【5】「頑張ります」で人は変わらない。仕事ができる人の共通点とは? #小原課題図書
#小原課題図書 もようやく5週目。数が徐々に増えてくることで、本と本がつながり、知識にも幅が増え、より具体的なアクションに踏みこめるところまできたように感じます。
『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』
『エッセンシャル思考』は本当に良書だと思います。仕事に追われる立場になっている人は、ぜひ一読すべき。
人は往々にしていろんなことに手を出し、それらをどれも中途半端にしてしまいます。本書ではそんな人たちを「非エッセンシャル思考」と呼び、何も得ることがないときっぱり。「エッセンシャル思考」を持つことが、事を為す最短の道であると説いています。情けない状態から脱する方法は、がむしゃらに頑張ることではなく、要素を捨てること。
エッセンシャル思考を手に入れる具体的なプロセスは、ざっくり以下の通り。
エッセンシャル思考を手に入れるには、まず基準を作る必要があります。厳しく基準を作り、該当しないものには「No」を突きつける。断ることが怖いという人も少なくないですが、往々にしてそれは杞憂であることが多いとも。基準を明確に持っていれば、その選択にはきっと誰も文句を言わないのだそう。
とにかく不要な要素を削ぎ落とし、まずは自分がやるべきことのみを周囲に並べる。そして次にやるべきは仕組み化です。
エッセンシャル思考の人たちは、努力や根性で物事を考えません。だらけているわけではなく、意志よりも強い「仕組み」を作ることで嫌が応でも努力するサイクルを作っているのです。
人間は往々にして弱い。意志に勝てるのは、仕組みだけ
「頑張る」と決めたところで何も変わらないのは、すでに自分も経験済み。よく新年に目標を声高に宣言する人たちがいますが、彼らがそれを叶えたところを見たことがありません。残念ながら、もちろん僕もその一人。
これは最近の課題の一つですが、本気で何かを達成しようと思ったら相当な努力が要る。とはいえ、自分の意志がそんなに強くないことは自明。ではどうしたらいいのか…。そこで効果を発揮するのが「仕組み化」なんだそう。やらなければならないことを洗い出し、それを妨害する原因(=ボトルネック)を生活から取り除く。
スムーズにことが進む状態を整えたら、習慣に落とし込むことで仕組みにする。「努力しよう」といちいち気合いを入れるまでもなく努力する習慣をつくる。これがエッセンシャル思考の武器。今僕はこれを絶賛体現中(挑戦中?)です。
現在の問題点は、いつも最善の状態を想定して日程を組み、しかしそうは行かずに苦労する。その繰り返しで内省をする時間さえ取れていないこと。瑣末なことに追われて本質を見つける時間が正直設けられていません。
詳しくは別途noteにまとめる予定ですが、今やらなくてはいけないことはとにかくボトルネックを早く特定して、それを取り除くこと。そして最も重要なことを見極めて、そこにエネルギーを注げる仕組みを作ること。仕組みだけ作っても、ボトルネックが改善されない限り仕組みが機能しないことを身をもって知ったので、今週はボトルネックの除去に時間を割きます。
『憂鬱でなければ、仕事じゃない』
幻冬舎の見城徹さんとサイバーエジェントの藤田晋さん、2人の時代を牽引するリーダーの共著。新しい時代を築き上げた二人の思想は言葉はあまりにも強烈で、自分が持つ弱さを鋭くえぐられました。
どこまでも成長することをやめない見城さんの人生観は、たやすく真似することができない。一般人が想像しうるような「努力」とは比較できない圧倒的なパワーで毎日を生きて、仕事に人生を賭けていました。見城さんを痛烈な言葉に目をやると、今の自分はたやすく夢を語っているのではないかと心が痛くなります。
一流になること=基礎を極めること
本書で語られているのは(僕なりの解釈ですが)、「一流の仕事を成し遂げるためには、基礎を極めなさい」ということ。名刺の渡し方もそう、挨拶もそう、会話に工夫を凝らすこともそう。当たり前のことを当たり前にできずに、一流にはなれないのだといいます。
確かにこれらのことを全部やろうと思ったら憂鬱でしかない。丁寧な挨拶をすることや、気の利いた会話をあらかじめ用意しておくなんて面倒すぎる。これが仕事なら、正直先が思いやられると思う人も少なくないはずです。
ただ一方で、僕はこれが心理だとも思う。挨拶をしっかりすることも、気の利いたことができるのも、全部仕事(=人様のためになすこと)の初歩の初歩。基礎をなおざりにしていたら、それ以上のことはきっとできない。まずは当たり前のことを当たり前にできなければ何も始まらない。
孤独の中で苦しみに耐える。そして苦しみを楽しむ
通読して最後に思ったのは、「自己評価で他人の評価は変えられない」ということ。いつだって自分を評価するのは社会で、社会の評価はいつだって平等。どれだけ努力した気になっていても、誰かが認めてくれない限りそれを努力ということはできない。
それを成し遂げるには、いつだって自分の生活が、仕事が、他者の存在によって成立していることに気づくことだと思う。他者のために全力を尽くすことは、ひいては自分に戻ってくる。
怠惰な自分に「No」と言い続けるストイックさを身につけなければならないと、最近の生活を猛省するきっかけになりました。
『たくらむ技術』
最後はテレビ朝日のヒットメーカー、加地倫三さんの『たくらむ技術』。加地さんの仕事論について書かれています。テレビ業界の具体的な話を抽象化して説明しているため、非常にわかりやすく納得できるのが良かったです。
加地さんの流儀には見城さんの考えにも通づるところがあり、仕事ができる人たちの共通点を見てとることができました。106ページに書かれている仕事が遅い人の特徴=ペース配分ができていないというところもエッセンシャル思考に通ずる部分があります。
わりと細かく具体例をもって説明しているので、これ一冊でどうということはありませんでしたが、エッセンシャル思考に触れて、見城さんの流儀に触れて、そして加地さんの噛み砕かれた仕事論を読んだことでいろいろ見えたことがありました。
仕事ができる人に共通する4つの極意
今週のまとめっぽくなりますが、加地さんの本を通読したところで「仕事ができる人に共通するポイント」が自分の中にできました。
どれも難しいことではないように感じられますが、それを全てにおいて遂行することがどれだけ大変か。少し話題が戻りますが、これがエッセンシャル思考なのではないかと思います。
トラブルを回避するには、トラブルを予測する冷静さがなくてはいけない。ルールを決めるには、ルールを作る基準をもっていなくてはいけない。礼儀礼節を重んじることは、当たり前のことを当たり前に遂行することの原点。愚直に遂行するには、それらが習慣として根付いていなければいけない。
今週の3冊はどれも自分にとってタイムリーなことばかりでした。5月は一ヶ月かけて、これらを自分の当たり前に落とし込めるように考え、遂行する時間にしたいと思います。