Gについて
ここでいうGとは重力のことではない
誰もが忌み嫌う虫、害虫のことである。
字面でさえ気分を害する人がいらっしゃるであろうから、表記をGとする。決してゴ◯キブリなどとは書けない。失敬、ゴキ◯リとは書けない、であった。モザイクがずれてしまった。
彼らは本当に嫌われ者である。姿を見られただけで「ギィヤーー!」と叫ばれるし、スリッパで叩かれたりもする。スプレーにより息の根を止められたりもする。そう、生きているだけで害をなす、ということで、攻撃あるいは撃滅の対象になってしまっているのだ。
しかしちょっと待ってほしい。
彼らがいったい何をしたというのだろう。
彼ら、いや彼は、攻撃力はゼロである。攻撃する術を持っていないように思う。
「私は噛まれました!」
「僕は鋭いトゲに刺されました!」
「俺は毒を注入されました!」
そんな話は、僕は一度も聞いたことがない。彼は人間からは逃げ惑ってばかりいるように思う。思い浮かべると、彼はこちら(人間側)に向かってきていることはあまりないんじゃないか。
彼を思い浮かべるときは大抵こちらに背を向けている気がしてならない。
確かに彼は素早い。動きもまぁ、きもい。しかしだ、それだけである。バイキンなどは持っていると思うが、それでも進んで攻撃はしてこない。武器がないのだから。
そういう意味では、僕は好戦的なスズメバチや、全身毒針のムカデなどの方がずっと脅威に感じる。毛虫も怖い。毛虫も全身に毒を持っていたりする。ゴキブ○リなんてまだ可愛い方じゃないか。
あとは多分名前も悪い
○ゴキブリ。これはいったい、誰が名付けた名前なのだろう。悪意を感じてしまう。
カブトムシ。漢字にすれば兜虫である。いや甲虫か。
てんとう虫。天道虫、か。
アゲハ蝶。揚羽蝶、になるのだろうか。
コガネ虫。黄金虫。
うん、上記の虫たちの名前はとてもかっこいい。
それに比べてゴキ○ブリときたら、もうどうやって漢字にしたらいいのかさえわからない。
例えばそうだなぁ、「キューティブラック」とかだったらどうだろう。ちょっとファンタジーすぎか。
わかった、「黒光虫」はいかがだろうか。「クロビカリムシ」と読んでしまった方がいるとすれば、まだまだである。「コクコウチュウ」と呼ぼう。これなら図鑑に載っていても恥ずかしくない名前であろう。
「茶羽黒光虫」(チャバネコクコウチュウ)である。うん、多少はマシになったのではないか。
攻撃力がゼロの彼らをそこまで目の敵にしなくても、と思った今日この頃であるが、そういえば先日、僕は叩き潰したところだった。本当あいつら嫌い。