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東京マラソン2023

久しぶりに走ったフルマラソン。約3年振り、たぶん記念すべき10回目のフルマラソンで、結果は2時間28分58秒と驚くほど良かったが、今回は狙いに行けたレースではなかった。最初から狙わないと決めていた訳ではなかったので、そう判断した経緯についてと、レースの考察をしてみた。

当日までの流れ

狙いに行かなかった理由は年明けから東京までの間、練習が上手く積めなかったから。正月明けの練習再開からシンスプリントの痛みが再発し、練習できないまではいかないが前半は練習量を少なくせざるを得なかった。少ない練習でフルマラソンが上手く走れるとは思えず、完全に合わせに行く計画にはしないとして練習し、当日は一応しっかり走ろうということで今回のレースを迎えた。

考察

そんな中で走ったマラソンにも関わらず上手くいった要因は複数あると思うので、それぞれ振返って考察していきたい。大きな要因と思ったのは下の5つで、重要度が高いと思ったものから並べている。他にもフルマラソンの競技特性が噛み合っていた点などもあると思うが、話がばらけ過ぎるので割愛。最初に1番を、以降は重要度が低いと思った方から一つずつ詳細に。

  1. 大きな故障の回避

  2. 練習量の増加

  3. 5000mの記録向上

  4. 過度な調整の緩和

  5. リラックスした心理状態

大きな故障の回避

重要云々というよりは前提に近い。中長距離はトレーニングの継続がとにかく大事で、故障しないことより重要なものが存在しないと思う。これ以外の事は将来考えが変わるかもしれないが、故障をしない点が最重要であるという考えは今後も揺らがない気がする。自分自身も練習再開時にシンスプリントで痛めてしまってはいるが、初期症状のうちに一歩引いて練習量を落としたり、休養を多めに入れたりすることで復調を優先した。結果として数ヶ月以上の離脱期間を生じずに練習を継続でき、良い状態でスタートラインに立てことは良かった。

リラックスした心理状態

前述した通り狙わずに走った今回のレース。気負いがないことで入りのペースが遅くても焦ることはなく、終始リラックスして走ることができた。
42.195km・2時間以上という長いレース、とてもではないけれど頑張り続けて最後まで待つものではないので、前半〜中盤で力を使わない走りをできるのは大きなメリットだと思う。
少し前までは心理的にリラックスできることが狙わないレースでの好記録の主要因だと思っていたが、あまりにも再現性が高いので心理面だけでは説明がつかない気がする。今では主要因ではないと考え始めたことが考察を真面目にすることにしたきっかけでもある。

過度な調整の緩和

レースに向けての調整は身体の状態をフレッシュにするために練習量を落とすことが基本だと思っていた。つまり練習量を少なくすると調子が良くなるものだと思い込んでいた。(参考:フィットネス-疲労理論)そんな固定観念があった中で見たのがごせんさんのこのツイート

衝撃的で、かつ図星だと思った。そもそも月に200〜350kmしか走らない選手が大幅に練習量を減らすと必要最低限のトレーニング刺激が確保できなくなってしまう。有酸素系の能力は短期では落ちないが、筋力はあっという間に短期で落ち、着地耐性が弱くなるデメリットが大きの気がする。今回のマラソンとその前の練習では、あくまで春夏に向けた練習という側面もあり、ほとんど練習量を落とさなかった。さすがに直前1週間は少し減らしたが、理由は42km走る分を差し引いてオーバートレーニングを避けるためであり、1週間の距離は維持するようにした。来シーズン以降も練習を減らし過ぎない調整を試してみたい。そのためにも疲労を溜め込まない練習を心掛けたい。

5000mの記録向上

今回のマラソンでは5kmあたり
18:37,17:40,17:26,17:36,17:20,17:33,17:41,17:34
というラップで走った。スタートは抑えてゆっくり入り、快適な範囲を超えないようにしながらペースを徐々に上げて、丁度良い所まで上がってからは感覚を保つようにしてレースを進めた。10km以降は約3:30/kmで走っていたことになるが、改めて思い返すとこのペースがとても楽だった。ここ数年はトラック種目、特に5000mをメインにして競技をしていた。スタミナだけでなくスピードも必要な5000mに向けたトレーニングを行う中で、長距離で使えるペースが押し上げられて、結果的にマラソンの平均ペース向上に繋がったと思う。

練習量の増加

シンプルに走る距離を伸ばした。内訳としては主にジョグの量を増やして、1〜2週に1回はロングジョグも入れるようにした。反対にポイント練習は頻度も内容もそこまで変えていないし、なんなら頻度は基本週1で少なくなったかもしれない。増やし始めたのは3年程前の2020年初めごろからで、東京マラソンまでの足づくりからだった。結局東京マラソンは規模縮小で走れず、この後はコロナ禍でさらにほとんどの大会が中止となっていくが、この辺りは自分にとっての転機だったと思う。正直同じ練習を続けていても速くならない感覚と焦燥感がこの時期にはあり、同時期にアーサー・リディアードを知って、避けていた距離を伸ばすことを取り入れた。大会がほとんどなくなったおかげでスピード練習や調整が不要になり、一時的に遅くなっても問題ないことが後押しになった。練習量=速さと言えるほど簡単な図式ではないが、距離を踏んだ方が速くなるのが簡単になるというものな気がする。

まとめ

結果への影響度の順番は上の通りだが、いままでと意図的に変えたことという点でも調整方法が大きい発見。今後のレースでも違うパターンを試してみたい。

振返りの振返り

せっかくだから考察をしてみよう!と思って最初に感じたことは、成功レースの振返りが難しいということだった。今まで、文章に残さないまでも振返りをしていた失敗レースは思えば簡単な方で、失敗した点という材料がある。成功時は考え始めるきっかけが少なく、何が良かったかが山ほどあるので大変だった。文章にちゃんとまとめたのも初めてで、拙い文になってしまったが回数を積み重ねて練習したい。


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