Vol.2 ながやんとパッション-後編-
みなさんこんばんは!パッションです!
本日は昨夜に引き続き
”ながやん”こと永山由高さんへのインタビュー記事後編です!
前編はこちらからご覧ください!
それではインタビュー、パッション!!
◆”チャーミング”な代表
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組織の代表として、永山さんが普段気を付けていることってなにかあったりしますか?
ながやまさん(以下”ながやん”)
やっぱ永山さんそれダサいですよって、言ってもらえる環境や関係をつくっておく必要があるよね。こんだけ変化のスピードが速くて、価値観も多様化してるから。もう37歳のおっさんの価値観では追い付けない世界がある。気軽にボケられて、気軽に突っ込めるような関係をつくることはかなり大事だなと思ってる。俺からも「てめぇなに笑ってんだww」ってよく言うでしょ。できるだけチャーミングな代表であるように心掛けている。これすげぇしょうもない話やな。
今回の自粛期間中、オンラインMTGでは変顔を披露する永山さん
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いや、めちゃくちゃ大事なお話です!!
「おいてめぇパッションなに笑ってんだ」にはそういう意図があったんですね(笑)
ながやん
仕事については基本怖いと思うんだよおれ。クオリティとか。あ、そんなことない!?甘々?
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いえ、そんなまだ仕事してないからですかね(笑)
ながやん
そっかそっか。ゆうておれうるさいのよ、こだわるしさ。そんな中にもある程度の永山さんダメだなぁみたいな面を持たせておかないとなっていう感じはあるかな。
◆鹿児島に対話と挑戦の協働文化をつくる
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永山さんがテンラボとして大事にしたい部分ってこの何年間の中で変わったりしましたか?
ながやん
根底にある『対話と挑戦の協働文化をつくる』ってことはずっと変わらない。けど役割は考えるようになった。10年前に、こういう仕事をしてる先輩って、鹿児島県内にほとんどいなかったのね。ただ、いまは自分たちも含めて、まちを舞台に仕事としていろんな案件を切り盛りするフリーランスが増えてきた。テンラボはもっと自分たちができること、自分たちに求められていることにフォーカスしていくことが大事だと思ってる。
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例えばどんなことですか?
ながやん
行政と民間の繋ぎ役というか、少なくともパブリックな仕事をいかに柔らかく面白くディレクションするかってことについてはこだわり続けたいよね。いまはまだまちづくり文脈だけど、これからは地域福祉とか公共施設とかも考えていく必要があると思う。やっぱり税金って大事で、もちろん無駄にするわけにはいかない。けれど、公的財源じゃないとできないこともある。民間企業が経済合理性の中で実現できるものとそうじゃないものがあるからさ。経済の中からこぼれ落ちてしまうけど誰かがやる必要があることについて、クオリティを上げていくってことはそのまちにとってすごい大事なことだなって思う。だからココラボ(鹿児島県共生協働センター)をやるし、行政の委託事業も、民間企業の案件も、ちゃんと真面目にやっている。
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なるほど。対話と挑戦の協働文化をつくるっていうのを大事にするきっかけってなんだったんですか?
ながやん
やっぱり大きいのは鹿児島未来170人会議。その旗印をつくる必要があったの。テンラボだけじゃなくて外の人たちも巻き込んで、それをどうつくるかってなった時に、自分たちが総体として目指してるのは何かっていうのを言語化する必要がでてきた。それは真剣に考えた結果でできた。
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どういった背景からでてきたことなんですか?
ながやん
自分たちの街を、自分たちでより良いものにするには何が必要かって話をしたのね。そのなかで、やっぱり踏み出すのには覚悟とリスクがつきものだと。そこを越えて挑戦するために必要なのは、応援しあう文化だよねとなった。で、応援にもいろいろあるんだけど、心からの応援のためには、対話が必要じゃないかと。あとは、一度挑戦したことのある人は、失敗に対しても寛容になりやすいよねということから、挑戦の経験は対話につながるという話が見えてきた。
鹿児島に「対話」と「挑戦」の協働文化をつくり未来へつなげる
『鹿児島未来170人会議』
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テンラボの代表としてこれからどうしていきたいとかありますか?
ながやん
おれが卒業するって覚悟を決めることだよね。
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卒業!?
ながやん
テンラボを引退する。代表が長く居座って良いことはないから。あすみんがいま27とか28とかだと思うんだけど、例えばあと1、2年でおれが引退してあすみんに引継いで、あすみんが30代前半くらいでテンラボに浸かってもらって、あとはそれを次の世代が受け継いでやっていく。どっかで止めても良いと思うけどね。元々うちは解体することが目標だからさ。そうなるといいけどね。今うちがやってる仕事もうちじゃないとできない仕事じゃないから。
対話と挑戦を続けるって安定しないってことだからすごい難しいんだよ。常に挑戦し続けるってことはこれをやったら大丈夫ってことがない世界に居続けることだからさ。そうすると組織として挑戦し続けられるような仕組みをつくる為に、中の人たちもどんどん入れ替わり、その時々で大切な対話と挑戦を続けていくってことが大事なんじゃないかな。
◆やらないと変わらない。やってればいつか変わる
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テンラボ以外でベンチャー企業のecommitや他でお仕事をされていて、テンラボでのことが活きていたり、他のことがテンラボで活きていることはありますか?
