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「敗れざる者たち」沢木耕太郎
おそらく人生で初めて読んだノンフィクションだった。
読んだのは、確か中学生時代。
塾の講師が勧めていたから、近所のダイエーの書店で購入したのだ。
と、さらっと書いたがけっこう運命的な出会いだ。
塾の講師、今40を超えてみるとあの塾講師達は、若い兄ちゃんだったな。
でそいつらが人生を学べる、なんてうんちくをかましていて、今なら若造が何言ってんだ、ってなったと思うが、あの頃は影響を受けて読んでみる気になった。
そして現代のようにインターネットで本が買えるわけでもなく、大型の書店と言えば東京にしかないような時代、地元の本屋で買えたなんてなんとタイミングのよかったことか。
そんな出会いをした本だ。
でもどこに行ったか、実家を探してみるかな。
沢木耕太郎といえば「深夜特急」だよね。
大沢たかおで映像化もされていて、代表作だ。
といっても読んだことも無いのだが。
だってたくさん出てるからなかなか手が出なくて、、
まず1作目から読んでみようかな?
でも読んだら旅に出たくなってしまいそう。
そんな沢木耕太郎のスポーツノンフィクションの傑作が本作だ。
登場するスポーツ選手は、今となってはかなり昔の人々で、知っている人も少なくなっていると思う。
当時読んだ自分でも、スポーツ偉人伝のような番組で見たことがあるなぁぐらいの人達で、今の人だとピンとくる人はいないんじゃないだろうか。
だが、知らないと言ってもつまらないということはない。
スポーツは大半の人間が経験している。
子供のころから打ち込んでいる人もいれば、部活にて経験しただけの人もいるが、誰しも勝利に向けて邁進する経験を少しはしたのではないだろうか。
スポーツの経験がなくても、まったく上を目指す経験をしたことがない人はいないだろう。
そんな経験があるから、プロになる・プロになってひたすら勝利を目指す人々の苦悩などが心に刺さるのだろう。
求め続ける人、求道者の人生を読むことが出来る作品だ。