公道サーキット
たまに見かける
ヴォンヴォン!と、とんでもなくうるさい音を響かせて、バイクでも車でも、一般道を爆走している車というのは、ここ北関東ではよく見かける。
彼らは一体、どうしてしまったのだろうか。
日常生活で湧いて出てきてしまった、怒り、悲しみ、憎しみ、その他諸々の、行き場のない感情を、爆走することによって発散、ぶつけているのだろうか。
本当に迷惑極まりない限りである。
そんなに爆速するのが好きならば、サーキットで走ってみたらどうだろう。
サーキットであれば、爆速、爆音、そして何周でも、時速何キロでもご自由にどうぞといった感じだ。
公道を爆速している彼らのバイク及び車は、まあそこそこ改造などもしているのだから、これはもう公道で迷惑をかけまくるのはもうやめて、その道で天下を目指すのが良いのではないか。
現状ではただの迷惑でしかない存在だが、サーキットで一番になれば、それはもうヒーローとして讃えられる。
「コイツァ昔、公道を走り回ってた迷惑ヤローでね…」
「やめてくれよ、おやっさん」
「マフラーなんかにゃ穴をあけて爆音でね…本当にうるさくて仕方なかったんだ。それがよォ、今じゃ…」
「やめてくれよ、おやっさん…でも、感謝してるぜ…ただの迷惑ヤローだったこの俺を、サーキットに呼んでくれて…」
「素質はあったんだ。ワシの見る目は、腐っちゃいなかった。育ててやれよ、おめぇの後釜、ってやつをよォ。ワシゃもう、引退さ。最後にオメェさんというサーキットの宝を残せて良かった」
「泣かすんじゃねぇよ、おやっさん…」
こんなやり取りだって、生まれる可能性はあると思う。
もう本当、ただちに、公道をサーキットと勘違いしている人は、本物のサーキットにいったほうが良いと思う。
レースの世界に、飛び込んでみませんか。
※ちなみに僕はサーキットもレースのことも一ミリも知らない。