ながやん
めちゃくちゃある。テンラボでは世の中の風をよんだり、いま社会でどんな人がどう困ってるかを考えてる。それは実はビジネス上のいろんな課題、いろんな情報を新しく入れる際にすごく大きなチャンネルになってる。どうしてもecommitとかに限らず既存のビジネスプレイヤーってプロダクトアウトで考えがちだけど、テンラボの仕事ってそんなの関係ないやん。誰が何に困ってるのかから全てがスタートするから。そういう意味でecommitの重要な意思決定をする時に、おれみたいな半分外の人間がいることでそれが今の時流をみれてるか、それがイケてるかどうかの判断の制度は上がってると思う。
逆でいうと、基本資本主義のごりごりのベンチャー企業って成果に対してめっちゃシビアなの。どうしてもテンラボはプロセス型の組織だから、結果出なかったとしてもプロセスに何かしら評価すべきものがあればそれで良いって思いがち。けどおれは半分ecommitの人だから結果出してなんぼって世界でもあるわけ。だから経営者としての覚悟とか、1つの組織がビジネス主体として責任を果たすとか、そこのチューニングはさせてもらっているよね。お客さんに対してやりますっていったことはやらんといかんのよ。
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なるほどぉ!
永山さんにとってまちづくりって言葉をどう考えてますか?
ながやん
おれまちづくりって言葉使うことほとんどなくない?
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ないですね。
ながやん
まちづくりってのはターゲットや対象がみえないから危険。まちって誰なのか、それで喜ぶのは誰なのか。誰のどんな課題に対してどうアプローチするかが漠然とするから危険な言葉だと思う。
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抽象度が高い言葉ですもんね。
ながやん
そう。町民って人はいないからね。それは山田さんであり田中さんであり佐藤さんでありって話。誰のどんな何に対して何をするのかってことにしか興味がない。そうすると変数が変わり続けるよね。10年前のおれにできることと、いまのおれにできることは流石に違う。同じように10年前に誰かのためにやってたその誰かが今は全然状況が違う。だからやることも当然変わる。だから危険。
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どうすればそれがもっとみえてきますかね。
ながやん
なんにしても早く現場を持つことだよね。じゃあその現場って何かといったらやっぱり自分なんだよ。自分が当事者として考えられるテーマは何か。
おれでいったら自分が36歳で地方都市に住んでて、ベンチャー企業を経営していて、自分自身が経営者でもあるのがひとつの出発点になる。おれはおれのみえてる世界を飛び込えた問題提起はできない。
例えば子育て中の父親でもあるし、妻と家計を共にする夫でもあるし、いろんな役割がある。けどひとつひとつ役割を飛び越えたアクションっていうのはやっぱ持ちづらいわけよ。
テンラボをつくり始めた時は20代後半の男子で時間がクソほどあって、だからそれをどう社会に活かすかって問題意識があったし、だから読書会が生まれた。それは誰かの何かを解決しようって前にまず自分の何かを解決しようとしていた訳だ。
今だと、自分がベンチャーで働いていて、採用するのにめっちゃ苦労してるし、一方でこの鹿児島で暮らす子育てをしながら鹿児島で生きていくってことの魅力をめちゃくちゃ感じてる。だけどそれが中々広く多くの人に伝わってないことにもどかしさを感じてるから 『Kagoshima Lovers Project』 みたいなのを立ち上げてる。
『Kagoshima Lovers Project』はこちらからチェック!!
