見出し画像

銀河七都市物語 遥かなる文明の光芒

ポエム
「影の耳が聴いた、光の指が奏でた」

影が光を追いかけるように
世界は舞台となり、
昼が夜へと移り変わる。
けれど音楽は決して消えない。

夜、君が私に触れるとき
街の輪郭が揺らぎ、
夏が空を満たす。
その瞬間、君は静かに向き直り、
ただひと言—— 大丈夫

直感が脈打ち、
感応が溶け合い、
触れ合いは境界を越え、
溶け込み、融合し、歓喜が充満する。

そして世界はまた生まれる。
音楽のように、
光のように、
夜が明けるように。

music:Seven Cities
by Solar Stoneの意訳詩

https://youtu.be/rB9SaTnh41M?si=bdpXI4ZHcSX2SkH8

そしてR・ダニール・オリヴォーの
銀河七大都市の物語は、そのまま人類中興の歴史となり、そしてボー・アルーリンは彼を慰労し、R・ミーターがその偉業を完成させる。
我ら人間は彼らより2万年以前に、ただ未来を夢想するだけで自己の生涯を過ごすだけでよしとするのか?

  1. 惑星リンゲイン、ヴァストール(Vastor)市 – 知識と学問の殿堂

  2. 惑星サーク、タンドリス(Tandris) 市– 芸術と文化の極地

  3. 惑星マッダー・ロス、エルドレーン(Eldraen)市 – 伝統と革新の融合

  4. 惑星リナス、オルヴェンシア(Orvencia)市 – 探索者たちの故郷

  5. 惑星トリリナス(Trilinas)、トランター市 – 商業と金融の帝都

  6. 惑星サンタンニ(Santanni)、ゼンフォラ市 – 革命と理想の揺籃

  7. 惑星ターミナス(Terminus) 、モーヴ市– 新たなる銀河の礎

そして、地球(Terra)――はるか彼方の記憶の星。
かつてすべてが始まり、幾度もの輪廻を経て、
新たな銀河史の幕開けを告げる場となる。

第一幕:ヴァストール──知の絶頂、静寂の廃墟

遥かなる昔、ヴァストールは銀河の叡智の頂点にあった。
大理石の塔に囲まれた広大な図書館、
心理歴史学者が未来を計算し、
数学者が宇宙の法則を紡ぐ。

哲学者たちは「真理とは何か」と論じ、
数百万の学徒が論文を手に議論を交わす。

だが、その知識は次第に閉鎖的になり、
学問の徒たちは知の独占を始める。
真理をめぐる抗争は血を呼び、
知恵の殿堂は廃墟と化した。

白き塔は崩れ、記録は塵と化し、
銀河に輝いた知の星は、静寂の中に沈んでいった。

第二幕:タンドリス──美と夢幻の楽園

ここは銀河随一の美を誇る都市。
黄金の尖塔が天を衝き、
芸術家たちが自由に筆を走らせ、
音楽は大気を震わせた。

舞踏は空を舞い、詩人は星々に言葉を投げる。
「美こそが宇宙の意味」と叫びながら、
タンドリスの人々は永遠の歓喜に酔いしれた。

だが、やがて文化は自己満足に溺れ、
快楽の果てに衰退が訪れる。
美は贅沢へと変わり、創造は模倣に成り果て、
人々は自らの手で滅びの調べを奏でた。

芸術の都は、静かな廃墟となり、
風に吹かれて、彫刻たちだけが沈黙を守っていた。

第三幕:エルドレーン──伝統と革新の狭間

千年の祈りが響く惑星、エルドレーン。
修道士たちは宇宙の法則を詩に綴り、
聖なる書に未来を記録する。

だが、改革者たちは新たな時代を求め、
「進歩か、伝統か」
二つの思想は激しくぶつかり合い、
戦火が聖域を焼き尽くす。

最古の図書館が燃え落ちる夜、
改革派の旗が掲げられた。
だが、それは新たな夜明けではなく、
長き混乱の序章にすぎなかった。

第四幕:オルヴェンシア──航路を切り拓く者たち

辺境の星、オルヴェンシア。
この惑星の人々は未知の領域に憧れ、
果てなき銀河の彼方を目指した。

彼らは星間航路を切り開き、
数千の新天地を発見し、
銀河帝国の基礎を築いた。

だが、彼らの進取の気風は、
帝国の硬直した支配と衝突し、
やがて独立戦争の嵐が吹き荒れた。

最後の船が銀河の闇へ消えたとき、
オルヴェンシアの輝きもまた、過去のものとなった。

第五幕:トリリナス──銀河商業の夢と幻

銀河の交差点、トリリナス。
交易がすべてを支配し、
富が流れ、文化が混ざり合う。

商人たちは星々を駆け巡り、
銀行家たちは帝国の財政を握り、
技術者たちは新たな発明を生み出した。

だが、貪欲が都市を蝕み、
金融のバブルが弾けるとともに、
街は静かに沈んでいった。

市場に響いた商談の声は消え、
ただ風だけが、かつての栄華を語っていた。

第六幕:サンタンニ──革命と再生の炎

革命の星、サンタンニ。
ここでは政治の嵐が吹き荒れ、
王朝は倒れ、独裁者が生まれ、
再び民主の炎が灯される。

一つの政権が崩れれば、
新たな指導者が現れる。

混乱と変革の狭間で、
人々は何を求め、
何を捨てたのか。

だが、千年の時を超え、
この惑星は銀河の再統合の舞台となる。
新たなファウンデーションが築かれるとき、
サンタンニは、銀河の未来を導く存在となる。

第七幕:ターミナス──銀河文明の黎明

辺境の星、ターミナス。
帝国の落日の中で、新たな光が生まれた。

科学と心理歴史学、
ロボットと人類の融合、
銀河の未来を見据えた新たな文明の建設。

かつて彷徨える人々が立てた「涙の黒い太陽」のモニュメント。
それは失われた過去への鎮魂であり、
来るべき未来への誓いだった。

ターミナスはもはや辺境ではない。
ここから、銀河の新たな歴史が始まる。

終幕:そして、地球へ──

銀河の片隅に眠る、青き星、地球。
失われた記憶の中で、
彼方より帰還する者たちを待ち続ける。

かつてここから始まったすべての物語が、
いま、再び巡り始める。

静かなる大地に、
新たな時代の鐘が響く日を夢見て――。

以下のフォトはヴァストール市の光景のみといたします。

楽曲はラフマニノフ協奏曲第2番第3楽章
https://youtu.be/pfzGRvZhYJg?si=6D8ySyFMYOW6YyJN

いいなと思ったら応援しよう!