稽古茶事:2024/6/16(日)夏越の祓

当初の目標は達成!

社中で3度目の稽古茶事。今回の私の役回りはご亭主だった。

亭主に決まってから目標に設定したのが「お点前の手順を覚えて一人でやり切る」こと。まず、ぶじにそれを達成できたのがうれしい。ところどころ手が止まったり間違えたりしたので、まぁ及第点という感じだが、それでも達成できた言えるかも。前回のお稽古時に先生から「ご亭主のペースで進めればいいんですよ」と言葉をかけていただいたおかげで落ち着いて進められた。練習して、整えて、先生の言葉を胸に、やりきれたことがすごくうれしい。念願の銅鑼も鳴らせたし。

ただ、冷静になると、お客様への配慮、亭主としてのおもてなしの心には欠けていたなに気づく。まず自身の目標を達成したいあまり、自分のこと、お点前のことばかり考えていた(恥)。

いくらでも例が出てくるが、たとえばお正客とのやりとりでは、お正客からのコメントを待たずに「今日はお越しいただきありがとうございます」と前のめりに自分から話そうとしたり。懐石前半では、私の説明不足のせいでおかわりの飯器を手付かずのまま下げることになったり。懐石を食べ終えるタイミングをまだかまだかと何度も襖を開けて確認したり。ラジバンダリー。

もっと達成感に包まれるのかと思っていたが、一瞬の自己満足に浸ったあと、すぐに次の「こうなりたい」が湧き出てきた。

毎回のお稽古しかり、お茶会の参加しかり。こういうことを繰り返して1mmずつ歩みを進めながら、茶道という道のおぼろげな輪郭が少〜しずつはっきりとしていくのかもしれない。

準備の大変さをようやく実感

稽古茶事も3回目ともなると多少慣れてきた部分もあり、楽しむ余裕も生まれてきた(だからnoteに書く余裕もできたのだと思う)。それと同時に、先生がいかにさまざまなことに気をくばって準備をしてくださっているのかも、ほんの少しずつ見えてきた。

準備が100あるとして、基本的には先生が事前準備してくださった部分が95。それをベースに残りの華やかな5だけ当日一緒に進めて「準備した気分」を享受させていただいているのだなと気づいた。炭の火加減を眺めたり、お花を活けたり、1階と2階を登り降りしてお料理を運んだりしながら、「いや、絶対にこの今やってる準備の前段階、下準備のほうが100倍大変やん!」と。

その95の下準備の一部をさりげなくサポートされていた同輩たちの動きや配慮にも感謝だった。それぞれの得意や知識が活かされていて、おかげで回を重ねるごとに楽しさの幅が広がっている。
社中の皆さん、たぶん食いしん坊が多くて、良い。

次の稽古茶事の役回りはおそらく水屋。今回の経験を踏まえて亭主のよき右腕になれるよう縁の下でジタバタするぞ。

茶菓・茶花・お軸

茶菓

1.茅の輪
つぶあん入りのきんとん。
ベースになっている目の粗いきんとんは。茶と白のマーブル。焦がしたきなこのような香ばしい味わい。その上に茅の輪をイメージした鮮やかな若草色のきんとん。こちらは非常に目が細かく、そのコントラストも美しい。

2.御所氷室
水無月を模したような三角形の白いすり琥珀。調べてみると中の小豆は氷の中で凍る梅をイメージしているそう。洒落ている……! 

琥珀って、和菓子界のマカロンだと思う!(唐突な自論)
外と中の食感のコントラスト具合が似ているし、味わい以上にビジュアルがむちゃくちゃ良いという部分でも似ている気がする。いわゆる「顔が天才」というやつです。

3.甘酒シャーベット
茶事全体の最後のデザート。真夏日のような暑い1日だったので、最後に冷たくてさっぱりしたシャーベットがありがたい。食べているそばから元気が湧いてきた。
ジンジャーシロップをかけてピリッとさせて味変すると、また違ったおいしさでぺろりと完食。

4.せせらぎ
帰りぎわにお菓子を持たせてくださった。青紅葉が川をさらさらと流れていくような情景。下段の黄色はたぶんパイナップルだった! 南国フルーツが入っているなんて職人さんの着眼点が素敵だ〜。

寒天の上部分には水面の波紋も表現されていた

茶花

紅花
紫陽花
蛍袋
河原撫子
水引草
茶事だけに茶花も華やか。山形からやってきた華やかな紅花と、先生のお庭のオールスターズ。初めてお花を活けさせてもらった。

帰宅後、紅花について調べると別名末摘花だった。出た、末摘花! ルッキズムの権化、光源氏がとんでもなくひどい評をしたことでお馴染みの末摘花。だけど、とっても可愛らしく美しい色の花だった。

お軸

雲収山嶽青

ご銘

茶碗(黒楽):虎が雨
茶杓(濃茶):
瀑布
茶杓(薄茶):
短夜(みじかよ)

御相伴:MTさん、IWさん、SZさん

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