地球放射能汚染計画

第16話 地球放射能汚染計画

galaxy20,000yearslaterseries
第２弾
『ミーターの大冒険』

第六部　地球へ

第16話　地球放射能汚染計画
エピソード　１５８

あらすじ

ファウンデーション暦492年、ミーターとイルミナを載せた宇宙船ファー・スター2世号は、メルポメニアからアルファへと到達した。メルポメニアの図書館で得た膨大な古文書を解析する中で、地球とその人類の歴史に刻まれた恐るべき事実に触れたミーターは、アルファでさらなる情報を得る決意をする。

図書館から発見された古文書には、地球の歴史的事件、ニフの起源、そして核戦争の爪痕が記されていた。その中で、「スペーサーとアルファ」と題された書物に目を通したミーターは、イルミナにその内容を確認させる。

イルミナは、ニフという土地がかつて地球上に存在していたこと、そしてその住民たちが放射能汚染という厳しい環境の中で生き抜き、最終的には地球を手放さざるを得なかったことを語った。そして、彼らの一部はアルファへと移住し、他の一部は銀河全体に散り、シンナックス人として新たな歴史を紡いでいったという。

ミーターは興奮を隠せず、イルミナに問いかけた。

本文

「イルミナ、その『究極の歴史的事件』というのは何なんだ？」ミーターは手元の資料を指差しながら尋ねた。

イルミナは冷静に答えた。「それが、オーロラで繰り広げられた事件です。それが天の川銀河の歴史を決定的に変えたのです。」

「そんな大事件が本当にあったのか？」ミーターは眉をひそめる。

「ありました。そしてジスカルドが関与していたのです。」

「ジスカルド . . .なるほど。あのジスカルドか。」

「その通りです。そしてダニール・オリヴォー、不死の従僕として知られるロボット。そして地球人の警察官、イライジャ・ベイリーや、ハン・ファストルフ博士も絡んでいます。」

ミーターは驚きの声をあげた。「なんてことだ！まさに注目のオールキャストじゃないか！」

イルミナは続けた。「ミーターさん、私たちがこれまで追ってきた歴史的収束点の謎が、ここでついに明らかになったのです。それがアマディロとマンダマスによる『地球放射能汚染計画』です。」

「なんだって！？」ミーターは勢いよく立ち上がった。「その計画とは一体何なんだ？」

「地球の放射能汚染を引き起こし、地球人類を他の惑星に追いやる計画です。それが実現し、地球は放射能に覆われた不毛の地となりました。」

「ジスカルドやダニールはその計画を防げなかったのか？」

「いいえ、防ごうとはしませんでした。」

ミーターの表情が一変した。「それじゃ、彼らは英雄どころか、地球の破壊者じゃないか！」

「そう見えるかもしれませんが、真実はもっと複雑です。この本によれば、ジスカルドたちは『より大きな善』のために動いていたのです。」

ミーターは深く息を吸い込み、静かに言った。「その経緯を聞かせてくれ。辛い気持ちで聞くが、どうしても知りたい。」

イルミナは頷き、語り始めた。

次話につづく...