紫の夜を越えて
2万年後の銀河 シリーズ
第二弾
ミーターの大冒険
第四部
コンポレロン
第1話
エピソード 111
ミーターは銀河の彼方、ターミナスから旅立った。彼の目的地は、伝説の惑星オーロラ。だが、そこに辿り着くルートはどこにも記されていなかった。だからこそ彼は、禁断の天体オーロラに向かう手がかりを得るため、コンポレロンという惑星へ進路を取ることに決めた。
ファー・スター2世号の操縦席に座るミーターの傍らには、「イルミナ」と名乗る存在がいた。彼女は「銀河帝国辞書編纂図書館」のバーチャル・コントロールであり、常に冷静な声でミーターと会話を交わしていた。船は順調に加速を上げ、彼らの旅は続いていた。
「グレディアのことを覚えているか?」ミーターは、ふと思い出したように言った。
「もちろん、覚えていますとも。ラヴェンダー畑、別名『別紫蘇』ですね。ターミナスの誇りの象徴です。」イルミナは即座に応えた。
「その別紫蘇が、どうやってターミナスに移植されたか知っているか?」ミーターは問いかけた。
「ええ、ベリスさんがジンジャーの花を髪に挿し、『黒い涙の太陽』の像に会いに行ったんですよね。」イルミナは詳しい。
ミーターは頷いた。「そうだ。そしてそれが、トランター帝国にターミナスを発見させ、認可させるきっかけになったかもしれない。」
イルミナは考え込んだ。「それほど前から、ニフ人たちはターミナスの重要性を理解していたんですね。そしてその後、彼らは故郷に帰っていった。」
ミーターは微笑んだ。「いや、違う。彼らの目論見はその逆だ。ターミナスが銀河の最果てにあることから、彼らはその場所に記念像を立てたかったんだろう。そして、その後も冒険を続けて、外宇宙へと旅立っていったんだ。」
「たしかに、その像は次の日には消えていましたね。」イルミナは思い出すように言った。
「話を戻すと、驚くべきことがある。」ミーターは声を低くして続けた。「ピレンヌの像が『辞典広場』に建っている。その隣は、広大なドーニック公園の敷地だ。」
「ということは……」イルミナは目を見開いた。「ガールがウォンダから頼まれたペンダントをベリスに渡した場所が、あとでピレンヌの像が建った地点だと?」
「その通りだ。そして、アルーリンの職務室がどこだったか、推測できるか?」
「まさか……ピレンヌの像の下?」
「見事だ、イルミナ。」ミーターは満足げに頷いた。「ここまでくれば、なぜお前がこの大探索と銀河復興に選ばれたのかが分かるだろう。トランターの中心部と呼応している極素輻射体の照射装置――それが、お前の役割だ。」
そして彼は窓の外に目をやった。「もうそろそろ、このファー・スター2世号は、コンポレロン星域に到着する頃だな。」
「紫色の夜を超えて……」イルミナは、ふと詩的な響きでその言葉を繰り返した。
彼らの冒険は、まだ始まったばかりだった。
次話につづく...
曲紹介
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