南アフリカホップ Southern Passion (サザンパッション)
麥酒釀造の御緣からで南アフリカのホップを使う機会がありました。
南アフリカでは1920年代からホップが栽培され、1970年代から商業的にホップの栽培がされてきたそうです。第一次世界大戦ののち、世界的にホップが不足した影響で、南アフリカの醸造業者たちはホップの入手困難に陥ったことがきっかけにホップ栽培が始まりました。
Southern Passion (サザンパッション)
香りの特徴 (Aroma specification)
レッドベリー、パッションフルーツ、キンセンカ(calendula)、メロン、グアヴァ、ブラックカラント、タンジェリン、グレープフルーツ
ホップ品種の起源
Saaz と Hallertauer
主な栽培地域
南アフリカ
ホップのプロファイル
アルファ酸: 5 - 12%
ベータ酸: 4 - 6%
総オイル含有量: 0.6 - 1.3 [mL / 100g]
ファルネセン: 1 - 3%
カリオフィレン: 7 - 14%
フムレン: 17 - 39%
ミルセン: 12 - 35%
リナロール: 0.5 - 0.7%
ゲラニオール: 0.4 - 0.5%
使ってみた感想:
私個人の感想としては、ビタリングのために使うとクリーンな特徴を出す優秀なホップという印象です。ここは遺伝的な起源がザーツ種やハラタウ種だというところにも起因しているのではないかという印象を受けます。苦味が非常にクリーンです。普段に、クリーンな苦味を求めるためにMagnumのような品種を使っている人ならSouthern Passionに代替してみるのは非常に良い選択肢かと思います。
プロファイルに書かれている大げさにまで書かれているような、レッドベリー、パッションフルーツ、グアヴァ、メロン、ブラックカラント、キンセンカといった特徴は正直に言って控えめです。ないというわけではありません。あります。しかし、ニューワールド系ホップを基準に考えるのであればかなり控えめと言えるでしょう。
即ち、このホップはホップ特徴をガン押しにしたスタイルのビールが向いているかといえば、そうは言えないのです。
クリーンな苦味特徴、特徴的な香りを持ちながらもやや控えめ、、、、
つまりは、ジャーマンラガーのようのビアスタイルに向いています。ZA Hops(南アフリカホップ)では説明で、アメリカンスタイルやベルジャンスタイルのペールエールやIPA、セゾンに向いていると書いていますが、こちらを鵜呑みにしてホップ特徴をガン押ししてやろうって気でいるならガッカリさせられるかもしれません、
しかし、もう一度書きますがこのホップは苦味が非常にクリーンです。ペールエール、IPA、セゾンでクリーンな苦味を出すためのホップとしては間違いなく活躍すると思われます。
加えて私個人が強く推したいポイントでありますが、ZA Hops(南アフリカホップ)では書かれていませんでしたが、クリーンなラガーをつくるために本当に向いているホップです。むしろ、ラガーのビタリングホップとして最適なホップと言えると思います。
なかなか使う機会の少ないホップでしょうが、Southern Passionを使うのであれば、ラガータイプのビタリングホップやセゾン、クリーンなIPAの支えとしてのビタリングで使ってみるのはかなりのおすすめです。
言ってしまえば、高アルファのドイツ系ホップの使用手法での使い方がある意味間違いない使い方ではないかと個人的に思っています。
南アフリカホップの国内での飲める商品は静岡県内で、
・反射炉ビール
・沼津クラフト
・リパブリュー
が企画としてやってます。沼津クラフトでは、アフリカンラガーがSouthern PassionとSouthern Aromaの組み合わせでのアフリカンラガーをリリースしています。
見かけたらぜひ試してみてください。