若く見られる
34歳である
もう本当にこれは、最近とくに多くなっている気がするのだが、年齢を聞かれて34と答えると、
「エッ」
と驚かれる。本当に多い。これは一体なんなのだろうか。お世辞?おせじ?
ちょっと待って、なんか「お世辞」って、改めて漢字を見てみると、ちと怖い。
「世」を「辞」めるのである。世捨て人か何かだろうか。いったいどういう事なのだろう。調べるのは面倒なので、この謎は謎としてとっておくことにする。いつか明かされる時がくるのを待とうと思う。
とにかくだ。僕は34歳に見えないと言われる事がよくある。
顔が幼いからだろうか。いや決してそんな事はない。よく見れば、いやよく見なくても不細工だし、皺もけっこうある。目の下は、たるんでいる。
「いやなにこの造形wwwww草生えるwwwwwww」
とか言われてもおかしくないくらいに、ちゃんと不細工である。だから違うと思う。
あれか、身長的にか。確かに僕の身長は、中学3年生の女子くらいのものである。
つまり、れっきとした、小さいおじさんなのだ。若く見られる要素なんてないと思っている。
…あ!わかったぞ!髪型か!
同級生の中にはたまに、毛髪が残念なことに家出というか、二度と戻らない旅に出てしまった人もいるのだが、僕の髪はまだなんとか、ちゃんとそこにいてくれている。大地にちゃんと根を張っているのだ。エライ。
だから僕は、毛先をよく遊ばせている。パーマである。
大体、半年に一度くらいの頻度で、パーマをかけているのだ。
それか!そのおかげか!髪型ブーストか!
じゃあこれから、僕の髪がちゃんと抜けていってくれれば、若いと思われる事もなくなる。答えが出たぞ!
その時こそ、真の小さいおじさんが完成するのだ。
僕はその時を静かに待ちたいと思う。