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Netflix「timelesz projiect AUDITION」はアイドルの解像度を上げていく



はじめに~いきなり本気の熱さを感じる~


 皆さん、こんにちは。
 栄、覚えていてくれです。
 普段は、SKE48というアイドルグループを推しています。
 なので、この記事の中で勉強不足の点も多々あると思いますが、どうかご容赦ください。

 先日、Xを開いてみたら「#ネトフリでタイプロ」というハッシュタグがトレンド入りしていましてね。
 なんか面白そうだし、観てみるか、と第1話をみて見たんですよ。
 そしたら最新話の第4話まで一気見してしまいました。
 何故、こんなに夢中になってみたのか?
 そこには、選ぶ側の本気、選ばれる側の本気、それぞれの熱い思いを感じました。熱さに男性アイドルも女性アイドルもないじゃないですか。本気の熱気が僕は好きなんです。
 ただ、第1話を見始める前は、ううむ、timelesz の知識がないけれど、観ても大丈夫だろうか? という不安もあったんですが、timelesz お三方の人柄のおかげかもう第1話で好きになりましてね。

 まず、松島聡さん。
 オーディション参加者の一人一人の受け答えに対して、誠実にリアクションを取っていて、「うわあ、こういう人がZoom会議とかにいると喋りやすくなるんだよなあ」と親しみやすさを感じました。そして、timeleszへの想いを語る時の優しいけれど熱い言葉が素敵でした。

 佐藤勝利さんは、表情がとても印象的でした。真剣に一人一人をみる視線は、時としてこの人は磨かれるところがあるという未来を見ていたり、参加者の可能性におっ、と口元が動いたり頷いたり、厳しい自分の審美眼をもっているからこそではないかと思いました。あと、この人を映画館で見て見たいなあ、とふと思いましてね。20代から30代にかけて良い映画監督と巡り会えたら、きっと、僕らのような映画ファンにもぶっささる佇まいの方ですね!個人的には、時代劇希望です。

 菊池風磨さんは、オーディション中に時折見せる、下からのぞき込むような質問の仕方がすごく色気がありましてね(局所的で申し訳ないです!)。「はっきり言ってコイツこのオーディションなめてるだろ」というような人が来ても、大人な対応が出来ていて、相当この人は人生の修羅場をくぐってきたのではと思いました。あえて、聞きにくいことも自分で聞いていく感じもよくて、グループのためにストイックになれるというところがカッコイイなと思いました( 特別編の質問箱の対応も凄かったです )。

 アイドルに人生を懸けてきたこのお三方だからこそ、これから入る人も人生を懸けた本気さが必要になってくるな、と感じました。

途中から入るということ~メンバーも新規ファンも~


 今回のオーディションの特徴は、新規のグループを作るのではなく既存のグループに追加のメンバーを入れるためのオーディションということです。
 48グループのファンだと、数年に1回は新人のオーディションがあり、研究生を経て、正規メンバーになります。SKE48でいえば、チームS、チームK2、チームEのどれかに配属されます。1チーム16人以上おり、卒業や活動辞退も年に何回かあるので、そこまでチームのオリジナルメンバーに対するこだわりというのは、ファンは強くないのではと思います( もちろん、欅坂46という特殊なケースはありますけどね )。
 ただ、これが人数が少ない場合はどうだろうか、と想像してみます。
 だいぶ、色が変わってくる可能性もありますよね。
 timelrszというもともとあるグループに加わるので、才能があっても果たして、今いるメンバーと共鳴ができるのか、そこを考えながらオーディションをしていくというのはかなり難しいことをされているのではないか、と思います。
 そう考えると、僕も次に入ってくるSKE48の研究生を見る目が少し変わってきそうです。どういう意図でこの子を運営さんは選んだろう、という視点ですね。
 
 そして、第2話が終わった後のスペシャルエピソード「覚悟」で菊池さんとSnow Manの渡辺翔太さんとの対談があります。Snow Manって追加メンバーが3名加わっていたんですね( 本当に何も知らなくて申し訳ないです )。その追加メンバーに関する渡辺さんの言葉が凄く印象的です。

「大好きな人たちが大好きな3人を受け入れられないってことは、何かもはや俺たちのことももう好きじゃないのかな( 中略 )俺のことを好きでいてくれるなら俺が好きなメンバーのことも好きでいてほしい」
 

 いやあ、これはもう雷に打たれたような衝撃を受けました。
 正直に書くと、僕はSKE48の6期生が入ってきた時、凄まじい違和感を抱いていました。なんか、これまでのSKE48と雰囲気が違う、嫌だと思っていました。その時、1期生に推しがいましたし、5期生にも沢山期待しているメンバーがいました。あの時の自分に言ってやりたい。「お前、自分の推しを信じてないのか?」と。ちなみに、今では6期生メンバーも応援しております。やっぱり、じっくりと見ていると良さが見えてきますね。
 目黒さんの手紙も素敵でした。
 途中加入したからこその視点が素晴らしかったです。この放送を見ることで心無いことを言う人はグッと減るのではないでしょうか?

