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ターミナスが占領された!

ターミナスが占領された!

2万年後の銀河シリーズ


第1弾
ファウンデーションの夢
第六部

ベイタ・ダレル


第九話 「ターミナスが占領された!」


あらすじ

死んだと思われていたオナム・バーの娘、ジータ・マネレラ・バーは生きていた。彼女は故郷シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き、さらにトランターからパルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーも連れてきた。ウォンダはパルヴァー家の初の女の子であり、ベリスはペンダントの一つを彼女に渡す。これは第2ファウンデーションの動きが近づいている予感を抱かせた。

ジータ・ベリス・マロウの娘、ロアには聡明な娘ベイタがいた。ベイタとミュールの物語は、ファウンデーション設立から300年後に始まる。

Episode:42


ターミナスの首都モーヴ市は、いつもより重苦しい空気に包まれていた。街の広場に集う人々はざわめきながら、正午にハリ・セルダンが時間霊廟に現れるのを待っていた。

ベイタ・マロウは、両親が住むガール・ドーニックの農園から戻り、広場でランデュ叔父を見つけた。

「ランデュ叔父さん、いらしてたのね。もうすぐ正午、時間霊廟にセルダンが現れるわ」とベイタが言った。

ランデュは険しい表情をしていた。「ああ、君たちも来たのか。それはいい。だが、インドバーのやつが俺たち独立貿易協議会の申し出を断った。ミュールはホルレッゴールでたった三艘の船で、ファウンデーションの二十艘を降伏させたんだ。何かおかしいんだ!」

トラン・ダレルが現れ、ベイタの隣に立った。「叔父さん、道化師のような人と大尉、それに禿げた老人が一緒に来たんだ」

「そう、この方はエブリング・ミス博士。そして、道化師の方はカルガンで拾った人だ。エブリング博士が、彼のヴィジフォン演奏が素晴らしいと推薦してくれたので、時間霊廟で演奏することになった」とトランが説明する。

ベイタはランデュに耳打ちした。「叔父さん、始まるわ!」

その瞬間、時間霊廟の中にハリ・セルダンが現れ、かつての偉大な心理歴史学者が語り始めた。「諸君。私はセルダン。当面の危険はない。ただし、二つの例外を除いて。周辺グループの離反による内乱と、成功を勝ち取り過ぎたために、あなたたちの政府が保守的になっている。その権威主義的態度には問題がある...」

ベイタは息を呑んだ。「叔父さん、周辺グループって、叔父さんたちの独立貿易世界のこと?」

ランデュはため息をついた。「認める、でも、ミュールが現れた今、状況は変わった」

ベイタは、エブリング・ミスの方を見て、小声で言った。「先生、セルダンはわざと間違った情報を流していると思いませんか?」

その時、突如としてサイレンが鳴り響いた。「みんな、空を見て!ミュールの攻撃よ!」

ランデュは険しい表情を浮かべ、ベイタに告げた。「ターミナスはもう占領されたも同然だ。しかし、ファウンデーションは俺たちが守る。独立貿易軍はまだ残っているんだ!」

その瞬間、ターミナスがミュールによって占領された事実が、広場に集まった全員に押し寄せるように理解されていった。ファウンデーションの運命は、新たな展開を迎えようとしていた。

次話につづく . . .

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