今日読んだ雑誌「日経ものづくり」2016年3月号

今日読んだ雑誌は「日経ものづくり」2016年3月号です。

62ページからの「数字で見る現場 成功のカギは顧客ニーズにあり」で、新規事業のきっかけや成功・失敗について266社のアンケート結果がまとめられています。全部で6つの質問が掲載されているのですが、3つほど紹介しますね。

しつもん:新規事業開発のアイディアはどこからか得ましたか?

 顧客の要望 ・・・ 63%
 社外セミナーや異業種交流会 ・・・ 41%
 トップの考え ・・・ 34%

しつもん:新規状がうまくいった理由は?

 顧客ニーズとの適合性 ・・・ 50%
 トップの意識 ・・・ 40%
 技術力 ・・・ 39%

しつもん:新規事業が失敗した理由は?

 顧客ニーズとの不適合 ・・・ 31%
 トップの意識の低さ ・・・ 26%
 技術力の低さ ・・・ 29%

もう、成功するのも失敗するのも全部理由がおんなじやん・・・

新規事業が成功するか否かのカギって、確度の高いテーマをどれだけたくさん出せるかにあると思うのですが、そのスタート地点とも言える「アイディアをどこから得たか」の質問の回答のほとんどがアイディアは他人任せ、よそから持ってくるという回答が多くて、社内からのアイディア出しで新規事業がうまくいったという回答は13%しかない惨状です。

アイディアを顧客やトップが考え出して、成功するのも失敗するのも顧客やトップのせい、とまとめると強引すぎるかもしれませんがそんなふうにこのアンケート結果は読めてしまいます。記事のタイトルは「成功のカギは顧客ニーズにあり」ですが「失敗の落とし穴は顧客ニーズにあり」であっても成り立つ記事です・・・。

日経のアンケートなので対象は多くが大企業だと思うのですが、それであれば社内に必ずアイディア出しを得意とする人がいるはずで、でもそういった人たちが企業の隅っこで目先の仕事に追われながらひっそりと無駄に時間を過ごしているのだろうなぁ・・・と思うととても残念です。

・アイディアはあるけど、どうやって上に上げたら良いかわからない

・主業務に関係ないアイディアを口にするのがいろいろな意味で怖い
・アイディアを口に出しても、勉強不足の中間管理職が勝手に却下する
・飛び抜けたアイディアを企画管理部門が担当者の理解の範囲で凡庸なものに変えてしまう
・誰もが良いアイディアと思ってもそこにリソースを回す企業の余裕が無い

そんな悩みを抱えている人、組織がたくさんあることがアンケートからチラチラとのぞいてます。人や組織が変わることは簡単なことではありません。でも、一人一人が少しずつで良いから変わることで、時間をかけて大きな変化につながっていくので、組織の隅っこでひざを抱えている人は、本当に少しずつで良いので、出すぎた杭にならないようにバランス感覚を持って変わり続けて欲しいな、と思います。そうすればまわりも変わります。

よく「出すぎた杭は打たれない」と言われますが、日本の企業はまだそこまで至っていないと思うので、ちょっとずつ出ましょう。そしてある時、気がついたら自分はいつの間にか出すぎた杭になってたけど、まわりもみんな出っぱった杭になっていた・・・。それが日本式の理想かな、と思います。

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