キッチンハイターの魔法
みんな白くなる
僕はわりと綺麗好きな方だと思っている。
車は汚い。汚いというかボロい。アンティークな物も大好きなので、なんというか、あいつの家は薄汚れていそう、古びてカビたものがたくさんありそうだと思われる方もいらっしゃるかもしれないが、うーん、半分あたって半分ハズレである。
生活圏においては、意外なほどアンティークな物は使っていない気がする。
冷蔵庫だってなんかタッチパネル式だし、キッチンも実は2018年くらいに一新していて、人造大理石とかいう真っ白なシンクだ。お風呂もなんかパネル式だし、というかアンティークなお風呂ってなに?猫脚のやつ?あれは貴族のもんやで!
それで、手が空いたら僕はけっこう掃除を始めてしまうのだけれど、あぁ、このへんはおばあちゃん譲りだなあ。
僕のおばあちゃんは元々食堂のおばちゃん的な人で、「お残しは許しまへんで〜!」とか言ってたかどうかは知らんのだけれど、工場の食堂で社員さん達にご飯を作る人だった。だから料理はとても上手だったのだが、掃除もめっちゃ上手だった。
片っ端から捨てていくのである。
使ってなさそうな物は捨てる。捨て魔だった。それで家族とトラブルになった事もある。
「あれ捨てちゃったの?」
「捨てたよ〜ホコリ被ってたし」
「まだ使うのに!」
こんな会話が繰り広げられていたように記憶している。うちのおばあちゃんは今でいうミニマリストの走りである。
おばあちゃんの思い出話になってしまった。
まあ僕はおばあちゃんの血を引いているからか、結構本当に掃除は嫌いではなくて、よくやる。捨て魔でもあるのかもしれない。
僕はカビが嫌いだ。
突然の告白である。ちなみに研究したりしている人以外で好きな人はいないと思う。
キッチンやお風呂につく、なんか赤みがかったカビ。あれは一体なんなのでしょうね。うちだけ?
最初は激落ち君で擦ったりもしていたけれど、めんどくさくなってしまって、そしたらお掃除YouTuberみたいな人が
「キッチンハイターをかければ一撃ですよ」
などと紹介していたので、本当かよ〜とかけてみたところ、本当に綺麗になった。
まるで魔法のように綺麗になった。
あの塩素っぽいニオイも良い。なんか消毒されてる感があるし。
シュッシュ、と、汚れたところにはキッチンハイター。なんかクセになっている。あんまりやりすぎると良くないのかな。
汚れを落とす魔法使いになった気分だ。