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2022~23年インフルエンザワクチンどうする?

こども、未来、つなぐ。
愛知県知多市オーシャンキッズクリニック院長の日比です。

当地域でも第7波の猛威は続いております。

夏休みに入り、コロナワクチンを希望するお子様も増えてきました。感染拡大に加え、当初懸念されていたよりも、副反応が軽いことも周知されてきたのかもしれません。

さて、今日はインフルエンザについてです。ちょっと早いと思われますが、医療機関では夏ごろから準備が始まります。数が多いので、特別な対応が必要になり、コロナワクチンも並行して行うので、大変です。

さて、当院では、2年連続インフルエンザの患者さんはゼロでした。今年は、インフルエンザワクチン不要かなあと思っていた矢先の記事です。

1.南半球の今年のインフルエンザの動向

南半球のオーストラリアではインフルエンザ急増、6月には東京でインフルエンザで学級閉鎖がありました。ブラジルでも一時期、インフルエンザの死者が急増するニュースがありました。

人の動きが活発化しているので、ある程度予測されたことと思います。海外からの流入が今後増えるため、今年は去年のようにインフルエンザ患者ゼロという訳にはいかないかもしれません。これを踏まえて、感染症・ワクチンの主要学会が公式の見解を発表しています。

2.日本感染症学会の見解

1.2022-2023年シーズンは、インフルエンザ流行の可能性が大きい。
2.A香港型の流行が予想される。
3.今季もインフルエンザワクチン接種を推奨する。

記事によると、南半球のオーストラリアで流行したインフルエンザの80%が、A香港型だったようです。オーストラリアでは、多くの州で全員にインフルエンザの無料接種に踏み切ったようです。

ご存知のように、インフルエンザワクチンは完全に発症を予防できるものではありません。しかし、新型コロナウイルスの収束も予測できない今年の冬にインフルエンザ流行も重なると、高齢者や乳幼児の入院率の増加が懸念されます。インフルエンザワクチンにより重症化防止効果は期待できます。

特に、65歳以上の方、5歳未満のお子さん、心臓や肺の基礎疾患のある方、、悪性腫瘍治療中の方、高度肥満の方、学校や職場で人と関わる方などに接種が推奨されています。

3.日本ワクチン学会の見解

感染症対策と医療体制の維持のため、今シーズンのインフルエンザワクチン接種については、生後6か月以上の方全てにおいて、強く推奨するとの見解です。特に接種を推奨する方は、以下のとおりです。

1.65歳以上の方、60-64歳でも心臓や呼吸器に基礎疾患のある方
2.医療従事者・エッセンシャルワーカー
3.インフルエンザ合併症の高リスクの方:生後6か月~5歳未満、妊婦、神経疾患のあるお子さん、その他基礎疾患を有する方

小児が強調されているのは、今年のオーストラリアの報告において、5~19歳と、5歳未満の層において高い発症率が報告されたからです。

ワクチンの有効性や安全性についても記載がありますので、詳細は以下をご参照ください。

http://www.jsvac.jp/pdfs/JSVAC_2022-23flu.pdf

4.日本小児科学会の見解

この記事を作成した時点(2022年8月18日)では、今冬のインフルエンザワクチンに対する公式見解はでていません。しかし、新型コロナワクチンの小児への接種を、「意義がある」という表現から、「推奨します」という表現に変更しました。ワクチンの安全性が確認されてきたことと、オミクロン株の小児への流行、2歳未満や基礎疾患を有する小児の重症化リスクが報告されるようになってきたからです。2歳未満には現在新型コロナワクチン接種の適応はなく、接種可能な周囲の方がご自身に接種して守るしかありません。

5.まとめ

当院では、2年間ほどインフルエンザの発症が無かったので、今年はインフルエンザワクチンは積極的にやらないつもりでしたが、どうやらそうもいかないようです。ポリオや日本脳炎の気になる記事も散見されており、今後は様々な面からの予防が大事になります。当院でもワクチンの接種体制をしっかりしていきたいと思います。


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