自分がビジネスの殻に閉じ篭って息苦しくなってるからエアギターを始めた訳で、全ては自分が今何を持ってるかだとか、どんな状況で何を喜びと感じて何をストレスに感じてるかみたいなことに対して解像度を引き上げていく。
エアギタリスト"エアネスサイゴウ"
そうすると自分に何ができるかとか、それは本当にお金を貰えなかったとしても自分はそれをやりたいと思えるのかとか、もし今日で死ぬとしても、もしくは後一年で自分が人生を終えると思ってもそれをやりたいと思えるかとか。そんなことが判断基準になってくる時代がもう来てんじゃないかって気がする。流石に日本で生きててなかなか死なんよ。生活保護だってあるしさ。そうするとお金をたくさん貰えれば幸せになるって価値観なんてとうに崩れてる。そしたらどっちかというと、いかに幸せに生きるかって戦いで、それがおれにとったら対話と挑戦の文化を広げることだったり、新聞が今リアリティを持って課題だと思うことを自分がちゃんとそれに向き合い続けることだったり、そうした結果今に至る。それでテンラボに求められるものってやっぱり対話と挑戦だと思うわけ。そうすると歳をとればとるほど失敗も成功もしちゃった結果リスクをどうしても取れなくなっちゃう。だから世代交代が必要。流石におれは大失敗しないからね。けど大失敗しないと先はないからね。
おれ今多分めっちゃいい話してんなぁ。
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めっちゃいいお話です。ありがとうございます(笑)
ながやん
パッションもそろそろ自分の何かを始めた方がいいかもね。
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そうなんですよね…。
ながやん
ね。でもれいこっぷも始めるまで5年かかったからね。あすみんは3年か。
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やっぱり今は鹿児島市内に住んでいるけど、早い内に、なんなら今すぐにでもどっかのまちに住んで、それこそいちプレイヤーとしてもやっていくのが1番当事者意識を持つことができるなって思いますよね。
ながやん
それはそうかもね。自分は何の専門家として何と向き合うのか。それを決めるだけで物事を見る時のひとつの軸足が置けるからね。おれはいま九大の院に通ってて、学問っていうある種絶対的なロジックの世界に対してほんと無力なんだって思う。
それでもおれは、コミュニティデザインの人で、鹿児島のフィールドでおれよりも官民連携の事例とか、小さな挑戦を行政が後押しする仕組みづくりについて現場レベルでおれ以上にやってる人はいないっていう薄〜いプライドの氷の上でどうにかこうにか戦ってる訳よ。いや先生そう仰いますけど現場ではこうですよと。そういう机上のロジックと現場の間のバランスをとる為にもここにいるんですって言えるかどうかがそこのテーブルに座れる最低限の資格みたいな。逆に言うとそれがあれば誰とでもちゃんと向き合える。それがなかったらそもそも話ができないからね。でもそんな自分のこれまでを紐解いてみたらいくらでもある訳じゃない。自分は何者で何の専門家なのかとか。
おれは元陸上選手で、日本ランキングでは7位までいって、自分の人生を一度スポーツに全エネルギーを注ぎ込んだ期間が6年あることがおれを支えてるところがかなりあって、それが多分立場をつくってるんだよね。自分は何者でどの立場でこの状況とどう向き合うのか。
そういうチームをつくろうってやってきたのがテンラボだから、それはテンラボは何者で、テンラボはこの状況にどう向き合うのかって考えるのはつまること、そこにいるひとりひとりが私は何者で私はなぜここにいるのかっていうことを常に考え続ける必要がある。そのへん腹括ってるのはあすみんとかれいこっぷとかりえさん。今うちで役員の面々は、自分は何者で何をする為にここにいるのかっていうのが強くある。願わくば全員が役員になって、「よしお前がやるっていうんだったらやれ」ってお互いにそう言い合えるチームをつくるのがベストだよね。やっぱり担当のディレクターなり役員なり、ひとりひとりが自分が持ってる案件に背骨を通していくっていうのが大事だよね。
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これからもっと自分が何者で何をする為にここにいるのかってことを考えていきます。
最後に鹿児島を良くしたいって思われていて、実際に仕事をしてきてどうですか?
ながやん
仕事の額がやればやるほど大きくなったり、話をする人が係長級から課長級、課長級から部長級になって…と、どんどん偉い人が出てくるようになる(笑)そうやって自分のネットワークが広がっていくことの面白さとか、ラジオの仕事からテレビの仕事になったり、選挙特番のMCやったり、自分の仕事の幅が広がることに対する無邪気な喜びみたいなことは感じる。でもやればやるほどそんな単純なものではないし、おれ1人がどんだけ頑張っても鹿児島が劇的に変わるわけじゃない。そういった難しさをやればやるほど感じるよね。
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それでも永山さんがやり続ける理由ってなんですか?
ながやん
いや、そりゃもうやらないと変わらないからでしょ。
やってりゃいつか変わるから。絶対。
編集後記
はい!ということでパッションインタビュー第2弾
「ながやんとパッション」でした!
いや、すごいですよね。すみません、語彙力が皆無です。
でもほんとそんな感じ。前編後編通してグッとくるものがあります。
「おれはおれのみえてる世界を飛び越えた問題提起はできない。」
だから本も読むしいろんな人に会うし学び続けるしそれを自分の中に落とし込むためにnoteもかくんでしょうね。
大学のゼミで口酸っぱく「外に出ろ」って言われていたのもこんなとこなんじゃないかな。わからないけど。
いやー、この記事みるだけですごい勉強なります。
やっぱりこれからがすごい楽しみだ。
ながやまさんありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!!
パッション