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【整形外科専門医が解説】上肢痛について

上肢

腕は医学用語で上肢と呼びます。

上肢とは肩から指先までを含み、

肩から肘までを上腕、肘から手首までを前腕、手首から指先までを手・手指と呼びます。

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それでは、上肢それぞれの部位に起こる疾患についてご紹介していきます。

上肢全体の痛み

代表疾患として頚肩腕症候群、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群などがあります。

上肢全体の痛みの場合は神経由来の症状のことが多く、
ジンジン・ビリビリするしびれたような痛みが出現します。

しびれるだけなら経過観察となることが多いですが、
上肢の麻痺が出現する場合は手術を要することもあるため注意が必要です。

肩関節の痛み

代表疾患として五十肩、肩腱板断裂、石灰性腱炎、肩関節脱臼、骨折などがあります。

肩関節の痛みの場合、
症状が軽いうちは上肢を動かしたときだけ痛む(運動時痛)ことが多いですが、
症状が進行するとじっとしていても痛みが出現したり(安静時痛)、
夜に眠れなくなる程痛みが強くなったりします。

特に、夜になると痛みが増強することを夜間痛と呼び、
肩関節疾患に特徴的です。

肩関節の痛みに対してはストレッチなどの運動療法が効果的ですが、
痛みが持続する場合は手術を要することもあります。

肘関節の痛み

代表疾患としてはテニス肘、ゴルフ肘、野球肘、変形性肘関節症、肘内障、骨折などがあります。

スポーツの名前がついている疾患が多いですが、
その名を冠するスポーツ愛好者に多い疾患です。

しかし、テニス肘はテニスをしていなくても発症しやすいと言われています。

肘内障は幼児に多い肘関節の痛みを起こす疾患です。
お父さん、お母さんがお子さんの手を引っ張ったときに痛みを訴え、
腕を動かせなくなって受診されることが多いです。
(整形外科を受診して頂くと一瞬で治すことができます。)

肘関節の痛みに対しても運動療法が効果的であり、
手術を要することは少ないですが一部疾患や骨折の場合は手術を要することもあります。

手関節の痛み

手関節(手首)は骨、靭帯、腱が大部分を占めています。

骨、靭帯由来の痛みとしては、
変形性手関節症、捻挫・骨折、キーンベック病などがあります。

腱由来の痛みとしては、
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)、ガングリオンなどがあります。

いずれも手をよく使う職業の方に多いです。

手首の痛みに対してもストレッチなどの運動療法が効果的ですが、
一部疾患や骨折の場合は手術を要することもあります。

手・手指の痛み

代表疾患としては、ばね指、母指CM関節症、ヘバーデン結節、ブシャール結節、腱損傷、手根管症候群、骨折などがあります。

手関節の痛みと同様ですが、
手をよく使う職業の方に多いです。

手根管症候群などの神経障害の場合は指先のしびれも伴います。

やはり手指の痛みに対してもストレッチなどの運動療法が効果的ですが、
一部疾患や骨折の場合は手術を要することもあります。


※上肢痛を来す疾患についてマガジン「上肢痛」にまとめていきます。

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