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SKE48と「音楽」と「人」と「物語」
※すいません、かなりネタ切れになってきたので、今日はSKE48について今考えていることを正直に書きます。ただし、「だからダメなんだ」という話を書くのではなくて、今のSKE48のバランスとこれから力を入れていくと面白くなるのでは、と考えていることを書いていきます。
今のSKE48と「音楽」
昨日アドベントカレンダーで2024年の私的なアイドル曲ベスト10を書いたnoteで、SKE48の曲を一曲しか選んでいないことに我ながら衝撃を受けました。
いや、今年出たシングル、どっちも好きなんですよ。
「愛のホログラム」とか秋元康が使う心情と場所、つまり、情景について語る時に新しいサンプルになると思いますし、「告白心拍数」のサビのメロディとか大好きです。「どうでも良くない」もかなり、入れるか迷いましたし。でも、他のグループの曲と比較した時に、「岸辺の少女」という「音楽」に対して、林美澪という「人」を乗せて7位という感じだったんですね。
逆に言うと上位の曲は、「人」についてあまり知りません。平手友梨奈さんと加藤結さんが上位に入っていますが、これは「人」と「音楽」のバランスが非常に良くて、この人が歌うからこそ、作品が活きてくるというものがあると思います。
今年は、新公演がなく新曲の数は平年の数に戻った感じがします。
その中で「愛のホログラム」がAKB48の売り上げを抜いたことはめでたいことだと思うんですが、じゃあ、この曲が出たことで世の中にどんな影響を与えたのか、アイドルシーンで何が生まれたのか、今後のクリエイターにどんな影響を生んだのか?
いじわるな質問をしてごめんなさい。
そんなのなかなか証明できないですよね。
48グループで言うと、「恋するフォーチュンクッキー」が踊る楽しさを多くの方に体験させたり、「ヘビーローテーション」が国境を越えて育っていたりすることが挙げられるかも知れません(どっちも10年ぐらい前の曲で申し訳ないです)。
いや、SKE48にそこまで求めるなよ、と言われるかも知れませんが、自分の好きなグループにはやっぱり良い曲が来て欲しいじゃないですか。何かそこで諦め始めたら、本当に「音楽」が握手会のための、言い換えれば「関係性」のための道具みたいになっちゃうじゃないですか。いやいや、もともとそういうグループだったじゃない、と言われるかも知れませんし、それがアイドル界だけでなく他の分野にも定着していったと思うんですね。でも、良い「音楽」で良い「関係性」がベストじゃないですか。
じゃあ、ちょっとだけスケールを変えて同じ質問をさせてください。
SKE48の新曲が出たことであなたにどんな影響を与えたのか、あなたの中で何が生まれたのか、今後のあなたの人生にどんな影響を生みそうですか?
僕は、SKE48の中で優れた「音楽」に何度も出会いました。
「前のめり」を初めて聴いた時、物凄い力のある歌詞と爽やかなメロディに感動しました。何度もこの曲に力をもらいました。同じく、「誰かの耳」が出た時に、秋元康の社会を切り取って歌詞にする力に震えました。僕はネットのモラルがここまで悪い方に加速するとは考えていませんでしたが、「誰かの耳」は更に強度を増していると思っています。
他にも、「Loose control」とか良い曲が沢山あるんですが、僕にとってあるようにあなたにとって、SKE48の「音楽」的な良さを感じる曲ってあると思うんですよね。
ただ、今SKE48を語る時に「この曲が凄く良くてね」という切り口で語ることが減っている気がします。今年、朝ドラの「虎に翼」と大河ドラマの「光る君へ」にハマったんですが、各種SNSに考察勢がめちゃくちゃいるんですね。ファンの数が多いというのもあると思うんですが。その上位にドラマの批評をされる専門家の方々も控えてらっしゃる。色々な深さでドラマを楽しむことが出来ると思うんですよね。
同じようにSKE48でも、もっと新曲に関して語る考察勢が各種SNSで増えていくと、曲の良さのレイヤーがメンバー側からでなくファン側から厚くなっていくのもいいかなあ、とも思うんですよね。
リクエストアワーという曲に順位という付加価値が生まれるイベントが復活して、その効果がどれほどあるかはおいておいて、凄く良いことだと思うんですよね。もともと強かった「枯葉のステーション」の凄さを確認することが出来たり、「あなたとクリスマスイブ」に新しい意味が生まれたり、曲に「物語」が乗ることで、「音楽」に別のレイヤーが生まれたと思います(2024年からちょっとルールハックされ始めたかなあと感じています。そこに賭けていた方々もいたので、一概に否定はできないのですが)。
これから「愛のホログラム」や「告白心拍数」をどう成長させていくのか?
