制作ノート2 青春バスターズ
学生の感想 第2弾!
『伝えられなくなる前に』を制作した、青春バスターズより学生の感想です。
この度「伝えられなくなる前に」で主なストーリー、瀬名梓希のキャラデザを担当させていただきました。
主軸となるテーマは「恋愛」と「青春」。キャラクターの関係性だけを決めて、グループのメンバーが各1人ずつのキャラクターを考えて持ち寄って生まれた作品です。他の作品と違い参考にした原作などが存在しない分、私の願望だけが大きく反映されて産み出されてしまった作品です。(ちなみにですが、私が瀬名を考えたいが為に、怜奈は男子学生が考えました。)
運悪く教育実習が授業序盤と重なってしまい、戻ってくるなり「爆弾」「タイムリープ」というフィクションならではのトンデモ設定が追加されていました。
オーディオドラマ自体は他のメンバーよりも聞いていたというか、マンガ原作のドラマCDやイベントも朗読劇などが主流だった時代を全力で生きてきたので「これはいける!」と思っていたのですが、実際取り掛かってみると凄く難しい。
例えるならアニメ。原作から映像と効果音、セリフ、その他視聴者が脳内で補って100%を目指すわけですが、このオーディオドラマでは受け取り手は絵や原作がない作品をセリフと音だけで伝えられるわけです。この時点で100%にしなくても良いというのがまた難しい所で、ある程度設定やセリフを伏せて受け取り手に任せる、想像させるという楽しさを残す必要があるのです。反対に言えば、聞いた人の分だけたくさんのストーリーが生まれます。
このオーディオドラマのテーマが「今、私たちが伝えたいこと」だったので、実には2021年を生きてもらいました。コロナウイルスの影響で当たり前のようにマスクをし、瀬名に風邪か心配される描写。私たち学生でさえ登校できない時代を生きるなんて入学当初は思いもしませんでした。
他にも、実在する探偵アニメのネタなどわかる方にはクスッと笑えるネタを入れています。オタクならではの「伏線」もめちゃくちゃに張ってありますので、何度も聞いていただけるとより楽しめるかと思います。
マンガやアニメではご都合設定でいとも簡単に屋上でサボれますが、実際の学校は滅多なことでは屋上に入れません。(その前に出席不足で怒られます、私は寝坊して高3のとき体育の授業でそうなりかけました。)
絶妙にリアルとフィクションがリンクした作品であって欲しいなと思っていました。
私の完全な偏見ですが、割と真っ当に生きているのにつまらない、幸せじゃない感じることってあると思うんです。私の「今」がまさにそうで、真面目に生きてきたのに結果取り残されているような、見た目とか人付き合いとか、派手な方が楽しそうに見えるというか。焦らなくてもいいとは分かっていても、いつの間にか構築された「普通」や「理想」から外れるのが怖い。
もちろん一目惚れとかそういうのも大切で、何かを理由関係なく好きになって人間変われることも沢山あると思うので。「好き」「愛してる」「推し」「憧れ」「尊敬」…色々あって難しいですね。
どうしても簡単にくっついて欲しくないというか、4人とも人生を通して色々な感情を持って生きてきたので、最後の試練としてたくさん頑張ってもらいました。相手に対して誠実に向き合ってくれる子であって欲しいなと思います。
元々制作側を目指して専門に行こうと思っていたのですがそう上手くはいかず、せめて現場で見ることだけは諦めたくないと思い現場へ足を運びやすい都内の大学を選びました。いわゆるただの「オタク」です。しかし、コロナウイルスの影響で一変、せっかく取れたどれだけ良席のチケットも紙切れに変わる日々が続きました。
私自身、「オタク」でいることを長い間否定されていました。現実を見ろとよく言われ、抗う気すら失いかけていました。周りが望む通りになっても自分にとって大切なものは否定され続ける、自分が自分らしくあればあるほど生きづらい。とうとう自分を支えていたもの、生きがいがなくなり初めて「鬱」にぶつかりました。そんな時に出会ったのがこの授業でした。
しかし、人生そんな上手くはいきません。チケット運にステータスを全振りしている私は、見事にゼミの希望で落選を食らうわけです。渋々第二希望のゼミに友人たちと…と思ったらここで転機が訪れます。第二希望のゼミは一日に何時間か集中して行われる講義だったので、教育実習で公欠扱いだったとしても講義内容に大きな差が生まれてしまうのです。これはもうどうしようもない!と友人たちを残してこのゼミにやってきたわけです。
基本的な知識も技術もなければ環境もない、流行りに乗ると「ひよってる奴」だった私にとって最初で最後のチャンスだと思いました。作品自体はもちろん、事務所オファーからSNS展開の提案やアンケート作成、読み合わせ、収録の現地参加までどの学生よりも関わらせていただき本当に感謝しかありません。