 途中から入るということを、第3話で「飛び級」という言葉で表現されていましたが、確かにジュニアという下積み期間が無くいきなりメンバーに入るわけですから、確かに「飛び級」ですよね。ファンの方だけでなく今のジュニアの人がどう思うんだろう、とふと考えました。その下積み期間の代わりとなるのは、才能や情熱なのかも知れません。オーディション突破者には、10代後半から20代前半の方だけでなく、アラサーの方々も含まれています。それぞれの人生の積み重ねてきた時間がこれからどう融合していくか、楽しみです。
 
 それから、この番組でtimelesz を聴き始めても大丈夫でしょうか?
 「timelesz の歴史、どれぐらい知ってますか?」と言われると答えられない状態ですが、「dilemma」とかアラフォーにはぶっささりまくりなんですが。あと、新曲の「because」のMVを見ながら、これは追加メンバーが入ったらどんなフォーメーションになるんだろう、とふと考えたりもしました。曲終わりの松島さんのダブルピースもいいですね。オーディションの時の張り詰めた空気とは違う3人の柔らかな空気を感じました。柔らかな空気といえば、元ジュニアの方がオーディションを受けにきた時に垣間見える、かつての戦友と再会したような柔らかいお三方の表情も素敵でした。

 

人が変わる瞬間がみたい~オーディションでも

 

 この番組を見ていると、コンサートを観る時の自分の視点も豊かになりますね。メンバーや振り付けのNOSUKE先生のアドバイスが、プレイヤーだからこそのアドバイスになっていて、そうか、普段はそういうことに気を付けて踊っているのか、と思いましてね。曲の中の振り付けの緩急であったりとか、ふとした表情の変化であったりとか、そういうものが歌詞の世界を踊りでヴィジュアライズ化していく時のレイヤーを分厚くしていくんだな、と感じました。
 そして、11月10日時点では、チームBLUE、チームGREENまでしか公開されていませんが、この二つのチームだけでも、どんどんオーディション参加者が成長する瞬間を目の当たりにします。その成長を観ながら、観ている僕も頑張ろうと思います。デビュー作の本、ネットの空中戦だけに頼らず、もっと泥臭い手売りもしていこう、とか、しつこいと思われていいからSNSの告知も頑張ろう、とか、この人たちと同じ熱さで自分の人生に向き合えているかな、とふと思いました。
 その中で第4話で松島さんがチームGREENの練習を観た後でこんな言葉をかけます。

「みんなのパフォーマンスを見て、見る人の人生を動かすきっかけになるかも知れないから。命が救われる可能性があることもあるかもしんない。心を動かすってそういうことだから。みんながアーティスト、プロになってなかったとしても、あっ、この人の歌いいなとかダンスいいなとか、思って。それが勇気とか可能性に繋がることもあるから」

 きっと多くの人の心を動かしてきた人だからこその説得力ある言葉だと思いました。一見すると、綺麗事に聞こえるかも知れません。エンターティメントで空腹は埋まりませんし、怪我も治らないかもしれません。でも、空腹を癒すために怪我を治すためのアクションをあと押ししてくれるものがあると僕は思っています。
 それは推し活の醍醐味でもあるのではないでしょうか。
 こっちが一方的に好きなだけかもしれないけれど、その人のパフォーマンスで生きる活力がわいたり、その人の幸せが自分の幸せ以上に嬉しく感じたり。そういう人生を豊かにしてくれる人だからこそ、自分の時間やお金を贈与できる。そんな才能に人生の中で何人出会えるだろう、とふとこの番組を観ながら思いました。


おわりに

 
 番組を通して感じるのは、これだけビッグになってもファンの方を大事にしていて、ファンの方のことを想像しながら( 時には直接聞いてみながら )、活動しているんだなあ、ということです。グループがあっての自分であり、自分あってのグループという考え方と並行しながら、グループを応援してくれるファンの方々への視点を常に忘れないというところが素晴らしかったです。 

 おそらく、この後、待っているのは選ばれた人と選ばれなかった人の残酷なドラマが待っていると思います。ここまでのドラマをみていると、それを受け入れるのは辛いところですが、その残酷な現実もアイドルを推す上で避けては通れないところかな、と覚悟しております。
 いったい何人がこの3人に加わるのか?
 加わったあと、どう10年に差を埋めていくのか?
 番組はあと2回で終わりますが、timeleszのドラマはずっと続きます。
 新章が始まると言ってもいいかも知れません。
 この番組で得られる新しい視点を自分のアイドルを楽しむ現場に持ち帰っていきたいな、と思います。
 まだ未見の方は是非是非、チェックしてみてください。
 

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