マクロなレベルでいえば、運営さんはどうこの2曲を大事にしていくのか?ミクロなレベルでいえば、この文章を読んでいるあなたの中で今、成長しているのか?
そもそも「音楽」って、どうやって自分の中で成長するのか?
多分、僕は「体験」だと思います。
今のSKE48と人
今のSKE48において「人」という要素は非常に豊かに成長していると思います。各メンバーが自分のSNSを持っていて、期が長いメンバーほど、自分の個性と紐づいた外仕事があるという状況ではないでしょうか?
今、SKE48で推し活をされている方で、SKE48というグループが好きな方と推しメンが好きな方だとどれぐらいの割合になるでしょう。僕は推しである10期生の五十嵐早香さんが卒業した状況なので、SKE48というグループを推している状況です。多分、こういう推しが今、卒業しているというファンの中で惰性でというか「次にまた才能あるメンバーでてきたらいいな」という感じでグループを推していて、今も推しメンがいる方が推しメンと推しメンがいるSKE48を推しているという構造になっているのではないか、と思います。
もちろん、新規ファンの方でも上に挙げたSKE48というグループが気になる方と、SKE48の中にいる誰かが気になる方に分かれるのではないかと思います。
少し角度を変えると、「音楽」からSKE48を知るか、メンバー個人のメディア出演からSKE48を知るかで、どっちになるかが変わってきそう気もしています。たとえば、Spotifyの中で「愛のホログラム」がランダム再生の中で流れたことでSKE48が気になり始めた人と、大村杏さんの水着グラビアから大村さんが気になり始めた人の2パターンがあるんじゃないか、ということなんですよね。
どっちが偉いとかそういう話がしたいのではなくて、今のSKE48は個人のファンは沢山いるし、その方々はSKE48が好きだと思うんですが、何か「人」に頼っている部分もあって、その「人」が卒業してしまうと静かに購入やSNSのチェックを控えていくという人が増えて行くのでは、と思うんですよね。
ずっと同じテンションで好きでいるのって難しいですしね。
でも、馴染みのあるところだからこそ、なんだかんだでずっと見守っていたいし、出来たら「元SKE48」という言葉がブランドになってほしいなとも思っています。
話を戻すと、SKE48の中にいる「人」であるメンバーの魅力を深掘りするコンテンツは10年前と比較して非常に増えたと思います。一人一人に光があたっています。しかし、共通言語性は少し薄れているのでは、と思っています。地上波のこの番組を観ておけば大丈夫という時代ではなくなったなと。だから、アマプラとかネトフリとか世界共通で観られるプラットフォームでやってほしいなと思っています。
もちろん、今のSKE48のメンバーが完璧かというと、そうは思いません。卒業生が結構出ましたからね。すぐに埋められるかというとなかなか大変だと思います。でも、魅力が増すヒントは沢山あると思っています。
個人的な話をすると、あなたが推し以外のメンバーの魅力をみつける手段は何があるでしょうか?
もし、僕が一つ挙げるとすれば「体験」だと思います。
今のSKE48と「物語」
今年の大河ドラマの「光る君へ」は、流石は大石静脚本!と叫びたくなる1年でした。
作中では、主人公のまひろが書く「物語」の力がそれまで陰陽道が支配していた宮中の政治をうまくハックしていったと思います。そして、「物語」という虚構と正反対にある現実を感じまくる武力という時代がやってきて終わります。「物語」の力を感じた素晴らしい作品でした。最後に出てきた菅原孝標女の早口考察がマジで自分を見ているようで恥ずかしかったです。
さて、今のSKE48に「物語」はあるんでしょうか?
