「オカリナは趣味のレベルを出ない楽器」なんてもう言わせない
「どうせおもちゃの一種」
「期待値が低い」
「童謡だけならなんとか吹ける」
「趣味のレベルを出ない楽器」
オカリナという楽器にはこのような評価がいつも付いてまわります
ʅ( ՞ਊ՞)ʃ≡ ≡ʅ( ՞ਊ՞)ʃ きええええええええええぃ
(※この記事は約5分で読めます)
オカリナは楽器として、トランペットやサックスなどと同じレベルではまず考えてもらえません。
オカリナを「自分たちのバンドに加えてみよう」などという人もほぼ皆無。あまりに期待値が低いのです。
ポテンシャルはあるのに評価は低い。そうなってしまったいくつかの原因は何でしょう?
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①「オカリナ」のもつイメージ
「オカリナ」と聞いてまず人々が連想するイメージ。世界的に見ると、そのぶっちぎりの第1位は間違いなく
「ゼルダの伝説」
( ☌ω☌;) おっ…おう
(特に海外では熱狂的なファンが大勢います。それに世界で最も売れたオカリナは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」デザインのオカリナです(質は最悪だったと有名))
2位は恐らく「アニメで使われてた」や「神秘的」というイメージ。
そうですオカリナには
「ゲームやアニメとの関連で多くの人に知れ渡った」
という歴史があります。
( ´_ゝ`)プーン
別に悪いことじゃありません。ゲームやアニメがきっかけでオカリナという楽器について多くの人に知ってもらえたのは良いことだと思います。その「神秘性」ゆえ、オカリナは今も様々なゲーム、アニメのキーアイテムとして登場します。
しかし私はオカリナという「楽器」を、そろそろゲームやアニメとの関連ではなく、
もう「音楽」そのもので知ってもらえたら
と願っています。
オカリナという楽器はものすごいポテンシャルを持っています。特に複数管オカリナはオカリナの弱点だった「音域の狭さ」も解消されており、サックスやトランペットと比べても楽器としての能力は全く引けをとりません。どんな難しい曲でも「物理的に吹けない」ということはもうありません。
しかし一(いち)オカリナ奏者として、
「ゲームやアニメとの関連性」よりも「音楽」を前面に出して勝負して行くのは生易しいことではありません。
はっきり言ってそれじゃまず売れません。
(´;ω;`)ブワッ
多くの人が「オカリナ動画」や「オカリナ演奏会」で期待するのは「彼らが知っている曲」であり、それらは多くの場合ゲームやアニメの曲だからです。
「それ以外の何か」
でお客さんの期待を超えて行くには、相当なものが求められます。
しかし、しかしだ。
ただ多くの人が望むからとシンプルにその期待に応えているだけですと、お客さんは「知ってる曲だった」ことや「期待が満たされた」のためにその場は満足して下さいますが、意外性もなく、その後の発展はありません。その「音楽性」において、音楽界の偉人たちの目に留まるようなこともほとんどありません。
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②オカリナ界にまかり通る謎意見
さらに、特に日本のオカリナ界において
「オカリナとは、シンプルで神秘的な演奏をしなければならない楽器である」
という
謎意見
が、まかり通っています。
(※無意味に猫の画像)
オカリナでビブラートを行ってはならないとされ、複数管オカリナは邪道とされ、メロディをアレンジすることは嫌われます。いつも何かと宗次郎さんの名が持ち出されて崇められます。
もちろん宗次郎さん風の演奏もありですし、そうではない演奏もありです。どちらも素敵です。
(※名前は出しませんが、以前はたくさんのアレンジを加えて演奏をする「とある複数管オカリナ奏者」のことを叩くためだけに生まれたようなウェブサイトもありました。私はこれを「ビブラート論争」と呼んでいますが、私がオカリナを始めた20年前にはすでにこの論争がありました。私を含め多くのオカリナ奏者たちは、この論争の中で少なからず苦悩しながら成長して来たでしょう)
しかしその論争も相まって、
多くのオカリナ奏者が「シンプルな演奏」しか行わなくなりました。
ʅ( ՞ਊ՞)ʃ≡ ≡ʅ( ՞ਊ՞)ʃ きええええええええええぃ(2度目)
そして今オカリナ奏者たちに選ばれるのは、人気のあるゲームやアニメの曲、または童謡や簡単な流行歌です。シンプルな曲をアレンジやビブラートなしに演奏するのが悪いわけではありません。決して否定しませんし、私も時々やります。綺麗です。ですがそれ「だけ」ですと結局オカリナという楽器の評価は変わらず、今のままです。これを乗り越えなければ、オカリナという楽器の未来や今後の発展は無いような気がします。
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そういうわけで、私はオカリナでガチガチのジャズに挑戦してみたり、ロックをやってみたりしています。ただ何か「新しいもの」をやろうとしているわけではありません。それらは
古くからある大マジメな音楽
です。
ただそういう音楽をやるには、ちょっと音楽理論を勉強しなきゃいけなかったり、独創性が必要だったりします。結構たいへんです。でもそういう音楽はいつの時代にも、そしてどんな年齢層の人にも愛される「息の長い」ものです。そしてそれをやることはきっと「息の長いオカリナのファン」を生み出すことに繋がります。長い時間がかかるでしょうが、少しでもオカリナの真のポテンシャルを知らせる助けになれればと思っています。そしていずれオカリナはきっとクラリネットやトロンボーン、バイオリンやギター等の他の楽器と「同等」に、音楽をやるものとして人々の目に映ることになります。
マイルス・デービスやキャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーンのような音楽を聴いていると、こんな演奏、もしくは彼らに近い演奏ができるオカリナプレーヤーたちがどんどん出てくるような「オカリナの黄金期」がいつの日か来ないだろうか感じます。サックスやトランペットでできてオカリナで不可能ということはありません。できるはずなんです。
誰でもいいので、いつの日かあるオカリナ奏者が、その音楽性のゆえに例えばトミー・エマニュエルやチック・コリア、イツァーク・パールマン等の現代の音楽界の偉人たちの目に留まり、「おい、ちょっとあのオカリナ奏者を俺たちのセッションに招いて見ようぜ。面白いことになりそうだ」とでも思わせられたらどんなにいいでしょう。
ただ例えばYouTubeでまじめなジャズのオカリナ演奏動画作ったりしても、人気とか視聴回数とか全然伸びないと思います。みんな知らない曲ですし。でも「音楽って楽しいな」って心底感じます。音楽に関してたくさんのことが学べます。どういう音階を使うとどういう感情が呼び起こされるとか、もっと学びたくなります。「この曲はこのスケールを使ってるから面白い響きがしたのか…」とかわかります。音楽が心の底から楽しければ、視聴回数なんかどうでもいいと私は思います。仕事じゃないですし(第一カバー曲の演奏動画では著作権の関係で収益も出ませんし(小声) )。
音楽を心の底から楽しんだ「その後」にできるファンは、きっとその人の真のファンになってくれるはずです。例え少なかろうと、彼らはその人から離れません。
そして彼らはもう「オカリナは趣味の域を出ない楽器」などとは言わないでしょう。