映画 脳天パラダイスを見てきた
はい、見て来ました。映画 脳天パラダイス
俳優の田本清嵐くんが出演するとの事で夏から楽しみに待っていたのですが、見てみたらまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜斜め上すぎて色んな意味で衝撃でした。視聴後は脳の処理が追いつかぬままTwitterで「たすけて…」としか呟けなくなっていましたが、大好きな推しがコーヒー豆に食べられて全く関係ない別の女性の股から成人男性のままローションに塗れて生まれてくるなんて経験今後一生ないですよ普通。助けて欲しいです。
まぁそれは一度端の方に置いておきまして、真面目にこの『脳天パラダイス』という映画についてこねくり回して考えてみたのでここに書き連ねて置こうと思います。
1.映像作品としてのテーマ、根幹は何か
私がこの映画を見ていてなんとなくこうなのかな?と思った所、この映画の根幹となるテーマとなるものは何かと考えた時に出てきたのが『死と生』『破壊と創生』また『めぐり巡ること』です。
引越しも結婚式もお葬式も人生の転機、また終点になる大きなイベントであり、生と死込みの人生に繋がってる出来事だなぁと思いまして。私、人生は巡り巡る物だと考えているので、生きることも死ぬこともお金も土地も人間も、ぐるぐる巡って回って最終的にはどこかの終着点にたどり着くのをしっちゃかめっちゃかの映像の中で表現してるのかなぁと見ながら勝手に思っていました。セックスなんて1番「生」に深い行為ですし、喫茶店のマスターとゆうたくんもコーヒー豆に食べられて生まれ直して実質生と死の両方を体現していましたしね。作中何度も死んで生きてまた死んでいた柄本明さんも生死を体現してますね。てかこの人が代表だわ。
私的には、特にあのコーヒー豆の怪物?化け物?なんだあれ、コーヒー豆が個人的に1番巡り巡るを感じた要因でした。手のひらサイズのちっちゃい(?)豆だったのが色んな人に慈しまれながら大きくなり、他者を糧に進化して最終的には破壊されてしまう。でもそこで終わりじゃなくて、残骸から出てきたコーヒー豆が芽吹いてまた新しい生命を形作る。これって子供時代→独り立ち→死からの種の継承までの流れなんじゃないかな?と冷静に考えた時に思ったんです。生きて死んでまた生まれて、巡って繰り返していくこの感じ、これってこの世の生き物全てが行っている命の循環のメタファーなのかなぁと感じたわけでございます。あとコーヒー豆を庭に植えたのがあのセックスしまくってたカップルだったのも「子供」とか「妊娠」に対するメタファーだったんじゃないかなと思ってます。知らんけど。
2.監督の意図、撮りたかったものは何か
もみくちゃでめちゃくちゃな展開とは裏腹に、最終的な展開は結構呆気ない終わり方をしていて 無意識にグワーッと上がっていた気持ちがクールダウンされていく感覚がしました。この映画、結論として家族仲は修復されず、借金は逆に増え、さらに引越しも結局する訳ですから、世間一般で言うところの「良いエンディング」ではないと思うんですね。良かったね!で終わらずにどこかモヤモヤが残るあの感じ。最後をああいう終わり方にしたのは、17日の公開直前舞台挨拶でいとうせいこうさんが仰っていたように、昨今の作品にある感動を求める風潮や涙を誘う展開、あと言い方は悪いのですが所謂ご都合主義的な展開に対するアンチテーゼだったのではないかなと考えています。でも、巡って回った先の終着点が完全に元通りという訳ではなく、それぞれの登場人物が一夜のパラダイスを経て得たものがあるからこそ最後に家族写真を撮ろうという展開に至ったのでは無いでしょうか。
でも、なんとなく今回監督は強いメッセージ性を出すような映画は作りたくなかったんじゃないかな?とも思っています。まぁ、私は監督の他の作品見たことないので分かりませんが。また近いうちに見たいです。
3.最後に
ここまで映画を見ていて感じたことや思ったこと、考えたことをつらつらと挙げ連ねて見たのですが、正直まだどういう意味だったのかが分からない所も多かったんですよね。ブランコに乗りすぎて木の棒になっちゃった男の子とか、お風呂に溶けちゃった男の子とか、とこなめの水とか、大麻作ってたお兄さん達とOLのお姉さん、作中での大麻の意味とか。とにかく分からないことだらけです。もしかしたら意味なんて元々ないのかもしれません。
公開初日に見に行ってそこから3日間、色々頭をひねったりこねくり回したりして考えてみました。多分『脳天パラダイス』という映画の楽しみ方としては間違っているのかもしれませんが、一応自分の中の混沌としていた感想や考えに落とし所はつけられたと思います。多分2回目、3回目に見たらまた新しい発見や解釈も出てくるかもしれません。さすがに映画館でもう1回観るのはスケジュールと金銭面で厳しいので是非円盤化お待ちしています。清嵐くんもっと見たいし。
監督、スタッフ、出演者の皆様。撮影お疲れ様でした。これからまた舞台挨拶とか色々あるかもしれませんが頑張ってください。
そして最後に。
古田新太を無駄遣いすな!!!!!!
では。