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五感を研ぎ澄まされる森

先日、奄美大島にある金作原(きんさくばる)原生林というところに行ってきた。ここは映画のゴジラの舞台になったところらしい。原始時代を思わせる森で、太古を感じるだけでなく田中一村の世界に入り込んだような森だ。

その象徴のヒカゲヘゴは平均5~6mまで成長し最大15mまで伸びるが、この植物は木の仲間ではなく草の仲間だというから驚きだ。ヘゴ科のシダ植物で日本では奄美大島以南で見られ、台湾、中国福建省、フィリピンなどに生息している。ここにいるとまるでジュラシックパークの世界に紛れ込んだのではないかと錯覚に陥りそうだ。

その他、リュウビンダイ、ヒリュウシダ、クワズイモなどが生息している。関東のほうではあまり見られない植物ばかり。

金作原を案内してくれるガイドさんに一所懸命ついていき、ルリカケスという天然記念物の鳥の鳴き声がしないかどうか耳を研ぎ澄ませて原生林の中を歩いていく。色々な鳥などの鳴き声が聞こえてくるのだけど、彼らはなかなか姿を表せてくれない。見つけたとしてもすぐに飛び立っていってしまう。野生とはそんなものだけど。

その代わりイモリの仲間に出会えた。

そして「千と千尋の神隠し」の中に出てきた「釜爺(かまじい)」のモデルになったというザトウムシにも。不思議な生きものがいっぱいいる。

そういえば、奄美大島というのは神秘的なところだと感じた。今回使用した観光ガイドさんの話によると、奄美大島ではイジュという白く甘い香りのする花が咲き始めると梅雨が始まり、羽蟻が大量に飛ぶと梅雨が明けると言われる。自然と共に人々が暮らしているようだ。

この島は人を惹き付ける魅力が満載。またふらりと行こうと思う今日この頃である。

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