さえりさんは優しさの塊、仕事のプロだった。インタビュー編集後記。
※本文は2016年9月7日に公開されたものです。
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思いの丈をぶつけたら、インタビューを応援してくれた
僕はもともとさえりさんが大好きでした。「文章を書く」ということが好きな僕にとって、どんな人の心にも「スーッと」浸み込んでくるような、等身大の言葉を紡ぐ彼女は憧れの存在なんです。
今はただの学生ライター。ここからしっかりキャリアを積んで、いつか一緒にお仕事をさせてもらえるような時が来たらいいなって2年間くらいずっと考えていました。叶うはずもないな…とは思いながらも、人間って単純なもので、それだけの想いでただただライター活動をしていたんです。(今もそうですが)
LIGのホームページでいつものようにさえりさんの記事を読んでいた時のこと。そこにはさえりさんの退職エントリーが掲載されていました。4月1日だったので嘘かと思ったのですが、これがどうやら本当らしい。さらにはスペインに行くとおっしゃっていたので、なんだかんだ一生帰ってこなくて、もう会えなくなるんじゃないかなんて思い始めたんです。(本当にお前は誰なんだよ)
そして気づいたら、さえりさんに「インタビューさせてください」とメールを送っていました。これが、もともと作りたかったインタビューメディア・キキタイコトを実際に動かすことになったきっかけです。
とにかく読むのが面倒なくらい長いメールを送ってしまったのですが、さえりさんから「応援します」とのお返事が。メディアを作ることは計画していたものの、まだホームページも作っていない、ライターの実績もほとんど無い。そんな状態だったのに、インタビューを快く引き受けていただきました。さえりさんは優しさの塊です。
さえりさんは、学生から将来のキャリアについて相談されることが多いらしい。
さえりさんからのお返事に書いてあったのは「学生から将来のことについて相談されることが多い」ということでした。「素敵な文章で、みんなに届けてください」という優しい言葉をかけていただき、とりあえず覚悟が決まりました。これから社会人になっていく若い世代にとって、参考になる情報をインタビューを通じて届け続けよう。そんな想いが湧いてきたんです。
就職活動や企業情報に関するウェブサイトは世の中に溢れているので、さえりさんのように新しい働き方…これまでの概念にとらわれずに、「個人を売り出して働いていくスタイル」を提案しようというコンセプトも、この時に思いついたような気がします。
実際にインタビューするにあたって準備したこと
インタビューに関して素人だったので、その日から必死にインタビューに関する記事を読みました。まずは、LIGが掲載しているインタビューのノウハウ記事に目を通して、インタビューに関する所感が書いてある個人ブログを読んで。
あとは阿川佐和子さんの著書『聴く力』も読みました。今になって本当に実り多い内容だったと思い返しているのですが、実際のインタビューではここに書かれているテクニックが全くと言っていいほど使いこなせませんでしたね…。「人の話を聴く」という意味で非常に参考になるので、一冊持っていて損はしないです。
さえりさんがこれまでに書かれている記事やインタビュー記事は、見つかる限り探して読み直してみました。もちろんtwitterもつぶやきをチェックしまくりましたね。最後の方はもう妄想を見て楽しんでしまっていましたが…。
とにかく「準備が大切」なことはわかっていたので、改めて「さえりさんってどんな人なのだろう」って調べ直したんです。そうすると、次第にどんなことを聞きたいのかってわかってきます。
これはちょっと話がずれてしまうかもしれませんが、場所の設定にも時間を割きました。企業と違ってオフィスを持っていないので「インタビューの場所に使わせて欲しい」ということを、とりあえず喫茶店をまわってお願いしたんです。幸いにも親切な方がいらっしゃり、広い場所を用意してくださったので無事に場所の確保ができたのですが、見つからなかったら大変です。実際インタビューは雑音が入る場所だと大変なので、事前にしっかり準備しましょう。
インタビュー当日、結局自分の相談になってしまっていた。
当日、待ち合わせ場所で顔を合わせた時にはもうガッチガチでした。緊張が頂点に達して、いきなり「お疲れ様っす」なんて声をかけてしまう始末。(知り合いかよ)そのあと10分くらいは何をお話ししたか覚えていません。
お店に到着していざインタビューを始める時もとりあえず緊張しっぱなし。こっちが緊張してたら、インタビュイーだって緊張してしまいますよね。何やってんだろ。あとで音源を聴き返したときに、みっともない言葉遣いだったことにも後悔しました。このへんは普段から気をつけないといけないポイントだと思います。
そして、ここからが最大の反省点。質問をして、答えが返ってくるだけの「無機質なやり取り」のままでは会話が膨らまないと感じたので、何か話さないといけない…そう考えていたらなんか自分の話をし始めていたんですよね。「これお前のインタビューじゃないぞ」って感じ。
それでもさえりさんはその話にも親身に寄り添ってくださいましたが、もうなんやかんや全体の3分の1くらいは僕の話になってしまっていたような気がします。これは本当に反省です。時より会話を挟むというのも大切ですが、やはりこっちは聞き手。相手の話を引き出すことに徹する必要があります。
原稿のやり取り、本気で添削していただいたことに感謝。
無事にインタビューを終え、音源とメモをもとに文字起こし。そしてそこから記事を作る。できた記事をさえりさんにチェックしてもらう。誤字がないように必死でチェックしたのですが、でも、「ただそれだけ」で終わってしまっていました。
さえりさんから返ってきた初稿には、赤字すら入っていませんでした。「もっとこういう風にやるとよくなるよ」「ポイントはこういうところだよ」とアドバイスをいただいたのですが、要するにやり直し。本当悔しかったですし、実力不足を痛感しました。
インタビュー記事にも書いてありますが、さえりさんは、とにかく読者にとっていい文章を届けたいと考えている方。お仕事には一切の妥協がありませんでした。
とても悔しかったのですが、本気で向き合っていただいたことにとにかく感謝です。しかも、スペインにいらっしゃる本当に忙しい時に。ありがとうございました。
初めてのインタビューで得た大切なこと
技術的なポイントはたくさん未熟なことがありますが、まず大切なのは相手のことをしっかり知ること。相手の大切な時間をいただいているのに、何も準備をしないなんてもってのほかです。
もう一点、読者にとって価値のある記事であること。自分が知りたいことを直接聞けるというのもメリットですが、そのために時間をもらっているわけではありません。「読者はどんな人をイメージしているの?」とさえりさんに聞かれた時に、まだまだその認識が甘かったなと反省しました。
読んでくれる人のことを考えて、いい記事にする。いい記事にするために事前準備をしっかり行う。もちろん実際に記事を作る時も、読者のことを第一に考える。インタビュイーのこともしっかり考える。ややこしいですが、インタビューには記事を作る上で大切なことがたくさん凝縮されていました。
さえりさんへ
さえりさん、インタビューを快くお受けいただいて、本当にありがとうございました。「すぐにライターになる必要はないよ」とおっしゃってくれましたが、僕は優秀なライターになりますよ。いつかお仕事をご一緒させていただけるようになります!
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こんな嬉しいツイートまで…!本当にありがとうございました。
さえりさんのインタビュー記事はこちらから!
さえりさんから就活生へのメッセージ。人生は「やってみなきゃわかんないこと」だらけ。
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