雲南市獣害対策実証実験の報告会を開催しました!
昨年12月8日(金)にプレスリリースをさせていただきましたとおり、昨年5月に、総務省が行う「令和5年度地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)」のひとつとして、島根県雲南市と、アイテック阪急阪神株式会社、株式会社GAUSS、サイレックス・テクノロジー株式会社及びNPO法人おっちラボが共同して行う、「Wi-Fi HaLowとカメラ画像を活用した獣害被害削減の実現」が採択され、三刀屋町飯石地区において約1か月間に渡る実証実験をさせていただきました。
(参考)アイテック阪急阪神株式会社様によるプレスリリースhttps://itec.hankyu-hanshin.co.jp/news/docs/20231208.pdf
この度、ひとまずの実証実験期間の終了に伴い、飯石地区の住民の皆さまを対象に、実証実験の概要と途中経過に関する報告会を、去る1月30日(月)に粟谷生活改善センターで開催しました。
今回の実証実験では、飯石地区内の粟谷集落に4箇所、カメラを設置し、遠隔監視によりした画像を転送することで、「檻の状況」と「カメラに映った害獣の種類と出没時間」がウェブサイト上の画像で確認できる仕組みを構築しました。システムの構築に際しては、最新の通信技術と最新のAI技術を採り入れ、AIで動物の出現を検知した際に、希望する住民さんにメールで送信する「ケモノ注意報」というサービスも展開しました。
先週降った大雪の影響が残り、足元の悪い中にも拘らず報告会には地区内外から20名近い住民の方々にお越しいただき、実証団体のアイテック阪急阪神株式会社様のご説明に耳を傾けておられました。
また、島根県や雲南市からも獣害対策を所管されておられる職員さんが多数出席され、今後の獣害対策への応用可能性に向け、様々なご助言をいただきました。
報告では、多くの地点で恒常的にイノシシやタヌキなどの害獣が多数出没していることが説明され、実際に出現の模様をとらえた映像が放映されると、住民さんも熱心に映像に注目しておられました。
一方で、季節的、期間的な制約もあり、AIの学習に必要なサンプルが十分に集まらなかったこと等によるAI検知の失敗も報告され、デジタル技術を用いることの難しさを痛感しました。
住民さんとのディスカッションでは、この実証実験により罠や檻の恒常的な監視が可能となり、見回りが楽になったというご意見が聞かれ、役に立ったというご意見がある一方で、AIの学習にまだまだ時間がかかることへの不安やAIの精度に関するご意見、ケモノの種類ごとに対策が異なるため、実証実験の性質もおのずとそれに応じて異なってくるといったご意見も多く聞かれました。
また、今後の展開可能性については、例えば移動可能なカメラを設置できないか、センサーカメラで良いのでニーズに応じて多数または広範囲に配備できないか、得られた情報を県や市等のレベルで共有できないかといったご意見をいただきました。
飯石地区では、4年に渡り地区の皆さまの多大なご努力で、長年獣害対策に取り組んでこられました。今回の報告会では、そうした飯石地区の皆さまの獣害対策にかける強く大きな思いを改めて感じた次第です。
他の地域ではまだ実践例がない取組みを初めて行ったこともあり、まだまだ課題や改善すべき点は沢山あるのですが、今回の報告会で住民さんからいただいたご意見を踏まえ、今後の獣害対策について改めて実証団体の皆さまはもとより、島根県や雲南市の皆さまとも一緒に考え、次のアクションを考えていきたいと感じました。
改めまして実証実験にご協力いただいた飯石地区の皆さま、報告会にご参加いただいたアイテック阪急阪神株式会社の皆さま、島根県の皆さま、雲南市役所の皆さま、地域自主組織「雲見の里いいし」の皆さまに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
(参考①)総務省ホームページ「地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)一次公募の結果及び二次公募の開始」
https://www.soumu.go.jp/.../s-news/01ryutsu06_02000356.html
(参考②)おっちラボnote「【プレスリリース】「鳥獣害対策ソリューション」に関する実証事業が開始されました!」
https://note.com/occhilabo/n/n05d02c09983e