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産業理学療法は今後もっと必要になる

僕が産業理学療法を開始してちょうど1年2カ月が経ちました。
滋賀県草津市の企業さんに出向いて、社長さんをはじめ希望する社員さんの健康維持向上のために実施しています。

ここで少し整理の意味もこめて。

産業理学療法
ほとんど認知されていない分野だと思います。
医療、介護業界でもほとんど知られてないと思います。
理学療法士ですら実は知らない方が多いんじゃないかと。

ちなみに産業理学療法は、産業保健分野と呼ばれる分野の一部門みたいな感じです。

産業保健分野とは(労働安全衛生法)
労働者の健康対策を行う領域であり、目的は健康障害予防や健康保持増進、

ざっくりいうとこんな感じです。
有名なのは産業医ですね。
従業員50名以上で1人選任しなければダメです。

ちなみに理学療法士などは明記されていません。
なので企業にとっては別に必要ではないという感じです。

話を戻して

僕が産業理学療法を開始することになった理由は簡単で、以前勤務していたジムの会員さんからの

「独立するんやったら最初集客とか大変やろし、うちの社員の健康維持向上のために来てくれへん?」

という一言でした。

独立時は本当に集客が大変だなと思っていたので、本当にありがたくてありがたくて。

そこから話はとんとん拍子で進み。

「講義とか講演じゃ皆結局やらんし良くならへんから、1人60分をパーソナルでみっちりやってほしい。」

という依頼でした。
費用に関しては、僕が店でやってる金額と同じにしなさいということと、交通費も全額出してくださるというかなり稀なケースだと思います。
ありがたいことに月2~3回ほどうかがい、20人ほどの社員さんの健康維持向上のお手伝いをさせていただいています。

僕がよく聞くケースは、企業さんにお邪魔して会議室などで腰痛予防や肩コリ予防などの講演や講義をするという感じです。

ですが、僕の場合はがっつり関わっています。
60分間という時間で何をしているかというと…

問診
姿勢のチェック
仕事で負担がかかりやすい動きのチェック
コンディショニング
日常や仕事での姿勢や動きの指導
セルフエクササイズ

ざっくりですがこんな感じです。
特に産業理学療法だからといって特別なことは何もしていません。
一人ひとりに必要なものを提供しているという感じです。

産業理学療法と聞くと少し難しいと感じるかもしれませんが、やってることは病院やクリニックの外来でやってることと一緒です。

問診で痛みや不調、身体の違和感、仕事内容などを聞いて
そこからくる問題点を立位、座位、臥位、動き(仕事で負担になりやすい動きなど)をチェックして
必要なケアやトレーニングを実施
負担のかかりにくい姿勢や動く方をお伝えし
最後にセルフエクササイズをお伝えして終了

あとはたわいもない話をしたりしてます。
お子さんの進路の相談とかもあったりします 笑

多い症状としては、事務員さんはやはり長時間座っているので腰痛や肩コリ、首コリです。
重労働系の方は腰痛などぎっくり腰になりやすいという方が多いです。

あと多いのは、接骨院と整体と病院をどうやって使い分けたらいいか分からないということです。

とりあえず接骨院とか整体にいって、ダメだったら病院に行く。
ということが聞いていてほとんどです。

いやこれは順番が逆で…
病院を受診して医学的にしっかり診断をしてもらって、特に何も問題ないのであれば外来のリハビリに通うか、接骨院や整体に通うという流れが正しいと思います。

でも実際にはこんな感じがほとんどです。

まさかのパターンでかなりあったのは、

A「病院行ったけど何も言われへんかった」
僕「病院てどこの病院行ったんですか?レントゲンとかMRIとか撮りました?」
A「いやそんなん何もやってへんで」
僕「え?そんなことないでしょ。」
A「でも何もやってへんで」
僕「病院行ったんですよね?じゃあ100%レントゲンは撮りますよ。」
A「えー、でもレントゲンとかなかったけど」
僕「それって、まさか接骨院ですか?」
A「そうそうそう接骨院やわ。病院と何が違うん?」
僕「…」

という実際にあった流れです。
しかもこのやりとりはこの企業の社員さんでも5人くらいしました。

接骨院は保険が使えて受付とかもあり白衣着てたりするので、ちょっと病院ぽい外観(病院というかクリニックが多いですけど)なところもあるので、よく分かってないそうです…

この流れはマズイですよね。
接骨院や整体の方もまずは医師の診察を受けて、骨折や血液データなどで特に問題ないとわかれば、安心して施術ができるので。

そのあたりは一般の方々の意識改革というか、もっと知れ渡るようにしないといけないなと思います。


あとは、リハビリや介護系の話もします。
やはりご家族や親族の方で困っていることもあるので、介護保険や病院の違いは多いです。
大きい病院はなんであんなにも早く退院させられるのか?は多いですね。

という感じで、産業理学療法といっても何も特別なことはしていません。
本当に僕が経験してきた、クリニックの外来や訪問リハビリでの家族さんへの説明のようなことを、予防目的で行なっているのが現状です。

最大の目的は、社員さんの健康維持向上なので、少しでも腰痛や肩コリなどの症状が出ないようにする予防と、現状症状がある方は悪化しないようにすることと改善できるようになる。
そこから社員さんの作業効率も上がるので、会社の利益にも繋がるというのが理想です。

理学療法士として医療や介護現場で培ってきた知識を最大限に活かして行える予防分野が、産業リハビリかなと最近は感じています。

痛みや不調でしんどくなる前に
それが影響して働けなくなる人がいなくなるように
それが産業理学療法で理学療法士の強みでもあると思います。

まだまだ導入される企業さんは少ないと思います。
社員さんの健康維持向上で生産性が向上し、会社の利益に繋がる。
この一助になれる産業理学療法。

まだまだ可能性がある分野だと思います。

もしご興味のある企業の社長さんがいれば是非!!
という営業をして終わります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

p.s
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