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佐々木朗希について、ロッテファンの目線から。

※この記事は、1/22放送「クローズアップ現代」の放送前に執筆したものです。



1月18日、目が覚めていつものようにインスタグラムを確認すると、rouki.sasakiの新しい投稿に去年よく見た青い帽子が映っていた。

まだ目の焦点はあっていなかったが、ロッテが手塩にかけて育てた金の卵のドジャース入りであることはすぐに分かった。


佐々木朗希は、ドジャースとマイナー契約することで合意したとのこと。気になるロッテへの譲渡金は、たった2億5000万円だそうだ。


この記事では、ロッテファンの目線から背番号17の放出を語っていきたい。


1."エース級"


昨年11月、朗希がポスティングを使ってメジャー挑戦するというニュースが流れてきた。

まず思ったのは、「は?」である。

なぜ「は?」なのかは、
最後まで読めば野球を知らなくてもよく分かる。


朗希のルーキーイヤーは、1軍に帯同しながら体力作りに専念するという、なんともつまらないものだった。
そこに関しては、身体が出来上がっていないまま試合に出て、怪我されても困るので納得はしていた。

そして二年目。中日とのオープン戦で、初実践。

ついにベールを脱ぐ160キロ右腕にロッテファンだけでなく世界の野球ファンの胸が躍った。

ビシエドを三振に取ったあのストレートは、私たちが想像していた遥か上。これはとんでもない投手がうちに入ったなと思った。

しかしシーズンが始まってみると、球速はそこそこ出るものの「意外と打たれるな」といった印象だった。やはり球が速いだけでは一軍の打者には通用はしないのか。

そんな杞憂を吹き飛ばした2022年。シーズン開幕から異次元のストレートで160キロ超えを連発し、名だたる打者を相手に三振に取りまくった。

吉田正尚、浅村栄斗らが手が出ないストレート。
ベース付近で鋭く落ちるフォークにきりきり舞いしていた。

そして4月10日、完全試合を達成。
当時最強打者・吉田正尚が三打席連続三振。

最後の打者・杉本の三振は今でも思い出すとニヤけてしまう。バットに当たる気すらしなかった。

こうして朗希はロッテにいなくてはならないエース級の投手に成長した。

日本人最速の球を投げ、フォークやスライダーなど変化球の精度も抜群。完全試合も達成。

投球の内容はすでにメジャートップクラスの投手と比べても引けを取らない朗希。
ではなぜ、朗希は"エース級"なのか。それは、稼働率にある。

■佐々木朗希シーズン別登板数・投球回
2020年 登板数0
2021年 登板数11  投球回63.1
2022年 登板数20  投球回129.1
2023年 登板数15  投球回91
2024年 登板数18  投球回111
計64登板  投球回394.2

この登板数の少なさを見てもわかるように、朗希は1年を通してローテーションを守ったことがない。
普段よりも出力を上げて投球すると、登板の次の日には「肩の違和感で登録抹消」というニュースが流れ、1か月以上後の復帰ということがザラに起こる。
そのため、登板過多にならないように他の投手よりも間隔をあけて登板したり、出力を下げて「ローテを守るための投球」にフォルムチェンジしたが、それでも離脱を繰り返した。

朗希の稼働率が悪いのは、
同世代・ドラフト同期のオリックス宮城の登板数と比べても一目瞭然だ。

■宮城大弥シーズン別登板数・投球回
2020年登板数3   投球回16
2021年登板数23  投球回147
2022年登板数24  投球回148.1
2023年登板数22  投球回146.2
2024年登板数20  投球回141.2
計92登板  投球回599.2

ロッテファンに言わせてみると、
「朗希全然投げてねーじゃん」ということになる。

エースとは、チームの顔であり、先発投手陣No.1の実力を持ち、圧倒的能力を遺憾なく発揮し続ける人間。

朗希は、たまに出てくるすごいヤツ。

だから、"エース級"止まりで朗希はロッテを去ることになった。


2.「VISION2025」


ロッテは、2022年に突如として「VISION2025」を発表した。
"2025年に常勝軍団になっていること"という明確な目標を現場・フロント・ファンで共有することとなった。