多分、総選挙があった時代のようなグループを横断した大きな「物語」はないと思います。その代わりにグループ内での少し小さくなった「物語」がひたすら繰り返されていると思います。まあ、総選挙も繰り返しではあったと思うんですが、リターンの大きさが違うと思うんですよね。
いや、もしかすると、今の世代には坂道のように選抜発表こそがアイドル生活1年間の中でもっとも非日常の瞬間で、そこに辿り着くまでに「物語」があるのかも知れません。
じゃあ、その毎日というか日常をどう受け止めていくのか。
退屈と感じるのか、そこにも楽しみを感じるのか。
飽きている方はチャンスではないかと思います。
飽きることは変化というか次の欲望をみつけるチャンスでもあるからです。今のSKE48に望むことは何でしょう?
マクロな視点でいえば、ここからSKE48が目指す場所をいくつか提示してほしいなと思います。ドームでも、売り上げでも、ツアーでも。個人の夢だけでなくて、何か大きなビジョンが欲しいなと思っています。
ミクロな視点でいえば、あなたと推しの間にも「物語」がありませんか?その「物語」ってどうやって生まれて、どう育っていったでしょう?
ひょっとして、そこには「体験」がありませんでしたか?
今のSKE48と体験
昨日、記事を書いてから、ずっとSKE48における「音楽」と「人」と「物語」のバランスが悪くなってないかな、と考えていました。そんなことはない!常にSKE48はどれも最高だ!という方は、ぜひぜひ、こんなnoteを閉じて、明日も元気に暮らしてください。でも、ちょっとでも違和感を抱いたことがある方は、もう少しだけ付き合ってください。
なにか上記の3つの要素を上手くつなげるものって何かないかな、と考えた時に「体験」があると僕は思ったんですね。
たとえば、コンサートという「体験」。
大きな会場でみる素晴らしい演出と共に見る揃ったダンスと曲。
きっと音源と聴くのとは違う何か発見があると思います。
あるいは、コンサートの時だけのシャッフルやここぞという時のセンター。クラシック音楽を演奏する楽団や指揮者で味わいが変わるように、同じ曲でも違う味わいに出会えるチャンスは「体験」の中にあるのではないでしょうか?
また、グループ全体コンではなく、少人数のユニットコンサートだからこそ、推しのという「人」の魅力や楽曲という「音楽」の解像度があがる「体験」もあるかもしれません。
また、トーク会という「体験」。
これは、推しとあなただけの「物語」を人によっては少しだけ、人によってはかなり豊かにするものではないかと僕は思います。オンラインサイン会なんかもそうかも知れません。自分だけの「物語」を持っているのは素晴らしいなと僕は思います。そして、メンバーという「人」の魅力も増えていくとも考えられます。
ここまでは公式といいますか、運営さんが与えてくださるものですが、ファン発信でも様々な「体験」が出来ると思います。生誕を盛り上げるもよし、何か作ってみるもよし。それが「推し」との関係をより豊かにする「体験」になっていくのではないかと思います。
本当に少し推しや曲やグループの魅力をSNSに少し書くだけでも、何もしない時よりも全然違うと思いますしね。
一番、寂しいのは、無風なことです。
「SKE48の新曲出たんだ、ふーん」みたいな状態になっていた頃が僕にもあります。いや、今も心の中では少し思っているかも知れない。その理由を辿っていくと、圧倒的に「体験」が足りてないんですよね。
いや、田舎に住んでいるからコンサートとかの音楽的に豊かになる「体験」は少ないと思うんですよ。それでも公演の配信を観る度に発見が沢山あります。
Youtubeでの伊藤実希さんの頑張りと見守る西井美桜さんの横顔の美しさに心を動かされる「体験」はやっぱりしているわけですよ。熱さを感じる「体験」は、まだまだSKE48には沢山あります。
できたら、ライブBlu-rayがあると、初心者には嬉しいんですけどね。シングルの特典映像とかにどうでしょう?
