宇和島の兵頭葵さん縁の地を歩こう。第13回「段畑」
この町にアイドルヲタクが密かに暮らしていることは、あまり知られていない。これは、そんな町で出会った若者たちの(中年、老人、子供含む)奇跡の物語である。
※元ネタが分からない人は、円谷の公式動画を観よう!
いやあ、もうすぐ夏も終わりですね。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
STU48の兵頭葵さんが紹介してくださったところに実際に行ってみようというこの連載。
ここ数週間は、ネタに困らないぐらい兵頭さんがツイートしてくださってましてね。
僕も毎晩楽しみにしている次第ですよ。
たとえばこれ。
うんうん、闘牛場。
これも連載で行ったなあ。
うんうん、シロシタに伊達博物館。
これも連載で行ったなあ。
!
段畑?
宇和島市の遊子にある、我が家から約20キロの地点にある段畑?
これは…。
うんうん、九島ね。
行った行った。ああ、みかんジュースの不知火がおいしいわあ。
!
うう、やだよう。
片道20キロでしょ?
往復40キロでしょう?
うんうん、牛鬼マンホールね。
行った行った。
!
多分、このまま段畑から逃げ続けていると「なぜ、あの時行かなかったんだ!」という後悔を続ける人生を送り、今、まさに心臓が止まるという瞬間に兵頭さんのツイートを思い出すに違いない!
うおおおお、やってやるぜ!
エイドリアーン!
さて、まずは宇和島市の観光を司る係の方に話を聞いてみると、遊子まで行く手段はいくつかあるそうでしてね。
一つ目の手段は船。
ただし、1日3本ぐらいなので、結構な時間、段畑に滞在しなければいけません。
二つ目の手段はバス。
こちらは1日7本ぐらい。
土日でダイヤが変わるので注意です。
三つめはEバイク。
シロシタやきさいや広場で借りることが出来て、基本的な使用料が2000円前後だそうです。
四つ目は車!
ただし、僕は車を持っていないし、免許も持っていないので、これはボツ!
「さあ、あなたはどの手段を選ぶ!」と「料理の鉄人」の鹿賀丈史さん風に観光係の方に聞かれたんですが、僕は自分の自転車であるバルシャークで行くことにしました。
えっ、何故かって?
今月はSKE48のシングルが出たから金欠なんですよ!(迫真)
どっかEバイクの会社とかスポンサーについてくれないかしら、と思いながら土曜日の朝に目覚めましてね(つくわけない)。
朝、10時頃に我が家をスタートしました。
写真はスタート地点の宇和島警察署です。
「隠蔽工作も楽じゃーないし、ケツモチは国だからお前に勝ち目はーないし」みたいな警官はいない優しい警察署ですよ(意味が分からない人は『ヒプノシスマイク』を聴こう!)。
さて、国道沿いを宇和島城や駅の方向と逆方向に走って行くと、三浦半島に移動するところが出て来るので、ここを右に曲がります。
で、曲がって5分もたたずに坂道が登場します。
くう、いきなり坂道。
でもね、先日このnoteを読んでくださる方から「一杯の水」というSTU48の名曲を教えていただきましてね。
「坂道が辛いと思わないのは何故?」の部分を、ひたすら歌いながら駆け上がっていきます。
時々、坂道の途中で野生の花や動物に出会うんですが、この日は蝶が沢山飛んでいました。
さて、坂道を登りきると、トンネルが登場。
自転車でもわりと走りやすい道幅です。
トンネルの壁には、仮面ライダークウガのゴウマが付けたみたいな後も!
トンネルを抜けると下りの坂道。
もうね、最近色々なところに自転車に行きすぎて、下る時の爽快感と共に、「ああ、これ帰る時に凄い登ることになるんだろうなあ」という恐怖感も一緒に感じるようになりましてね。
顔の右側は笑っていて、左側は唇が引きつっている「ブギーポップは笑わない」みたいな表情で下っていきました。
坂を下りきると右に曲がってねの表示が。
道を走っていると、なんとも風情があるバス停が。
こういうバス停、なんかのシングルのジャケ写にありませんでしたっけ?
