
12月16日から12月31日までの映画と読書と散歩の記録
12月16日
時々、足元がぐらつくような感覚になることがある。
自分が書いてる文章は本当に面白いんだろうか、ちゃんと価値があるんだろうか。
みんなが気を遣ってくれているだけじゃないんだろうか?
やっぱりこういう時、読んでくださる方々のコメントが励みになる。
毎回、大丈夫だろうか、と心配になる。
名もないアイドルファンの文章にお金や時間を使ってくださっている方々が居てくれる。この定期購読マガジンやメンバーシップもそうだ。言葉にせずとも会員になってくださっているということは、無言の承認をいただいていると信じている。
だから、信じて今は頑張ろうと思う。
「イコライザー THE FINAL」(2023年146本目)
まず、この「THE FINAL」という邦題はよろしくない。
海外では「イコライザー3」で発表している。続編が出る可能性があるものをFINALとするのはいかがなものだろうか。
デンゼル・ワシントン演じるマッコールさんの強さが今回も健在というか、敵視線からみると、もはやホラー映画のように殺しまくる。
特に今回はある乗り物を利用した殺し方が素晴らしすぎた。
近年の日本映画あるあるの「まあ、でも悪い奴にも事情があってさ…」みたいな逃げ道は無い。殺しても心が痛まない親切設計。
私人逮捕系Youtuberに無くて、マッコールさんにあるもの。
それは、殺しの工夫と圧倒的な正義感。更生をうながす言葉や時には見守り。今、日本に必要なのはマッコールさんかも知れない。
今回はシチリアが舞台だったが、次回作では是非、日本に来て欲しい。
邦題は「帰ってきたイコライザー」でどうだろう?
12月17日
いきなり残業の月曜日からスタート。
やはり、午前中が一番頭が冴えているので、なるべく午前中に書き物は終わらせておきたい。これを書いているのは深夜1時だ。人生を変えたい。
明日のラジオは順番についての話。
大河ドラマの「どうする家康」から始まり、「10月のプールに飛び込んだ」、「仮面ライダーガッチャード」など、様々なリリースや放送の順番について話した。
めちゃくちゃ体調が悪い。
なんか仕事があるということを考えるとめちゃくちゃダウナーな気分になり、眠れない。お腹が痛くなる。この繰り返しで朝が来る。まだ退職まで時間があるが、ひたすら耐えるしかない。クリエイティブな1時間や2時間の為に一日を乗り越えよう。
12月18日
1日の中で数分でいいから面白いことがしたいなあ。
1日の中で一つでいいから新しい知識を得たいな。
1日の中で数行でいいからそれをアウトプットしたいなあ。
1日の中で一人でもいいから、自分と同じ速度やそれ以上の速度の人と話したいなあ。
そんなことを思いながら今日も人口がわずかの海と山と老人に挟まれた町で文章を書く。
自分が作るものや書くものが誰かにとっての「面白いこと」でありますように。
おんなじように燻っている誰かの刺激になりますように。
今日もこっちは書いてるよ、君はどうだい?
12月19日
日本は新作至上主義だが、一つの作品を大事に育て続ける海外のエンタメとの差があるな、と思う。勿論、日本にも劇団四季のような例外はあるが、新しいものをという声が多いように感じる。
勿論、僕が好きなグループでは、年に1回新曲が来るかなあ、年に2曲かなあ、というぐらいのスローペースだが、こと公演に関しては、大事に育てていくというアプローチが出来るものだと思う。昔と比べて、サブスクに曲は全部公開されているので、予習もしやすくなった。わざわざ3000円ぐらい払ってCDアルバムを買う必要もない。チーム単位で一つ一つの公演を育てていく過程はとても長いし、演者以外には簡単に違いは見つけにくいかも知れない。しかし、初日の印象がガラリと変わる瞬間というものが板の上では起こることがある。
僕は以前、北川愛乃さんが出演された「猩獸」という舞台の初日と千穐楽を観に行ったことがある。ワードレスという言葉を発さない舞台ということもあって、観客がより能動的に観ることが出来る舞台だった。だからか、北川さんがふとした瞬間に演じる人物を捕まえたんだな、と思わされるシーンがあった。ほんの些細な怒りの表現だが自然な感じの流れだった。気にならなかった。また、あるシーンでのホッとしたような笑顔も最終日ならではだった。これは演じている役な中にいる彼女自身の感情がうまく融合されたのかも知れない。
ここまでで分かる通り、僕は女優としての北川愛乃さんに凄く惹かれている。もし、時間とお金に余裕があればこれまでの舞台のアーカイブも全部観て、そのアプローチの違いを考えていきたいぐらいだ。また関西に住めるか分からないがもう一度舞台で飛躍する彼女を観たいと思っている。
アイドルとしてのSNSの発信やモデラーとしての彼女も素晴らしいが、やはり、演者としての彼女も素晴らしいと思う。
10期生の澤田奏音さんにも同じ匂いを感じる。
彼女のチャンネルの多さは、出演する舞台の数だけ深くなっていくのではないだろうか。
9期生だと、やはり、平野百菜さんの演技がもっと観てみたかった。
12月20日
答え合わせするみたいに作品を観ることが本当につまらないと思う。
残念だが、考察ブームに乗るような作りの作品が増えてきている。特にあるジャンルでは。考察はあくまで鑑賞の一要素であり、そこから先の作品の本質まで到達しないのなら、クイズ番組でも観てればいいのに、と少し乱暴なことも思ってしまう。
本当にこの1年でそれが加速してしまった気がする。
批評はどんどん生き残りにくくなるのではないか。
12月21日
「グランツーリスモ」(2023年147本目)
実話を元にした物語好きとしては、かなり興味深い題材。
レーシングゲームが得意な人を本当のレーサーに出来るのか、という非常に夢のあるやっちゃえ日産の企画から、一人のゲーマーがレーサーになるまでの物語。
これまでレース一本でやってきた人からしたら、なめんなよ、という展開だと思うし、レース中にわりと普通に嫌がらせもしてくる。
観ながら「eスポーツに関わっている人も、今、同じような偏見を持たれているのかな」とげんなりとした気持ちになる。
実話ベースだけに現実の厳しさを味わわされる描写も多いのだが、特にある事故は本当にきつかった。自分たちは夢を追っているつもりでもそれが誰かの不幸を起こしてしまったとしたら。ここは心臓がハタハタした。僕も他人ごとではない。
「ストレンジャーシングス」でホッパーを演じたデヴィッド・ハーバーの人生の辛酸を味わいまくった演技も素晴らしいが、オーランド・ブルーム演じるダニーが凄く良かった。組織を動かすか夢を動かすかの決断を要所要所でしていかなければいけない。
多分、観ずにスルーしそうな映画なので、観て置いて良かった。
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