震度6の地震の夜に
それは僕がまぶたを閉じた時だった。
地響きのような音の後に、激しい横揺れに襲われた。もう容赦ない早さと圧力だった。
2階に居た僕は、揺られながらも階段を降りて玄関のドアをあけようとしていた。
先に揺れに気づいた弟が、玄関のドアを開けていた。
地震のアラームが少し遅れて鳴り始めていた。
外に出ると周りの家の方々も外に出ていた。
放送で「震度6級の地震です。落ち着いて行動してください」ということが何度もアナウンスされていた。
僕の住む愛媛県宇和島市では、古い家が多い。
暗闇の中、人々の声と携帯のアラーム音だけがしていた。
揺れが収まると、家に戻る。
仏壇にあったものが落ちて、湯呑みが割れていた。
また地鳴りがした。
2階に恐る恐る上がると、僕が寝ている部屋は本や小物が落ちて、足の踏み場がなくなっていた。余震に怯えながら、片付ける。
少しずつ情報が入ってくる。
宇和島市は震度5。
水道管の破裂や落石もあるそうだ。
地震酔いだろうか。ずっと揺れている感じがする。
服を着替えて、自分が作っている雑誌のデータが入ったノートパソコンを鞄の中に入れる。ついでにモニターも。パソコンのディスプレイが壊れているのだ。
それからニュースを見て、どのチャンネルにも映る自分の住んでいる町に驚く。
いくつかの道路で通行止めが行っているそうだ。まいった。電車も運転見合せ。
この記事を書いている間も余震が続いている。
自然は無慈悲だ。
人間の事情なんて、知ったこっちゃない。
だから、油断が出来ない。
今夜は多分、眠れないと思う。
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