1974年から勝率一位でのリーグ優勝を達成できていないロッテにとって、そしてロッテファンにとって、より一層応援に熱が入る大きな目標となった。

そして2025年。ロッテは佐々木朗希を手放した。
ここが一番おかしいポイントだと思う。おかしい。おかしすぎる。信じられない。

そもそも日本の選手は、ポスティングシステムか海外FA権を行使しないとメジャーリーグでプレーすることはできない。

ポスティングシステムというのは、メジャーリーグに挑戦する際に「選手が希望を提出し、それを球団が容認」という流れで行われる。

つまり、球団が容認しなければ選手はメジャーに行くことはできない。

球団としてポスティングを認めないとあらかじめ決めている球団もある。

そんなポンポンと選手に出ていかれたら、ファンもつまらないし、球団としても大痛手だからだ。

そんな大痛手を、ロッテは笑顔で朗希を送り出し、「挑戦を応援する」ムードにした。

筆者だって、多くのロッテファンだって、朗希が好きだし応援している。これからも応援したいと思っている。

でも、メジャーに行くのは
1年間ローテーションを守り、ロッテを優勝に導いてからにしてほしかった。

これがファンの総意だと思う。


3.25歳ルール


もう一つ問題がある。それは譲渡金だ。
現在のメジャーでは、25歳未満かプロ6年未満の海外選手とはマイナー契約しか結ぶことができないという決まりがある。

マイナー契約ということは、契約金や年俸がメジャーとは桁違いに低くなる。

そして、前所属の球団に入る譲渡金ももちろん同じだ。

今回、朗希は23歳で海を渡った。
譲渡金はたったの2億5000万。

あとたったの二年だけ待ってくれれば、莫大な譲渡金を手に入れることができたであろうロッテにとっては大きな損失だ。
昨年、オリックスからドジャースにメジャー移籍した山本由伸が72億円の譲渡金だったことを考えると、同等もしくはそれ以上の譲渡金がロッテに入る可能性が高かった。
譲渡金が入れば選手の補強や球場の改修工事・移転だってすることができたはずだ。

ロッテはその多額の譲渡金をドブに捨てたといっても過言ではない。

ファンだって、朗希がメジャーに行く引き換えに譲渡金を得て、戦力強化の結果、優勝できればそれが一番うれしい。

しかし今回、「朗希もいなくなったし金ももらえねーし」という状況になったから全員モヤモヤしているのである。

それでも、朗希がメジャーに行く話をするとファンの仲間はみんな「でも、頑張ってほしい」と最後に口をそろえるから、朗希は本当に愛されている選手だと実感する。


4.2025年シーズンを迎える想い


ファンはみんな、朗希が好きだ。
でもそれ以上に、ロッテが好きだ。

ロッテの優勝が見たいから、北へと南へと全国各地を飛び回って、声を枯らして応援する。

「ロッテ貧乏」=ロッテの応援に行きすぎてお金がない
という言葉が存在するほどだ。

ロッテは今年、朗希を欠いてシーズンを戦い、"常勝軍団"になれるのだろうか。

もちろん、今年優勝したからといって"常勝軍団"になれるわけではない。

今後10年、20年と勝っていけるだろうか。

やる前から諦めているわけではない。

朗希がいなくなったって、小島がいる。

種市がいる。西野がいる。

ソフトバンクから石川柊太も加入した。

将来有望な田中晴也もいる。木村優人もいる。

野手では、藤原だって、髙部だって、怪我がなければ侍クラスの選手になれる能力がある。

2025年は、ボビーバレンタイン率いるマリンガン打線で優勝した2005年からちょうど20年。
もう一度、パリーグをかき回し、セ界を33ー4で叩きのめすマリーンズが見たい。

VISION2025を掲げる今年。
下位予想をするプロ野球OB達を驚かせる順位で走り切り、マリンで吉井さんを胴上げしたい。


最後まで読んでくれてありがとうございました。




ここからは、理想の世界。笑
でも全部、不可能な数字じゃないぞ!

2025年 千葉ロッテ

(中)髙部 .352 4
(右)藤原 .325 12
(捕)佐藤 .298 10
(一)ソト .260 25
(指)ポランコ .242 25
(左)岡 .280 8
(三)安田  .270  5
(二)藤岡 .270 5
(遊)友杉 .250 1


種市  15勝
小島  15勝
石川柊  10勝
西野 10勝
石川歩    8勝
サモンズ 8勝

田中晴 5勝
中森  5勝
唐川 5勝

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