走っていると海の上に浮かぶ小島も。
鳥居もあるので、海上信仰に関係する何かでしょうか。
で、またもや坂道が。
坂道の途中で振り返るとこんな感じです。
そして、登りきる辺りにはトンネルが。
右手側には、段畑の小さいものが。
さてさて、トンネルを抜けて坂道を下ると、「段々畑まであと6キロ」という看板が!
家からここまでの14キロは、そこまで辛くはなかったです。
この辺りから、道のどちらか側が海という状態が続きます。
さらに残り5キロぐらいで最大の難関の峠道が!
なかなかの傾斜でした。
トンネルも道幅狭めなので、ご注意ください。
トンネルを抜けると、今度は「イニシャルD」で高橋兄弟が登場しそうな下り道です。
またもやトンネルを抜けて行きます。
もう使われていない学校も。
さらに坂道を登ると、主張強めの表示が続きます。
ここの坂道もなかなかの傾斜で、写真を撮る余裕がありませんでしたが、なかなかの爽快感と、うわあ、帰り絶対に地獄じゃん、という恐怖でいっぱいでした。
いよいよ、段畑に到着。
だんだん茶屋というお食事処もありますが、僕が行った時は空いていませんでしたよ。
だんだん茶屋の奥に、登り口が!
階段を登っていくと、地元の方から声をかけていただきましてね。
「おっ、お兄ちゃん、兵頭葵さんのブログを書いて、毎回、甲斐心愛ちゃんを差し込もうとする人?その命、神に返しなさい!」と言われることはなく、「おっ、お兄ちゃん。ここ初めて?」という感じでしてね。
見晴らしの良い場所や登りやすい道を教えていただきました。
なんて良い人なんだ。
登っていくと景色が徐々に開けてきます。
ああ、怪獣のフィギュアを持ってくればよかった、と後悔するぐらいの良いロケーション。
さてさて、段畑を登りきると、道が整備されたところが。
果たして、兵頭葵さんが訪れたのはどの辺りかしら、と急にお姉口調になって、捜していくと、下の写真の奥の方に下へ降りる階段が見えてきます。
おそらく、この辺りではないでしょうか?
頂上から、宇和島の海の様子をぼんやりと見ます。
よせては返す波の音、行ったり来たりする船たち。
暫く景色を楽しみました。
勿論、「一杯の水」も聞きましたよ。
ちなみにこの段畑は、下から見ても迫力がありますよう。
降りる時も早く降りることが出来る道を地元の方が教えてくださいました。
何故か、だんだん茶屋の下のところに色々な本を持って帰って良いコーナーが。くそう、僕がでかいリュックで来ていれば!
さあ、帰るか、と道路の表示を見ると、恐ろしい表示が!
今度は、さっき急スピードで下った景色を、登り道ということでゆっくりとした速度で見ていきます。
一回人間によって切り開かれた自然に、もう一度、自然が侵食して元の景色に戻そうとしているかのような様子が印象的でした。
僕ら人間の時間よりも長い時間のスパンがあるんだな、とふと思いました。
ただですね。
ここからは、一切写真がありません。
何故かと言うと、あまりにも辛くなってきたからでしてね。
28キロ地点ぐらいで(片道20キロ)、膝がこの世の終わりみたいに痛くなり始めましてね。ああ、武藤敬司とかはこんな状態で戦っているのか、と想像しながら、自転車を漕ぎました。
手元の飲み物がなくなったので、道沿いの自動販売機で飲み物を補充だぁと思うと、何故か「販売中」のランプがついてなくて、結局、飲み物なしで峠を一つ越えることになりましてね。
久々に頭の中にあの曲が流れ始めます。
ぐおおお、頭がくらくらするぅ、と思いながらトンネルを越えて、自動販売機を発見した時の喜びたるや!
家に辿り着いた時には、すでに13時を過ぎていましたが、足が重くなりすぎて、暫く寝転がっておりました。
翌朝、このnoteを書いているんですが、今のところ筋肉痛だったりはありません。これ、ひょっとして時間差で来るやつでしょうか…。
なにはともあれ、皆さん、段々畑に遊びに行く時は、自分の負担にならない移動手段で行きましょう。
景色も人も良いところでした。
※過去の兵頭さんの記事はこちら!