投薬と、何度かセラピーを受けるように言われるだけだと思った。
それでも、誰かに助けを求めたかった。
カウンセラーによる1時間超のアセスメントの後、1時間半にわたって精神科医と話した。
診察の結果、先生が「今の状態を続けていてはダメだよ。入院して治療を受けるべき」と断言した。「これから受け入れ先を探して、手配する」と言われた。
まず頭に浮かんだのが仕事だった。
昔に比べ、メンタルヘルスに対して企業の理解は進んでいる。とは言え、鬱症状ぐらいならともかく、入院となるとマイナスイメージは拭えないだろう。
これが「腫瘍取るので、入院します」なら、全然違うのに。会社だけでなく、わたし自身が、後ろめたさを感じることなく入院して治療を受けられるのに。
でも原因がメンタルだと、そう思えない。
だから迷う。
入院すべきなのかどうか。
迷うような状態ではないのだろうというのは、何となく分かる。
どうすればいいか分からなくて苦しい。
わたしを、ここまで追い込んだ夫を恨む気持ちが消えない。
あんなに愛していた人を、そんな風に思うようにならざるを得なかったことが悲しい。
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