30服目:2024年8月10日(土)朝茶事/茶箱(拝見あり)
初めての朝茶事
先生にご招待いただき朝茶事からのお稽古。がんばって早起きして浴衣を着て向かう。といってもがんばったのはあくまで当社比。
先生はきっと寝ずの準備だったのではなかろうか。そして、茶事の世界には「暁の茶事」という2月に早朝4時から咳入りする茶事もあるという…!
なにそれ……。極寒期の朝4時……。胆力が試される……。
というわけで軟弱な当社にしては、まぁがんばらはったんとちゃいますかレベルの早起きをして先生のお宅の門戸を叩く。
結論、最高だった…! 先生の心づくしのおもてなしをただただ愉しませていただき贅沢な夏の朝だった。何より点心が見た目も味わいもすばらしくってこの夏いちばんの思い出の味になった。
ひとつひとつ丁寧に手をかけて作ってくださったお料理を、彩り豊か、見目麗しく盛り付けて出してくださって、こんなに贅沢なことがほかにあるだろうか。いや、ない。(急に反語)
先生が大切にしていらっしゃる高麗茶碗を出していただき、茶杓も見たことのなかった大徳寺形を使ってくださり、お道具も見ごたえがあった。
床に飾られた香合も涼しげでかわいかったな。舟香合という舟形の香合で、側面には塗りと千鳥の蒔絵を施し、天面は木地のままという素朴な仕上げ。そのコントラストが、異素材MIX好きにとってはグッとくる仕様だった。
舟香合の下に敷いた紙釜敷は水紋の図柄。まるで川か海にぷかぷかと舟が浮かんでいるみたいで、とっても涼しげ。お軸との相性もぴったりだった。
そのお軸は「行雲流水」。空行く雲や流れる水のように、物事に執着せず自然の成り行きに任せて行動することという意味だそうで、思わず尊敬しているひとのことが心に浮かんだ。執着しないって、周りの人間からするとちょっとさみしい気もするけど、今ここを生きていることでもあるからかっこいい生き方だと思う。
お茶は続き薄。濃茶と薄茶を続けて出していただいた。先生のお点前を砂かぶり席で拝見できるのはこの日一番の贅沢だった。ふだんのお稽古では生徒の皆で互いに点てて頂くが、やっぱり全然違うんだな。久しぶりに先生が点ててくださったお茶は格別のおいしさだった。
お稽古は茶箱
すっかり夢心地になったまま朝茶事は終わり、お稽古へ突入。今日が初回の方も同席され、前回と同じく茶箱卯の花。だけど、私は先週に続き2回目なので拝見ありでお稽古をつけていただいた。
今月は3週続けてのお稽古なので来週もお邪魔する予定。夏休みの初日と最終日にお茶のお稽古ができるなんて、なんと楽しくありがたいことか。
御相伴:WTさん、SNさん