見出し画像

おすすめの映画「ザ・ハント」


 公開から既に2週間が経とうとしていますが、日本は「鬼滅の刃」の大ブームで多くの映画館のシアターが平均2~4シアター分ぐらいジャックされています。その煽りを受けてその他の映画は、1日の平均上映回数がちょっと減ってしまうんですね。
 そん中、ちょつと気になって映画がありましてね。
 それがこの映画「ザ・ハント」。
 ちょっと予告を観てみましょう。

 いやあ、「睡眠・食事・殺人」という人間の3大欲求が満たされそうな映画だなと思いましてね(完全にアウトな文章)。
 「人間狩り」というパワーワードもゾクゾクしますし、「ゲットアウト」や「アス」を撮った「プラムハウス」ということで、ワクワクしながら観に行きましたよ。

【ここからはネタバレ全開で書きます】

 まず、深作欣二監督の「バトルロワイヤル」的な展開を予想していたんですが、良い意味で裏切られましたね。
 まず、最初の15分ぐらいは、「んっ?この人が主人公なのか?」と思うと次々と死んでいくんですよね。
 そして、「スノーボール」こと、ベディ・ギルピンの登場によって我々観客は少し、不安から解放されるんですが、ところがどっこい全員が敵なんですよね。
 で、「なんで敵側の人たちはこんなことを?」という疑問が頭の中で駆け巡ってきた時に、彼らがこんなバカげたゲームを開始したのかが明らかになっていきます。
 映画を観ていた時は、「これ、要はアメリカのトランプ派の陰謀論者とかと、その陰謀論の対象にされたリベラル層をテーマに落とし込んでる?」と頭の中で考えながら観ていたんですが、公式のTwitterと『映画秘宝』を読んでみると、なるほど、アメリカの今を感じさせる映画だったんですね。そして、映画の上映を禁止する政府って怖すぎるじゃない、としみじみと感じました。
 最後のデイモン・リンデロフとの優雅なタイマンも良かったんですが、「罠にはめた相手が殺人マシーン」どころか「罠にはめた相手が人違い」ともとれる感じの終わり方が切ないですね。


 あと、気になったのが、僕が観に行ったTOHOシネマズなんばでは、お年寄りがめちゃくちゃ観に来ていましたが、果たしてお年寄りの皆さんは、いったい何を求めていたんでしょうか。
 「わしも若い頃は人間狩りに励んだもんじゃ」とか「デマをまき散らすやつらって本当に最低じゃのう」とか、「お見事!」(別の映画)とか思ってたんでしょうか。
 たまに映画館のロビーで「今から観られる映画ある?」って聞かれてる方がいますが、ああいう感じで入ったんでしょうか。

 サスペンスやホラーとしては勿論なんですが、コメディーとしても楽しめる1作ですし、2020年の今、観るべき映画だと思いますので、是非是非、チェックしてみてください。

こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。