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プロクシマ・ケンタウリ(新しい地球)

プロクシマ・ケンタウリ(新しい地球)

galaxy20,000yearslaterseries

第2弾 ミーターの大冒険
第七部 地球へ

第11話 プロクシマ・ケンタウリ(新しい地球)
エピソード 153

ファウンデーション暦492年、ミーター・マロウは静かに眠っていた。彼の周りには、ファー・スター2世号の制御室のメカニカルな音が響き渡り、やがてイルミナの声が耳に入る。

「ミーター、起きて。もうすぐ目的地に着くわ。」

ミーターは目を覚まし、視界を整えた。彼は再び宇宙を旅する準備が整っていた。前回の旅では大破したファー・スター2世号の修理がなされ、再出発の日を迎えた。彼は次の探索の開始を待ち望んでいた。

「シンナ星が見えてきた」とイルミナが告げる。「次の目的地に向けて出発するわよ。」

彼らの冒険は、数年前のベテルギウスの超新星爆発によって大きく揺れ動いていた。ミーターはその時の出来事を思い出し、改めてイルミナに話しかけた。

「この星は苔で覆われている。なぜこんなに有毒なのか、図書館で調べてみたんだ。」

イルミナは興味を示し、話を続けさせる。「それで、何がわかったの?」

「この苔は、自然界には存在しない人工の生物なんだ。実験室で作られた細菌兵器で、特定の星を撲滅するために設計された。」

イルミナの目が大きく見開かれる。「その破滅させようとした相手の星は?」

「地球から見て、全天で三番目に明るい星、アルファ・ケンタウリだ。そこにあるプロクシマ・ケンタウリを回る惑星の一つが、居住可能な星なんだ。」ミーターは自信を持って続けた。「その星は、別名『新しい地球』と呼ばれている。」

イルミナは興味津々に聞き返した。「へえ、地球に最も近い系外惑星ってことね。そして『新しい地球』?」

「そうだ。おかしいだろう?」ミーターは言った。

「確かに、銀河の反対側の端にあるターミナスだったら、言い訳もできるけれど。」

ミーターは再び説明を始めた。「地球から最初に出ていったスペーサーたちは、後に五十の星に展開する前哨基地としてプロクシマ・ケンタウリのその惑星に住み始めた。しかし、その当時
の環境は過酷で、人間が住むには不適切だった。そのため、彼らはより居住可能な星々へと移住していったんだ。」

イルミナは感心しつつも、思いを巡らせていた。「そして、その後に来た第二派のセッツラーたちはどうなったの?」

「環境が脆弱だったため、彼らもまたコンポレロンのような遠い星々へ移住した。最終的に地球が放射能で生存不可能になった後、主にニフ人がアルファに移住し、彼らの科学技術で水の惑星へと造り変えたんだ。」

イルミナはミーターの話を聞きながら、興味深い点に目を向けた。「そのアルファ人たちは、他のセッツラーとは違うのね。」

「そうだ。彼らは小さな島に少人数で暮らし、天候を操り、母系社会を形成している。主に女性たちが海の底に潜って、さまざまな魚介類を採るという独特の生業を持っている。」

イルミナは思わず笑った。「私がターミナスの女性として恥ずかしいわ。」

「今は大事な話をしているんだ。」ミーターは真剣な表情で言った。

イルミナは一瞬驚いたが、すぐに自分の発言を反省した。「ごめんなさい、続けて。」

「さて、ここメルポメニアが、そのアルファ星と関係があるんだ。」

イルミナは驚いた。「それがどういう意味なのか、もっと詳しく教えて。」

ミーターは次の航路を考えながら言葉を続けた。「この探検が進む中で、私たちは新しい真実を見つけ出すかもしれない。そして、過去の出来事が未来にどのような影響を及ぼすのかを理解する必要がある。」

彼らは新しい地球の謎に迫り、宇宙の奥深くへと旅を続ける決意を固めたのだった。

次話につづく . . .

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