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マグネシウムが心臓を守る

マグネシウムはあらゆる心疾患、老化の防止に有効です。
あまり知られていませんが、マグネシウムはエネルギー代謝や糖利用、たんぱく質合成など人の生命維持と、血管や神経を含むあらゆる細胞の機能維持に必要不可欠なミネラルです。

マグネシウムは大部分を食事から摂取します。
食生活やストレスの多い環境で不足することがあります。
マグネシウムが不足すると以下のような問題が生じます。

・動脈硬化の進行
・老化の進行
・あらゆる心疾患のリスクが高まる

マグネシウムは交感神経を抑制するため、血圧を下げる働きがあります。
心臓の筋肉(心筋)にある血管は、交感神経の末端から放出されるカテコラミンという物質に反応して収縮します。
血管が収縮すると血圧は上がりますが、マグネシウムはこのはたらきを抑制し、血管を拡張します。
血管が拡張することで血圧が下がり、さまざまな臓器の血流が改善されます。
マグネシウムの働きによって臓器の保護につながっています。

心筋梗塞とは、心臓を取り巻く冠動脈の血行が滞り、酸欠と栄養不足によって心筋が壊死した状態です。
冠動脈の血行が悪化した際、心筋はアデノシンという物質を放出し、心臓を保護します。
マグネシウムは、このアデノシンの分泌を促す酵素を活性化させます。

1990年と1993年に45〜74歳だった約8万5千人について、食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患との関連を調べた研究があります。
食事によるマグネシウム摂取量を推計し、循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)の発症との関連を検討したところ、男性では、食事からのマグネシウム摂取量が一番少ないグループに比べ、摂取量が一番多いグループで、虚血性心疾患の発症リスクが34%低いという結果が認められました。

また、1995年と1998年に計9保健所管内に在住していた45〜74歳のうち、循環器疾患、がんの既往のない追跡可能な約8万5千人を対象として、食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患との関連を調べた研究もあります。
食事からのマグネシウム摂取量が一番少ない群の発症率を基準とし、循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)発症率を比較検討したものです。
虚血性心疾患の発症リスクは、男女とも、食事からのマグネシウム摂取量が増えるほどリスクが低下する傾向がみられました。
男性においては多い群からリスクが低くなり、女性では中間~多い群でリスクが低くなりました。
さらに、女性では全循環器疾患の発症リスクでも低い結果となりました。
食事からのマグネシウム摂取量と脳卒中との関係は認められませんでした。

マグネシウムは、もともと海の中に存在している物質です。
昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類、海水から精製された塩などに豊富に含まれています。

マグネシウムを多く含む食品

・海藻類(昆布、わかめ、ひじきなど)
・海水から精製された塩
・ナッツ類(ひまわりの種・ゴマ・くるみ・アーモンド・カシューナッツなど)
・豆類(きな粉・大豆・木綿豆腐・油揚げ・納豆など)

下剤は便を強制的に体外へ排出する作用がありますが、体にとって重要な栄養素まで排出されてしまい、体内のバランスが崩れる要因になります。
マグネシウムには穏やかに排便を促す効果もあるため、便秘を解消したい方にもマグネシウムの摂取はおすすめです。

マグネシウムはある程度摂取基準の上限を超過しても体への影響はほとんど生じないとされています。
摂りすぎによる問題はまず心配ありません。

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