第14回「変異と適応と鎌田さんについて」
慶應義塾大学特別招聘准教授の太刀川英輔さんの「進化思考」が面白いです。
生物や製品が進化していく過程を9種類の「変異」と4種類の「適応」で考えていく大著です。
たとえば、量の変化を想像することで様々な進化や発明が生まれます。
地球を小さく描きたいと思ったから地球儀が出来たでしょうし、iphoneをもっと大きくしたいと思ったからipadが出来たというような「変量」など、様々な事例が挙げられています。
中でも生態系の競争での生き残り方が描かれた「適応」の賞が凄く面白くてですね。
たとえば、「ニッチ」について書いた章。
生態系ポジションの隙間を狙って自分の地位を作っていくことを生態学で「ニッチ」と呼ぶそうです。
他の種がすでに生態的地位を確立してしまっているところでは競争に負けてしまうので、なるべく競争がすくないところを生物は狙って生き延びます。
コアラのことを考えてみましょう。
コアラが食べているユーカリの葉には猛毒があるそうです。
他の生き物からみたら、「マ、マジか、あんなの誰も食べないよ。お腹こわしちゃうよ」と心配になると思います。
実際にコアラにはユーカリを無毒化する免疫はありません。
ですので、食べながら痺れているそうです。
だから、コアラはゆっくり動きますし、22時間も寝ているそうです。
めちゃくちゃ無理をして「適応」をしているわけですね。
周りの動物、コアラにも食べさせてあげて、と思わず思ってしまいます。
僕は、ふとアイドルについても同じようなことが起こっているのでは、と思いました。
まず、アイドルになるということは、普通の女の子が様々なタイプに「変異」していくことだと僕は思います。
そして、厳しいアイドル界の中で自分なりの「適応」をしていくことだとも。
鎌田菜月さんのサイリウムカラーを皆さん覚えてらっしゃいますでしょうか?
紫1本と白2本ですね。
普通の女の子だと自分の好きな色はあっても、自分を応援するサイリウムの色を持つというのは、アイドルならではだと思います。
鎌田さんのサイリウムカラーについては、こんなエピソードがあります。
ちょっと、2019年12月10日のブログを読んでみましょう。
ううむ、お母さまが好きな色だったんですね。
「ライバルだと思って通したドレスが、相棒になりました」という表現が素敵ですね。
そういえば、鎌田さんって、私服はモノトーンのイメージが強い感じでしたが、そういうことだったんですね。
ちなみに、この紫は彼女にとって安心できる「お守り」のような色になっていきます。
2020年11月16日のアメブロを読んでみましょう。
知らない人たちと出会うロケ番組などで、ちょっと緊張するときに「ほっこり」を感じられるスタッフの方の優しさと色に関するエピソードが素敵ですね。
※本題と少しずれますが、ロケに関する素敵なエピソードがあったので、こちらのアメブロも是非!
さて、鎌田さんがいる48グループは、W・チャン・キムが提唱したマーケティングの「ブルーオーシャン戦略」でいえば、非常に「レッドオーシャン」な状況だと思っています。
2022年現在は勿論ですが、時計の針を5年戻したとしても、色々な席は埋まっていたと思います。それでも、生き残るためにはチャレンジが必要です。
そこで、鎌田さんはこれまでの連載でも書きましたが、様々なチャレンジをしていきました。
そんな鎌田さんのスタンスが分かるアメブロを読んでみましょう。
「たとえ自分の中の努力が結果と比例しないとしても、それが1つの結果であり評価です
『何で頑張ってるのに?』ではなく受け止めて、1つ1つ頑張っていくしかないんです」
そんな彼女のことを見つめていた先輩がいます。
須田亜香里です。
だーすーといえば、この長いアイドル生活の中で様々な「変異」を行い、アイドル界どころか、芸能界に「適応」していったメンバーです。
彼女の目には、鎌田さんはどんな風に見えていたんでしょうか?
「頑張ったこと」に関するスタンスが非常に似ていますよね。
さらにもう一つ。
このアメブロからも鎌田さんが、アイドルの枠に収まらずに「変異」を続けていたことが分かります。
ちなみに、鎌田さん関連で「行動すること」について書いたアメブロも読んでおきましょう。
ちなみに、だーすーに対する鎌田さんの視点を見てみましょう。
ううむ、お互いの良いところを発見し合ってますね。
「ニッチ」の獲得競争には環境負荷を低減させる効果もあるそうです。
「ニッチ」を獲得することでそこに余剰が生まれ、お互いに価値化をしあえば生態系には効率化や安定化が生まれやすいそうです。
SKE48もそうです。
勇気を出して新しい分野に飛び込んでいくこと、自分の色を増やしていくこと、そうすることで周りのメンバーにも良い影響が生まれていくわけです。
それが伝わるだーすーのアメブロを読んでみましょう。
「頑張れ。
そして
鎌田のように頑張らせてくれ」
後輩に対してそんなことを素直に言えるだーすーの凄さと、鎌田さんとファンの方々が起こした「活力をもらえる生誕祭」。
本当に良い関係だと思います。
もう鎌田さんたち6期生はベテランのグループに入ると思います。
多分、これからは若手に混ざってイベントで戦うことになるとも思います。
でも、鎌田さんには遠慮せずに欲張って欲しいな、と思います。
今までは選ばなかった選択をしていく。それは怖いことですが、勇気をもってファンの方々と進んでいく。
「変異」と「適応」を繰り返しながら、人見知りの彼女は新しい物や人と出会っていきます。それは時として疲れることや緊張することかも知れませんが、「月」という名前で覚えてくださった方のように、きっと彼女にとって大事な縁になっていくのではないか、と思います。
2022年、鎌田さんはどんな「変異」を遂げて、どこに「適応」していくのか。
今から楽しみです。
毎月の鎌田さんを考える連載はこちら!
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