これからのSKE48と・・・
いや、10年以上もSKE48を推してると味がしなくなってきたり、斜に構える時もありますよ。特撮で例えると、アカレンジャーよりもアオレンジャーとかミドレンジャーの良さをみがちなっていきますよ。でも、もう一回、アカレンジャー的なまっすぐなカッコ良さも探してみません?
「暴太郎戦隊 ドンブラザーズ」のドン・モモタロウとかバカバカしいほどカッコいいですよ。「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッドとか松坂桃李のプロトタイプですよ。「仮面ライダークウガ」のプロデューサーの高寺プロデューサーも戦隊で正統派やってたから、ライダーで色々と冒険が出来たと言ってたじゃないですか。
だから、もう一回、SKE48の魅力の中心というかセンターにあるものを考えていきませんか?
これはまではAKB48に対するカウンター的な享受のされ方もあったかも知れません。アオレンジャー的な感じでしょうか?
今のSKE48はアイドル界においてどの色でしょうか?
熊崎晴香というアカレンジャー的要素が強い彼女がセンターの時代だからこそ、アイドル界のアカレンジャーになってほしいな、と僕は思っています。
少し話がそれますが、個人的に青海ひな乃さんは、『仮面ライダージオウ』に出てきた時の仮面ライダーディケイド的な強さを今年は感じました。SKE48劇場に来た時に、「うわあ!通りすがりの青海ひな乃だあ!すべてを壊し、全てを繋げ!」と予告のナレーションを叫びそうになりました。すんごいプレミアム感がありました。もう彼女は、グローバルに活躍して、色んな世界を巡って、いつか、戻ってきてほしいと思っています。
話を戻すと、いやいや、SKE48はまだそんなアイドル界のアカレンジャー的なポジションじゃない、という気持ちも分かります。
でも、これだけ卒業生でたら、今こそリイマジネーションのチャンスでもあると思うんですよね。新しい色になるチャンスといいますか。いや、もうアカレンジャーは渋滞してるから、あえて、もっとすごいアオを目指すという方向性もあるかも知れませんが、そうなるとカウンターになる対象が必要なしんどさがあると思うんですよね。次のセンターが凄いカレーが好きなキレンジャー的な人ならどうなるのか?みたいなアプローチでも面白いかも知れませんけどね。今、書きながら、それが出来てるのが日向坂46だわ、と思いました。
すんごい長々と書きましたが、自分が好きなものが自分が思っているよりも評価が低いと嫌じゃないですか。その時に「仕方ないよ。所詮はSKE48」みたいな考え方や「今のままでも十分。あるだけありがたい」ぐらいまで妥協しなきゃいけないのが僕は嫌なんですよね。
なんか、推し事にそこまで熱さを求めてないよ、という方もいるかも知れませんが、自分でこういう推し事がしたいということが思いつかなくても、推しの夢って、応援したくなりません?
「自分の物語」を今は更新しにくくても、「誰かの物語」を更新できるなら、熱くなれません。もちろん、その二つの物語が重なって、ハイタッチを交わす瞬間が来たら最高ですよね。
魅力あふれるシングルの「音楽」、その方の「人」間性、センターになるまでの、あるいはなってからの「物語」。それが我々ファンに伝わる、共有できる、そして新しいファンのための「体験」が増えて行く2025年になってほしいなと僕は思っています。
入口になる「体験」として、ここ数年は舞台が増えていますが、来年は映画にも期待しています。
「音楽」、「人」、「物語」。
僕はこの3つを切り口に考えましたが、あなたがSKE48に惹かれる要素はこれだけではないと思います。たとえば、僕がもう一つ増やしていいならファンの動画や画像などの「二次創作」を上げると思います。そうなると、残りの2つもかなり変わりそうですよね。
どれが入口として有効かは人に寄りけりだと思いますが、2024年よりもその入り口が増やせるSKE48やSKE48ファンの方々だと願って、この記事を終わりたいと思います。
※公演を観た時の感想はこちら!
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