【日記】布団に針落とした。

にちじ4月30日 じかん未明 てんき雨


布が弱っていたのか、抱き枕にしていたクッションが破れた。中身が綿で良かった。
正直そのままでも支障はないけど、何故か枕元に裁縫箱があったから穴を塞ぐことにした。
子供の頃は今よりも目が良いくせ、糸を針にを通すのが下手だったし、なんだかよく分からない銀色の奴に頼らなきゃ満足に授業を受けられなかった。
なのに、目が悪いアラサーの今の方が針の穴がよく見えるし、すぐに糸を通すことが出来た。不思議だが、悪い事では無い。むしろご機嫌になってさあ縫うぞ〜と玉結びをしようとしたらこれだ。指に刺した。痛い。注射が嫌いなくそざこニートにそんな酷い仕打ちある?
なんて転嫁したような物言いをしても被害者も加害者も両方私。なんて無情な。
一先ず縫い始めよう。しっかりと縫い付けたいからと、小学生の頃に習ったブランケットステッチとやらをしてみようと思った。試みもしてみた。でも正直やり方を覚えていないのでチクチクと自分の手を刺しながらガタガタで無様な縫い目に目を瞑りながら補修をしていく。
ようやく塞がったぞ〜と玉止めをした。出来たけど縫い目からだいぶ遠い位置に出来た。もう一度リベンジしようとしたら、糸から針がすっぽ抜けた。
ここで粗忽の本領発揮。布団から出たくないが故にここまでずっとベッドの上から移動していなかったのだ!
するとどうなる?布団に落ちて見失う。
雨降りで日の出がいつかも定かじゃないようなふざけた天気でクリーチャーはうるさいし、私は焦るし、頭が回ってない中で探し方も思いつかない。
とりあえずと、怖々と掛け布団に落ちたのだからと手を押し付けて針の感触を探す。見つからない。
マットレスに落ちたか?と掛け布団を身長に手繰り、また同じように手を押し付ける。
ならばと、名軍師尾花そこつの灰色の脳細胞が炸裂した。電気を消して、スマホのライトでベッドを照らせばいいと。そうすればライトの光に反射する場所こそが針の在り処だ。そう思ったからである。
結果、無かった。もう諦めよう。日が登りきってから掃除機で吸い上げてとりあえずの安心を得よう。私の体に刺さったとて自業自得で諦めは付く。いや痛いのは嫌だが。
そう決めて大きなため息を吐きながら視線をずらすと、あった。
マットレスのカバーの皺の間に挟まってギリギリ落ちずに食い留まっている。床を探すNEXTステージが発生しなくてよかった。
とても良かったと胸をなで下ろして元あった場所にしまい込んだ。
ずぼらに裁縫は向いてない。
この件で得られた成果は歪な縫い目のクッションとその再確認だけである。
幸先が悪すぎて今日はいい日にならない気がしてきたので早く明日が来ればいい。


ここから先は

250字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

与太を語りて銭を貰いつつよろづの事につかひけり。 (尾花の血肉になったり、活動を豊かにする為に使います)