授業ではありつつ、「大学の課題」では終わらせたくない、キャストの皆様もコンテンツも盛り上げていきたい…1人だけ熱量が違いすぎるのですが、ただの「オタク」だからこそ譲れないのです。
読み合わせ、収録現場でも勝手ながら時間が押すくらい個人指導させていただきました。良さげな言葉を使うと総合演出ですね。キャストの皆様、特に先生には台本制作時から何時間もミーティングさせていただき本当にご迷惑をお掛けしました。図々しいオタクです。
特に山本さんは、瀬名というキャラクターを何度も何度も落とし込み、台詞のひとつも妥協せずに向き合って「瀬名梓希」を作り上げ、本当に大切に演じてくださいました。瀬名、世界の誰よりも幸せになってくれ…そう思ってしまう私は親バカでしょうか。
インタビューでも作品だったり瀬名の名前やセリフをたくさん出していただき恐縮です。キャストの皆様にはこれから沢山の作品、役との出会いがあると思いますが、その一つとして大切にしていただけたらと願っています。
実は、瀬名には私が教育実習中に暴走して作った細かい設定やAnother Storyがあります。今みると実習中に考えたとは思えない内容量でした。尺の都合上カットになり公にできる日が来るかはわかりませんが、もしかすると私が手がけて公開される最初で最後のキャラクターかもしれません。発表されなくても、貴方の思う瀬名を愛していただけると嬉しいです。(なんなら二次創作も大歓迎です。)
「伝えられなくなる前に」では「環境」が原因で全員が大切なもの、当たり前なはずの日常を失っています。
私もこれから最後の教育実習を控えていますが、学校行事どころか登校すら週一何日か…なんて本当に信じられません。学生時代青春を謳歌できたとは全く思えませんが、その機会さえないというのは本当に寂しいです。
私たちは実のように過去に戻ることはできません。でも未来を創ることはできます。しかもそれは自分次第で良くも悪くもなってしまうので難しいですね。
いわゆる「フィクション」は、誰かにとっては「夢」であり「願望」であり、非現実的かもしれません。しかし、そこに込められた「感情」や「場面」は現実でも重なる部分があり、リンクするからこそ寄り添ってくれるような魅力があるのだと思っています。
どれだけ頑張っても報われないこと、やるせないこと、鼻をおられることが多い日々が続きますが、作品の中のほんの一瞬でも、聞いてくださった誰かの救いに、支えに、希望になりましたら幸いです。
他の学生とは思い入れを含め大変異なるとは思いますが、この活動自体が私自身の大きな救いになりました。キャストの皆様、先生、私のジャンルの幅を広げてくれた、作品作りにあたり妄想に付き合ってくれた友人各位、かけがえのない推し達、本当にありがとうございました。
どれだけ素晴らしい作品も、頭の中にあっては、愚策同然。形にしてはじめて光を浴びる。よし、うだうだ悩むのは終わり。挑戦、することにします。
いつの間にかこんなにも大きくなったプロジェクト、オーディオドラマ「今、私たちが伝えたいこと」、公開までもう暫くお待ちください…!
【シノプシス🔅】
仕事に追われ忙しい日々を送っていた実(みのる)は、帰宅途中に占い師に「後悔していることがある」と呼び止められる。はっとした実であったが占いを信じないため無視するように通り過ぎた。次の日、目が覚めたらなんと6年前にタイムスリップ!それは大切な人を守れなかった、運命の日だった!!
【登場人物👤】
💙佐藤 実 (さとう みのる) cast #安堂大空
24歳 サラリーマン →18歳 高校3年生
内気な性格で、自分を表現することが苦手。文化祭前日で起きた事件でずっと片思いをしていた幼馴染の怜奈に気持ちを伝えられなかったことをずっと後悔している。現在はいたって普通のサラリーマン。
❤鈴木 怜奈 (すずき れいな) cast #土本紗希
18歳 高校3年生
明るく可愛らしい、人気のある美少女。視野が広くいろんな場面で気が利くが実には特にツンデレ。実と瀬名とは幼馴染。
💚瀬名 梓希 (せな しき) cast #山本隆太
18歳 高校3年生
事故で母親を亡くし、父とも関係が悪化したため祖母と暮らしている。その祖母も高1のときに亡くなり、一人暮らし。イケメンで髪色は明るいが根は真面目で成績優秀。実とは幼馴染で親友。
💛黒金 佳奈子 (くろがね かなこ) cast #大塚杏奈
18歳 高校3年生
成績優秀で真面目な文学少女。黒髪で前髪ぱっつんロン毛。クールに見えるが、実家がヤクザのため他人とあまり関わらないようにしている。
【オーディオドラマ公開期間】
OBA PLANNING note (本サイト)
2021年 10月15日(金) 14:00 open
2021年 10月31日(日) 23:59 close
※オーディオドラマ本編掲載記事は有料となります。
※本活動で得た収益(各種手数料を除く)は支援団体を通じて全額寄付させていただきます。
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