水はすでに燃えた後の状態
だいぶ不思議なタイトルです。
化学雑学の話で面白かったので書きます。
燃焼が起こるためには、可燃物、酸素供給体、点火源の3つが必要です。
水の化学式はH2Oですね。
水素は可燃性ガスです。さらに酸素も含んでいます。水を熱したら、燃焼が起こる3つの条件が揃いそうです。
しかし水は燃えたりしません。
燃焼とは、ある物質が「酸素」または「酸素を含む物質」と激しく化合して化学反応を起こし、その結果、多量の熱と光を出す現象、とされています。酸化と化学的には同じです。
燃焼は熱や光をともなう酸化であると言えます。
H2Oの中で燃焼が起こるのではなく、H2が燃焼した結果H2Oになったということですね。
水素が燃焼して酸素と結びついたから、水が生成されたというわけです。
水は燃焼の結果です。
とはいえ実際には、水素を空気中に放置しておいても、自然に発火して燃焼するということはありません。
常温では水素が酸素と化合して水が生成される反応は非常に遅いです。
化学反応が起こるとき、反応原系からエネルギーの高い遷移状態を経て生成系に移行すると考えられています。
この遷移状態と反応原系とのエネルギーの差を活性化エネルギーと言います。
温度が高くなるほど、反応が起こるために重要な高いエネルギーをもつ分子の割合が増え、反応速度が増大します。
水素と酸素を反応させる実験は自宅で簡単に行うことができます。
①チャッカマンの火花をワニ口クリップで点火プラグにつなぎます。
※チャッカマンの液体ガス部分は取り除きます。
②チューブ状のものに水素2:酸素1の割合でガスを入れて点火プラグを差し込みます。
※実験用のガスは理科学用品売り場で売ってます。水素2:酸素1のガスはあらかじめビニール袋などで作っておき、ストローなどを用いてチューブに流し入れるとスムーズです。点火プラグを差し込まない方のチューブの口はティッシュなどで軽く栓をしておきます。
③あとはチャッカマンのスイッチを入れるだけです。
大きな音と光が生じるので、安全には十分留意する必要がありますが、小中学生でもできる簡単な実験です。
反応後、水蒸気が生成されてチューブ内が曇ります。
自由研究にもおすすめです。