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【弁護士事務所での働き方】~『白い巨塔』の裁判シーンを観て思い出した2つのこと/書面作成での注意点、控訴の段取り
私がパラリーガル(法律事務職員)になりたいと思ったのは、大学生の頃でした。
大学卒業時にも就職活動をしましたが、私の能力不足でまったく採用されなかったので、一旦、別の仕事をしながら、再チャレンジできる機会をうかがっていました。
無事、24才で最初のA法律事務所に採用され、以後、約20年間、計3つの事務所に勤めました。
その間、パラリーガル・法律事務職員として心がけていたことをご紹介します。
2024.11月、フジテレビのドラマ『白い巨塔』(本放送03.10月~04.3月)が再放送されました。
放送期間が長くて、通常の倍の半年間ありました。2クールってやつですね。話数も21話。山崎豊子さん原作の作品は、綿密な取材に基づく重厚さがあり、ドラマ化するなら2クールくらいやってほしいなといつも思っています。
このドラマは、前半の3か月は、主人公の財前五郎(唐沢寿明)が浪速大学の教授選を勝ち抜き、外科医として海外での評価も高まる絶頂期で終わります。
そして、後半の3か月で、患者の診察を軽んじたがゆえに遺族から裁判を起こされ、1審では財前(および国)が勝訴、2審で逆転敗訴となったタイミングで財前にがんが発覚し、死に至るのです。
がん専門医が自らがんで死す。自分の意思で入り込んだ大学病院という魑魅魍魎の世界にからめとられ、最後は足を掬われ、白い巨塔の頂上近くから一気に転げ落ちることになってしまうストーリーを緻密に構成した山崎豊子さんに頭が下がる思いです。
後半の裁判の展開は、元パラリーガルとしてもより熱心に観てしまいました。本放送時はまだ法律事務所に就職していなかったので、あらためて観ると、より自分に密接なものとして感じられたのは幸いです。
前置きが長くなりましたが……裁判シーンの実務的な部分の中から2つをご紹介します。
1.弁護士およびパラリーガルが書面を作成するにあたって注意すべき点
教授選や海外での講演などで忙しかった財前は、肺がんの手術を控えた患者に対し、事前説明や術後のケアを若手の医師に丸投げしました。結果、患者の容態が急変し、死亡します。
財前の対応に不信感を抱いていた遺族(かたせ梨乃、中村俊太)は裁判を起こすことにしました。
依頼を受けた関口弁護士(上川隆也)は、手始めに浪速大学病院に対し、カルテの開示を請求することにしました。
裁判所へ保全命令申立を行い、裁判所職員とともに病院へ乗り込みます。
病院側の、財前の子飼いの部下である医師が保全作業に立ち会う中、関口弁護士は作業を始めますが、あることに気がつきます。
病院側が用意したカルテ以外のもの、つまり、レントゲンが用意されていなかったのです。
がんの手術をする患者のレントゲンを撮らないはずはありません。では、なぜ病院側は用意しなかったのでしょうか。それは……
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